2023/11/24(金)10:20 永平寺

 

2泊3日の福井・石川旅、初日はえちぜん鉄道に乗車して永平寺にやってきました。

永平寺は曹洞宗の大本山、日本史で鎌倉新仏教のひとつとして習いましたね。

開祖は道元禅師、ひたすら坐禅をする「只管打坐」によって悟りを目指しました。

 

 

拝観料を納めたら受付で参拝にあたっての注意事項によくよく目を通し、まずは研修や宿泊に使われる「傘松閣」の中へ。

建物は平成の再建ですが、2階大広間の天井は1930年建築当時の著名な画家144名によって描かれた230枚の色彩画が飾られ壮観です。

 

 

永平寺の開山は1244年、比叡山にて出家して中国に渡り厳しい修行を積んだ道元禅師が坐禅修行の道場として開かれました。

山間に大小70余りの建物が並ぶうち、特に重要な建物の法堂・仏殿・僧堂・庫院・山門・東司・浴室が「七堂伽藍」になります。

さてさて、順番に回っていきますよ。

 

 

永平寺では修行僧のことを「雲水」と呼びます。

「僧堂」は雲堂とも呼ばれ、雲水の方々が坐禅・食事・就寝を行う建物です。

僧堂と並んでお手洗いの「東司」、入浴する「浴室」は「三黙道場」といわれ、修行をする上では特に大切な場所とされています。

ちなみに、雲水の方々にカメラを向けての撮影は厳禁で、三黙道場は立ち入り禁止かつ撮影禁止になります。

 

 

七堂伽藍の中心に位置する「仏殿」。

中央には曹洞宗の本尊であるお釈迦様、釈迦牟尼仏がいらっしゃりました。

右側には未来の弥勒仏、左側には過去の阿弥陀仏と三世如来を祀っています。

 

 

この日は平日ですが、飛び石連休のためか朝から人が多いです。

ふと気付くと、団体さんに混じって行動していたり。

ガイドが付いていると、説明に聞き耳を立てたり。

 

 

四季折々の景色が特徴の永平寺で、特に人気なのが雪が積もる冬と紅葉の時期。

紅葉は真っ赤な木はあまり見られず、黄色っぽい木が多かったです。

11月下旬で萎れかかっている葉もありますが、雨に濡れた木々は一層艶が増したようで綺麗でした。

 

 

廻廊の廊下や階段は、常に掃除されてとても綺麗です。

永平寺での修行は日常生活そのものですが、毎日行われる廻廊の雑巾掛けなどは「動の坐禅」であると紹介されていました。

 

 

廻廊を進んだ最奥の「承陽殿」までやって来ました。

七堂伽藍のひとつではないのですが道元禅師のお墓であり、曹洞宗の聖地とも言える場所。

本殿は中央に道元禅師の御尊像と御霊骨を安置して左右に5世までの御尊像を祀り、拝殿には6世以降の歴代住職の位牌などを祀っています。

 

 

言わずもがな内部は写真撮影は禁止なのですが、柱の彫刻は撮影可でしたので撮ってみました。

龍でしょうか、非常に凝った造りで思わず目を奪われてしまいました。

 

 

そして、伽藍の最も高いところにある建物が「法堂」です。

禅師による説法の道場で、一般的な本堂にあたる場所。

スリッパを脱いで畳敷の堂内へ足を踏み入れる時は、やはり緊張してしまいますね。

 

 

中央に本尊「聖観世音菩薩」を祀り、ここで雲水の方々が一堂に集まる朝のお勤めなど各種法要が行われます。

もちろんここも撮影禁止だろうとカメラをしまっていたのですが、境内を案内しているお寺の方に記念撮影を頼まれたので聞いてみると意外にも撮影okでした。

 

 

四方を山々に囲まれていますが、法堂は高いところにあるので眺めは良いです。

雨が降ったり止んだりの天気なので、雲なのか霧なのか山の所々で煙っているのが色づいた木々と相まってなかなか風情があります。

 

 

あと1週間もすれば、永平寺は冬支度をはじめます。

11月末頃の本格的な冬の訪れを前に、竹のすだれで境内の建物を覆う雪囲いの一大作業があるのです。

これもまた、修行の一環で毎年行われます。

 

 

 

「庫院」は一般的な寺院の庫裡にあたり、食事を作る台所の「典座寮」をはじめ、永平寺を維持管理する多くの部署が入り大庫院と呼ばれています。

大庫院の前に吊り下げられている特大のすりこぎ棒は、仏殿を建てた際に地固めに使われた棒をすりこぎに見立てて飾っているのだとか。

 

 

この木の板はなんだろうと撮ってみましたが、後で調べると時間を告げるための鳴らし物でした。

他にも起床の合図である鈴の「振鈴」、食事の時間を告げる鉄の板「雲板」など境内では様々な音が鳴るとのこと。

 

 

最後に七堂伽藍で最も古い造立の「山門」。

写真は撮っていませんが中国唐時代様式の楼閣門で、両側に仏教の守護神である四天王が安置されています。

山門から見えた小さなお堂は鐘撞きの「鐘楼堂」で、こちらは朝・昼・夕方・夜の4回梵鐘の音が山々に響きます。

 

 

見どころは事前に調べていたので、永平寺での所要時間は約1時間でした。

説明書きを呼んだり、思うがままに歩き回ったりしながら楽しむと2時間はかかるかなと思います。

 

 

行きは石畳が敷かれた旧参道を通って永平寺に向かったので、帰りは土産物屋や飲食店が軒を連ねる門前通りを歩きましょうか。

旧参道はもの静かな雰囲気でしたが、門前通りは打って変わって賑やかです。

 

 

途中、店の外から蕎麦打ちを見学していました。

福井と言えば「おろしそば」、まだ少しお昼の時間には早いので見送りますが旅行中のどこかで食べれたらいいな。

 

 

まだ旅の初日であまり荷物にはしたくないのでお土産は買いませんでしたか、バス停の近くにあった「だるまぷりん」に目を奪われたので自分のおやつにひとつ買いました。

 

 

まずはプレーンかなと思いましたが、秋限定の柿を選んじゃいました。

バニラが効いたとろりなめらかなプリンと贅沢フルーツの組み合わせは多幸感いっぱいになります。

なんでだるまがモチーフなのかなと疑問に思いましたが、どうやらだるまは禅宗と深い関わりがあるのだとか。

 

 

一度は訪れてみたかった永平寺、たっぷり堪能したら駅に戻って引き続き終点へと進みます。

次に永平寺を訪れる時は、季節を変えて冬にしようかな。

ではではノシ

 

▶︎旅行記1話リンク◀︎

 

 

▼前話はこちら