2023/11/24(金)11:45 永平寺口駅
昨秋の北陸旅、前回はえちぜん鉄道を途中下車して曹洞宗大本山の永平寺を訪れました。
最寄りとなる永平寺口駅は、駅数でいうと路線のちょうど半分。
だからでしょうか、だいたい当駅で列車の行き違いがあります。
永平寺から永平寺口駅までは、路線バスに乗り15分で着きます。
ただ鉄道とバスの接続は時間にそこそこ余裕があり、この時も20分くらい駅で時間を潰していました。
駅舎の壁に飾られたスケッチ画が好みのタッチだったのでぼんやり眺めたり。
1番のりばにある建屋は旧駅舎で、開業時の大正時代に建てられたもの。
現在は改装の上、地域交流館として使用されています。
やがてカンカンと警報器の軽い音が鳴ると、乗車する勝山行きがやってきました。
列車は両側を山に挟まれた狭いところを、軽快に駆けていきます。
車窓は車両の一番後ろに立ち、流れゆく景色を見ているだけで楽しいですね。
線路の分岐器に小ぢんまりとしたシェードがあるのが雪国らしいです。
車内はのんびりとした空気が漂い、気を抜くとあくびが止まらないです。
窓の外には九頭竜川が流れていますが、雨のため少々濁っています。
小舟渡駅は川に近いので、ホームからの眺めは眼前に九頭竜川が広がるのでしょう。
あとは「轟」の厳つい駅名に目を奪われたり、春になると保田駅の桜は綺麗なのだろうと想像したり。
永平寺口駅を出発してから約30分で終点の勝山駅に到着。
ホームには出迎えるように恐竜の足跡があります。
そうです、勝山は福井と言えばの恐竜博物館があるところ。
駅前にはもちろん、恐竜のオブジェがありました。
バスの車体ラッピングも恐竜で、町の至るところで恐竜を確認することができます。
県内には他にも福井駅や九頭竜湖駅に恐竜のオブジェがあり、動いたり吠えたりするのですが、勝山駅の恐竜はたぶん動かなかったです。
ここまで来たなら、恐竜博物館に行かない手はないのですが、その前に行きたいところがあるので寄り道。
路線バス(本数が少ないので注意)で平泉寺白山神社に向かいます。
猛暑や雨天でなければ、レンタサイクルを利用しても良いかも。
永平寺では紅葉を堪能しましたが、ここでもギリギリ紅葉シーズンに滑り込めたかなって感じの色づき具合。
一の鳥居を潜った左手に庭園があったので、最初に覗いていきます。
国名勝の旧玄成院庭園は、約500年前の室町時代に幕府の将軍を補佐した管領の細川高国による作庭と伝えられています。
無人の社務所に入園料の50円を納めたら、社務所横から庭に入ります。
庭自体は大きくなく、ものの数十秒で散策は終わります。
当初はもっと大きくて立派だったのでしょうか。
なんとか確認できる石組は、仏たちの住む浄土を表していると説明がありました。
紅葉も終盤なので、苔の緑に色褪せた落葉が降り積もります。
平泉寺白山神社を訪れた目的ですが、境内のあちらこちらで広がる苔なのです。
SNSなどでも何度か取り上げられており気になっていました。
さて庭園をひと通り見終えたら、拝殿へと先に進みます。
石段がありますが急ではなく、幅の広い緩やかな段差が長くので疲れはしない。
続く石段と両脇にそびえる杉並木に、どことなく熊野古道を覚える。
平泉寺白山神社は、717年の白山開山に伴い創建されました。
奈良時代になると修験者が信仰対象の山岳を修験の霊山として日本各地で開山するようになりましたが、日本三名山のひとつ白山もそのひとつ。
平泉寺は栄枯盛衰を繰り返しており、現在残っているのはかつて白山登拝の一大拠点として栄えたほんの一部分。
想像以上に苔が広がっているのですが、こまめに手入れされているのでしょうか。
というのも、御堂が壊れている末社もあったりして廃れている印象を受けました。
社務所にも境内にも、神社の方がいる気配は無かったですし。
苔は雪の降る冬を除いていつでも見ることができますが、とくに雨上がりが鮮やかで美しいとのこと。
というか、冬季はそもそも積雪で参拝できないことがあります。
HPには2025年の5月に御開帳とありました。
33年に一度の行事ですので、とても賑わうことでしょう。
機会があれば、御開帳のタイミングで再訪したいです。
まだまだ奥に行けそうですが、市内に熊の出没情報が出ていたのでビビって引き返しました。
森の中でクマさんに出会うのだけは勘弁。
本殿までは、それなりに参拝客がいるので安心安心。
門前には博物館や数は少ないですが飲食店があります。
注文を済ませて机の上で溶けていると、次第に日が差してぎした。
窓から見える真っ赤な紅葉が、陽に照らされると鮮やかで綺麗でした。
福井名物のソースかつ丼とおろしそばをいただきました。
薄いカツに染み込んだ甘めソースは、濃くはないのであっさりいただけます。
蕎麦もちょっと多いかなと思ったけれど、おろしが辛さ控えめでするするっと食べれちゃいました。
お腹が膨れたら、バス停まで参道を歩きます。
雨上がりの石畳に濡れた落ち葉のコンボで滑りまくり、声にならない悲鳴が出たのはここだけの話。
参道を抜けると、突然城が登場します。
勝山城は柴田勝家の甥であり、のち養子の柴田勝安によって築かれました。
ちなみに現在の建物は博物館の模擬天守で、歴史上の勝山城とは位置や形式は関係ないです。
次回はいよいよ恐竜博物館を訪れます。
ではではノシ