ストレスでうつ状態の時は、脳の神経伝達物質が不足状態
うつ状態になり、上で述べたようなさまざまな症状がでている人は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが不足していると起きやすいと考えられています。
気分を調節するセロトニンが不足すると、そこからつくられるメラトニンという誘眠物質も不足し、眠れないといった睡眠障害が起こります。そのため脳が休養できなくなり、神経伝達物質の働きがさらに低下するという悪循環におちいることにもなります。
また一時話題になったドーパミンは、「快感ホルモン」ともいわれるように、楽しさや心地よさといった感情を生み出す物質です。このドーパミンは、年齢とともに減少する傾向があり、ストレスが多くなる大人になるにつれ、楽しさを感じにくくなってしまうというわけで、よりストレスを感じやすくなってしまいます。
最近では、このセロトニンやノルアドレナリンの量を調整し、症状を回復させるという薬物療法が治療法の中心になってきているようです。
五月病も神経症も、そのストレスの引き金となる根本的な問題を解決したり、あるいはうまくストレスを発散する方法を自分なりに見いだすことが大切です。また反対に、ストレスは、まったくなくてもうつ状態の原因となることもあり、適度なストレスがあることも、やりがいや意欲向上にもなります。このあたりの、五月病の基本的な話やストレス、ヒーリングについては、ストレスのガイドさん
や、アロマテラピーのガイドさん
の記事をご参考にご覧ください。
ストレスに関わる食ベものなんてあるの??
食べ物で、直接ストレスの原因を解決するわけではありませんが、うつ状態の時に不足しがちな成分を含む食べ物はあります。それがブレイン・フーズ。脳を活性化する食べ物のことで、健脳食とも呼ばれています。主なものは、下記のような食べ物があげられます。
●大豆食品(大豆、豆腐、納豆
、おからなど)
大豆には、レシチンやチロシンという栄養素が含まれています。レシチンは、脳を活性化する働きがあり、チロシンにはノルアドレナリンやドーパミンの分泌を高める作用があります。
●発芽玄米
気分を調節しているセロトニンは、加齢やストレスにより減少しがちです。セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸から生成されます。その際に、ごはんやパンなどの穀類の主成分である炭水化物を必要とします。
穀類の中でも特におすすめなのが、発芽玄米です。発芽玄米にはギャバ(γ-アミノブチリル酸:GABA)というアミノ酸の一種を含んでおり、高血圧を改善する作用などで注目されていますが、脳や脊髄に存在する「抑制系の神経伝達物質」を含んでいます。
何か不安を感じると、脳内でノルアドレナリンが分泌され、緊張や注意を促しますが、それが過剰に分泌されるとパニックを起こしてしまいます。ギャバは、神経細胞の興奮を抑えてくれる物質なのです。(ファーマーズ研究所と静岡県立大学食品栄養学部・横越秀彦教授らの共同研究より)。
●魚
DHA(ドコサヘキサエン酸)が増えるとアセチルコリンなどの神経伝達物質が活性化されるので、記憶力や理解力などが向上します。DHAはほとんどの魚の脂肪(脂)に含まれていますが、とくに豊富なのはイワシやサバなどの青魚、鮭、まぐろにも多く含まれています。
●セロリ
セロリの独特の香りは、アピインやセネリンという成分。この成分にはストレス解消、神経鎮痛、疲労回復、不眠症などを緩和する働きがあります。また、含硫アミノ酸の一種であるメチオニンという成分も含まれ、この成分は抑うつ症状を改善する効果もあります。
様々な食品をバランスよく
タンパク質はホルモンになり、ミネラルは酵素としてカラダの機能をうまく働かせるために必要不可欠で、いろいろな栄養素をバランスよくとることが食事の面では大切なことです。
新生活が始まると、一人暮らしをしている、あるいは残業続きなどで、ろくろく食事もとれない、市販のお弁当やスナック菓子ですましてしまうなんてこと、こ とありませんか? そういう食生活ばかりが続くことで、必要な栄養素が不足し、ストレスに対抗できなくなってしまいます。
市販のお弁当や外食では、どうしてもタンパク質や脂質が多くなり、野菜不足になりがちで、ビタミン、ミネラルが不足します。最近ストレスで心身ともに疲れているという時は、せめて休日に野菜などをたっぷりとれる食事をすることも、ストレスに負けないカラダづくりには大切なことだと思います。