セ・リーグ、ヤクルト8-10中日、19回戦、
ヤクルト11勝8敗、27日、神宮
ヤクルトのバレンティンが七回に今季50号本塁打を放った。
チーム111試合目での大台到達は、
2002年のカブレラ(西武)より6試合も早い史上最速記録となった。
二回には中田賢から49号3ラン。
1試合2本塁打は8月に入って4度目で、
今月放った本塁打は日本タイ記録となる16本。
あと33試合を残して、年間55本塁打のプロ野球記録更新に挑む。
空高く舞い上がった打球に神宮の杜が揺れた。
5点を追う二回一死一、二塁。
バレンティンが中日先発・中田賢の初球、スライダーを捉えた。
「狙っていたボールではなかったのに、自分でもびっくりするくらい、うまく対応できた。苦しい展開の中で打つことができてよかった」
先発の古野が二回までに8失点しても、決してあきらめていなかった。
反撃ムードに火を付けた一撃は49号3ラン。
今季ここまで中田賢は6打数無安打と大の苦手にしていた。
チームも今季5度の対戦(うち先発は2試合)で対戦防御率0・47
と抑え込まれていた右腕を打ち砕くひと振り。
前日まで6試合で6本塁打と絶好調の大砲の勢いは、もう誰にも止められない。
3点を追う七回は先頭打者として、
4番手・マドリガルの2球目を左越えに50号ソロを放った。
セ・リーグでは2002年の松井(巨人)以来となる大台到達。
チーム111試合目での達成はプロ野球史上最速だ。
王貞治(巨人)ら3人が持つプロ野球記録のシーズン55本まで、
あと「5」。
この日、球場入りした際に「55本の記録は誰が持っているか知っている?」
とたずねると、こんな答えが返ってきた。
「オフコース! タフィ(ローズ)、アレックス・カブレラ、オウサン、アンド、バレンティン!」
燕の主砲は、プロ野球新記録をしっかりと視界にとらえている。