レスリング女子55キロ級で世界選手権と五輪を合わせた史上最多の13連覇を達成した
吉田沙保里(29)=ALSOK=に対し、政府が国民栄誉賞を贈る方針を固めたことが4日、分かった。
この日、吉田の地元・三重県の鈴木英敬知事が官邸を訪れ、国民栄誉賞授与の要望書を提出。
藤村修官房長官は会見で「ぜひ検討したい」と述べていた。この日、都内で会見に応じた
吉田は「いただけるなら光栄」と大歓迎。栄誉を励みに4年後の五輪4連覇を宣言した。
世界のサオリンがQちやん、なでしこジャパンに肩を並べた。政府関係者がこの日、
13大会連続世界一を達成した吉田に国民栄誉賞を贈る方針を固めた。
藤村官房長官は午前の記者会見で「大変な快挙で敬意を表する。何かできないか考えている。
(国民栄誉賞を含め)ぜひ検討したい」と述べていた。この日は鈴木知事らが官邸に藤村氏を訪問。
「ロシアの英雄である男子レスリングのアレクサンドル・カレリンの記録を抜くもので、前人未到の大記録だ」と記された国民栄誉賞授与の要望書を提出した。野田佳彦首相も「13連覇はすごい」とたたえた。
ここまでの動きを都内で伝え聞いた吉田は「日本で一番すごい賞だし、絶対にもらえない賞だと
思っていた。想像もつかない。もしいただけるなら光栄だし、びっくりです。本当にありがたいこと。
うれしく思う」と声を弾ませた。
スポーツ界での国民栄誉賞はサッカー女子W杯で初優勝した「なでしこジャパン」が2011年に、シドニー五輪女子マラソンで優勝した高橋尚子が00年に受賞。政府表彰では浅香山親方(元大関魁皇)が受賞した内閣総理大臣顕彰がある。
5日で30歳となる吉田にとっては、最高の誕生日プレゼントだ。
女王は「自分もいろいろなことがあった中で優勝してきて良かった。ファンの応援のおかげ。
みなさんが私の背中を押してくれた」と感無量。「(賞を)いただけるならば五輪4連覇もやらないといけないかなという気持ちも出てくる。どんどんすごい記録を残していきたい」と、早くも16年リオデジャネイロ五輪を見据えた。