プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)は11日、
1軍の試合で使用している統一球について、
昨年よりも反発力を増すようメーカーのミズノに微調整を指示して
いたことを明らかにした。仙台市内で行われた選手会との事務折衝で指摘を受け、認めた。
統一球導入3年目の今季は、1試合平均の本塁打数が過去2年を上回るなど、明らかな変化がある。
しかし、NPBはこれまで「球を変えた事実はない」と主張し、
メーカーにも問い合わせなどがあった場合に同様の返答をするよう求めていた。
プロ野球では2011年から、以前より飛びにくくすることを主眼に、
規格の反発係数の下限に近づけた統一球を導入。
「投高打低」の傾向が顕著になったが、今季は突然、
飛びやすくなったとの指摘が相次いでいた。
プロ野球の規格では球の平均反発係数を0.4134~0.4374に定めているが、
NPBの下田邦夫事務局長は「昨年の検査で反発係数の下限を
下回っていたことがあり、メーカーに微調整をお願いした」と説明した。
これまで事実を公表しなかったことについて、下田事務局長は
「微調整したことを知らせることで混乱を招いてはいけないと考えた。
結果的に混乱させてしまった。
それでも、統一球になる前よりも飛びやすくはなっていない」と釈明した。