言う者 | 拾い読みあれこれ

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きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「言はずして実地に行ふ、こいつが一番始末が悪いねーー老子曰く、言ふ者は知らず、知る者は言はずつてね、・・・宣伝屋や、見栄坊なら直ぐにそれと当りがつくが、不言実行といふ奴になると、何処でどうして、何をしてゐるか、一向わからねえ、・・・」
(中里介山、『大菩薩峠』、第22巻、角川文庫1182、p.170.)

テレビをつければ、体裁のいいことを言って権力を手に入れた政治家が消費税増税の話をする。今度も国民を丸め込めると思っているんだろうが、魂胆は当たりがつく。政治家をしてそうさせている「知る者」が不言にして着々とそうした道を作っているのだろう。