しける | 拾い読みあれこれ

拾い読みあれこれ

きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「おゝ、時化(しけ)るといへばとゝさんが、鮫蔵に浜へ行つて船を磯へ上げておけと、言付けてあつたぞえ。」
(黙阿弥、『志らぬひ譚(しらぬいものがたり)』)

海が荒れ、しけるとは時が化けると書く。いつ世の中、化けるやもしれぬ、しかし豹変するからといっていつも船を磯に上げておいては船の用をなさぬ。経験ある漁師のような観天望気の優れた力量が必要なんだな。