2023/2/27(月)7:00 津軽五所川原駅


2泊3日の青森旅、最終日は津軽五所川原駅からスタートです。

前日にJRで五所川原駅に着いた時は、真っ暗闇で気付きませんでしたが、JRの駅舎の隣にひっそりと津軽鉄道の駅舎が佇んでいました。



朝早くから、まずは津軽鉄道の乗りつぶしです。

津軽鉄道はその名のとおり津軽半島の付け根から中央部までを南北に結ぶ全長約20kmの鉄道で、日本最北の私鉄なんて呼ばれています。



JRの津軽線は陸奥湾沿いを走りますが、こちらは半島の西側に広がる津軽平野をのんびりと進みます。

東側に目をやると半島の背骨となる津軽山地から、ちょうど朝日が顔を出しました。



冬場は風が強いのでしょう、車窓から防雪柵がちらほら確認できます。

実際に沿線には、地吹雪体験なんてものもあります。

都会では味わえない自然体験なのでしょうが、しんどそうなので遠慮はしたいですね。



毘沙門駅には、鉄道林の看板が立っていました。

説明を読むと職員の手によって植樹された木々が、半世紀以上も地吹雪から鉄道の運行を守ってきたとあります。

津軽鉄道の設立は1928年と、100年近い歴史があるのです。



次の嘉瀬駅は、落書き列車が有名かもしれません。

スマスマの企画でSMAPの香取慎吾さんがデザインした車両が、今もなお駅の片隅に留置されています。

特番の企画だったので、子どもの頃の記憶が何となく残っています。



振り返るように後ろを見ると、青森のシンボルである岩木山が綺麗に聳えていました。

津軽平野は広いので、かなりの範囲から岩木山の姿を拝むことができます。

その山容から、津軽富士で親しまれています。



沿線で唯一、列車の交換が可能な金木駅。

乗客が入れ替わるように乗降も多かったです。

学生が多いと思ったら、この日は平日でしたね。

対向列車の到着を待って、出発します。



金木駅の次、芦野公園駅で途中下車しました。

金木と言えば太宰治の出身地ですが、芦野公園にもゆかりのスポットがたくさんあります。



開業当時からの駅舎は、現在地元のNPO法人が運営する喫茶店として利用されています。

駅舎は太宰治の小説にも描かれており、建物自体は国の登録有形文化財です。

今はまだ朝早い時間なのでオープンはしていませんが、カレーが美味しそうでした。



現在の駅舎は、シンプルなものです。

しかし桜の開花時期になると、多くの人でごった返す駅に変わります。

毎年写真を目にしますが、桜の木がトンネルのごとく駅を覆いつくします。



普段はシャッターが閉まっていますが、屋台も桜まつりの期間になると大繁盛するのでしょうね。

雪が積もる今は、辺りを見渡してみても他に人影なんてないです。



でもこんなイベントがありました。

弘前城のライトアップと同じように、桜の枝に着いた雪を光らせて桜に見立てています。

事前に知っていれば、旅程に組み込んでいたのに。



桜で満開の光景を想像しながら、写真を撮っていました。

いつか春の時期に訪れたみたい。

でも本数の少ない列車に人が集まるので、混雑は必至なのだろうな。



次の津軽中里行き列車までは待ち時間があるので、いったん金木駅に戻ろうかと思います。

その前に、せっかく訪れたので芦野公園を軽く散策です。

晴れた冬の朝は空気が澄んで、散歩するには気持ちが良い。

雪の上に残る足跡は、誰のものかしら。



ちょっとした動物園があるのかとぼんやり歩いていると、一気に肝が冷えたのがヒグマの檻。

すっかり気が緩んでいたので、猛獣の名前を見て驚いたのです。

でも閉園なのか冬季休園なのか、今は姿が見えなくてひと安心。



橋が見えてきたのですが、どうやら吊り橋っぽい。

苦手な吊り橋、雪が積もって危ないことを理由に引き返しました。

でも橋を渡った先はオートキャンプ場の他に何もなかったので、渡らなくて良かったのかも。



芦野公園は、太宰治が少年の頃よく遊んだ場所として知られています。

日本のさくら名所100選に選ばれた自然豊かな場所で、広い園内にはため池がありますが雪が積もって池の姿はない。

今は厳しい寒さですが、春になるとより雄大な景色となるのでしょう。



吊り橋の手前には、太宰治の像があります。

険しい顔をしているので、寒さに凍えているように見えなくもない。

また金木地区は津軽三味線の発祥の地らしく、太宰治像のそばに発祥之碑が建っていました。




次回はひと駅となりの金木駅で、太宰治ゆかりのスポットを巡ります。

ではではノシ


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