※この記事は能登半島地震より前の情報になります
2023/11/25(土)6:15 金沢駅
おはようございます。
昨秋の北陸旅2日目は、金沢駅からスタート。
入り口にでーんと構える鼓門は、いつ見ても玄関口に相応しい貫禄があります。
最初のランナーは、2020年から運用を開始した521系。
前に金沢駅に来た時はまだ古い車両の415系や413系が幅を利かせていたので、新車はまだ違和感ありあり。
自動改札機でなく手で改札していたので、6〜7年前のことです。
朝ごはんはコンビニで済ませるつもりでしたが、改札を出たところのおむすび屋に惹かれました。
地物の具が入った手づくりのおむすびが人気らしく、朝早くから開いているので賑わっていました。
まだほんのりと温かく、具がしっかりと入っていて美味しかったです。
この日はタイトルにもあるとおり、JR七尾線とのと鉄道を乗り継いで能登半島を旅します。
いくつか観光スポットをめぐり、夜は輪島市に宿泊する予定。
途中の羽咋駅では、車体のボロさが目立つ特急列車とすれ違いました。
七尾線は旧北陸本線の津幡駅から分岐して和倉温泉駅に至る路線です。
かつては和倉温泉駅から先も七尾線でしたが、のと鉄道に移管しています。
羽咋駅を出ると七尾駅に向けて能登半島を左から右に横切るのですが、ちょうど断層でできた細長い平野を走るので田園風景が続きます。
金沢駅を出発して約1時間半、終点の七尾駅に到着。
駅の南側は車両基地でしょうか、留置線が何本もありなかなかの広さがあります。
現在は特急車両がぽつぽつ停車している数ですが、かつては多くの車両がひしめき合っていたのでしょう。
北陸新幹線の敦賀延伸開業で無くなってしまいましたが、七尾駅のひとつ先の和倉温泉駅から大阪駅までを一本で結ぶ特急サンダーバードがありました。
大阪駅から約330km離れている七尾駅、大阪の行先表示がつい最近まであったのです。
ホームでは、なかなか愛嬌のあるゆるキャラが出迎えてくれます。
「とうはくん」は桃山時代の画聖、長谷川等伯がモデルで、没後400年を記念して2010年に誕生しました。
惚けたような顔から、あまりしっかりしてなさそうな印象が...
朝に宿を出た時に降っていた雨はいつのまにか止み、青空が目立ってきました。
一度駅舎を出て周囲を軽く散策したのですが、特に何もなかったです。
のとじま水族館や七尾城跡が有名な観光スポットなのでしょうが、車でのアクセスになるかと思います。
次に乗車するのと鉄道は、JRのホームを間借りしたような位置にありました。
車両にラッピングされていた「君は放課後インソムニア」は、2023年の春アニメで実写映画化もされたそうですがここに来るまで知りませんでした。
七尾市が舞台の天文部に所属する男女高校生の青春物語とのこと。
七尾駅を出発して次の和倉温泉駅では、観光列車「のと里山里海号」とすれ違いました。
基本的に座席は事前予約が必要な列車で、詳しくは復路で乗車するのでまたその時に。
観光列車と言えば水戸岡デザインが有名ですが、名古屋市のデザイン会社が担当しています。
国鉄だった頃の名残りでしょうか、どの駅もホームが長い。
長大ホームと短編成のギャップが可愛らしいです。
雨上がりの色付いた木々が、朝日に照らされてキラキラ眩しい。
七尾線は平地を走ってきましたが、のと鉄道は山地が迫る海岸線を縫うように辿ります。
地形図を見るとよく分かりますが、能登半島はほとんどが山なんですよね。
鉄道は住民の大切な移動の足です。
海が見えた!と思ったら、すぐに鬱蒼とした木々に囲まれて唸りをあげながら勾配を上る。
すぐに下り勾配に転じて、進む先に平地が現れる。
窓の外は田んぼ、海、山の繰り返しで、見ていて飽きない路線です。
能登半島の沿岸は外浦と内浦に分かれますが、のと鉄道の車窓は能登半島の先端から富山湾につづく内浦で穏やかな海になります。
一方の日本海側にある外浦は断崖絶壁で、荒々しい波が打ち寄せるんだとか。
ひとくちに能登半島と言っても、暮らしぶりは全然違います。
西岸駅で対向列車と交換。
実は西岸駅には2012年に訪れていまして、アニメ「花咲くいろは」で主人公が利用する駅のモデルになっており聖地巡礼に来ているのです。
その時はすぐに金沢駅へ折り返しているので、なぜ終点まで乗りつぶしていなかったのか...
作中では湯乃鷺駅という駅名で、現在もホームに駅名標が残っています。
またアニメに登場した架空の祭りを再現したものが湯涌温泉で10年以上も続いていたりと、アニメと地域がコラボした町おこしのひとつとして有名だったりします。
遠くに橋が見えてきました。
「ツインブリッジのと」は、七尾湾に浮かぶ能登島への2本目の橋として1999年に開通しました。
もう一方の橋である「能登島大橋」がドライブで人気ですが、こちらも絵になる斜張橋だと思います。
のと鉄道の駅はどれも魅力的ですが、最後の能登鹿島も桜の駅で全国的に有名です。
ホームに並ぶ約100本の桜並木、普段は静かな無人駅ですが、開花の時期になると花見客とカメラマンで大賑わいの姿に変貌します。
さて、あとは終点の穴水駅を残すのみ。
七尾駅を出発してだいたい50分の乗車でした。
個人的に好きな車窓が、ラストにカーブの先に海が現れる前面展望。
トンネルを潜ると、中は電飾でライトアップされていました。
他の鉄道でも車内の内装が光ることがありますが、真っ暗でも飽きないような心づかいは率直に嬉しいですね。
次回は、穴水駅から路線バスに乗って總持寺祖院を訪れます。
ではではノシ