◇ウクライナ情勢の緊迫と消費増税で
ガソリンの小売価格が5年7カ月ぶりの高値となっている。
ウクライナ情勢の緊迫化に伴う原油価格上昇の影響に加え、
4月の消費増税が価格の引き上げにつながっているためだ。
大型連休中は車の利用増を見据え、
ガソリン価格はいっそう上昇する傾向にあり、
帰省や観光でマイカーを利用する人には痛手となりそうだ。
経済産業省資源エネルギー庁が発表した
先月28日現在のレギュラーガソリンの小売価格
(全国平均)は
1リットル164.8円で、08年9月以来の高水準となった。
昨年4月末の153.2円から比べると10円以上も上がっている。
40リットル給油すれば昨年より464円の出費増となる。
ガソリン価格上昇の要因は、原油価格上昇で
石油元売り各社が卸売価格を引き上げたことが大きい。
さらに、大型連休を控えた特殊事情もある。
ある石油業界関係者は「ガソリンの小売業者は地域競争が厳しく、
仕入れ価格が上がっても、なかなか価格転嫁できない。
慢性的な利益減に苦しむ中、
大型連休を控えた需要のピーク期は値上げに動く業者が多い」と話す。
◇ガソリン価格
ガソリンは輸入原油から精製され、
石油元売り業者からガソリンスタンドに卸される。
このため、ガソリンの小売価格は、原油の輸入価格や、
石油元売り業者の卸売価格の変動が影響するほか、
ガソリンの需給動向や近隣店舗との競争状況などにも左右される。
石油情報センターによると、
現在の小売価格の平均的な価格構造は、
原油費42%、精製費8%、流通費8%、税金42%で、
原油費が価格に与える影響は大きい。
税金については、1リットル当たりでガソリン税53.8円
(揮発油税48.6円、地方揮発油税5.2円)、
石油石炭税2.54円のほか、消費税8%がかかる。
今年4月に消費税が3%、
石油石炭税が0.5円それぞれ上がり、税金負担分が増加した。