首相、まず成長戦略策定へ…消費税、秋に判断
参院選で勝利した安倍首相は、内政・外交の懸案解決に取り組むことになる。
まず、秋の臨時国会で、成長戦略の強化を図り、
経済再生を加速させる一方、外交では、悪化した日中・日韓関係の改善を図りたい考えだ。
◆経済再生
首相が秋の臨時国会に向けて進めるのが、追加の成長戦略の策定だ。
政府が6月に決めた成長戦略には、規制緩和の目玉を欠いているなど
の不満が経済界から出ていた。
このため首相は、秋の臨時国会に提出する「産業競争力強化法案(仮称)」の
柱として投資減税を盛り込み、早期成立を図りたい考えだ。
これに関連し、首相は21日夜の日本テレビの番組で、
「まずは強い経済を取り戻す。そこに集中していきたい」と強調した。
年内には、消費増税と、環太平洋経済連携協定(TPP)参加の是非についての判断も待ち受けている。
消費増税は、昨年成立した社会保障・税一体改革関連法で、
2014年4月に8%に、15年10月に10%とすることが決まっているが、
景気が悪い場合は引き上げを見送る「景気条項」も盛り込まれた。
首相は10月までに、経済指標を見ながら増税の最終判断をする。
首相は選挙期間中、8%への引き上げに関し、
「経済に影響が出て税収全体が減っては元も子もない」と述べた。
首相の経済ブレーンにも増税先送りを求める声がある一方、
政府内には「増税しなかったら日本の信認はがた落ちだ」(財務省筋)との懸念もある。
TPPをめぐっては、現在マレーシアで11か国の交渉国会合が開かれており、
日本も23日から初参加する。
各国は年内の妥結を目指しており、交渉は大詰めを迎えている。