桜の季節でもあり、近所の公園に見に行った。
よちよち歩き始めたお子様連れの若いご家族。また、車いすを押されて花を見に来られたご高齢の方と介護のご家族とみえる一組も。
桜と桜見る人を眺めながらも、人間ってのは歩くってことなんだなと思う。よちよちでも一生懸命歩き始める。そうして最後は椅子を押されて動くところに行き着くまで。
喜多村信節の『嬉遊笑覧巻之六上』に
「小児の詞に足をあんよといふはあゆむ事を教ゆるにあんよは上手といふ 是なり」
とある。
あんよは上手といわれて、みんな歩き始めた。いろんなことがあったが、毎年、桜は咲き、歳は重なる。そうして桜をみるたびに、歩み来たこれまでを回想するんだろう。
やっぱり日本人だから、
「さまざまのこと思出す桜かな」(芭蕉)
なんだなあ。