うかうかしているうちにというべきか、生活のためにただ働くだけで、なんの余技も身につけず、芸のないつまらない無芸大食できてしまったと、カラオケでもなんでも、芸達者な人をみると、つい思っちゃうんだわ。
で、人気のある人間には程遠く、地味に生きてきただけだな~、と。
ことわざにも「芸は身を助く」ともいうらしいし、一芸があればなあと思う。
そこで、芸なしのつまらないじぶんに向き合って、さあ、特色のないじぶんに向かってなんと声をかけたらよいか。
じぶんのしていることは本業だ、本業に精を出せばいいんで、余芸・余技で助けなきゃならんほどの本業なら本業が不十分ってこと。つまらぬ人間だなんて思わずに本業に励めよってか。
そうだなあ、むかし、錦花翁隆志という俳人の句に
「芸が身を たすくる程の ふしあわせ」
とあるという。
俳諧の遊びで前句付けのさいに使われ広く知られるようになったという。
そうだよな~、芸で身を助けなきゃならんとはそれだけ生活も仕事もうまくいってないからかもしれない。
マ、そう考えておくか。
そうして、面白みのない人間だな、お前は、とじぶんに向かっていうのも止めておこう。
どうせ飽きっぽいし、余芸を身に付けるほどの力はないし。