ご贔屓「・・・足かけ三年この土地で、何(いづ)れも様(さま)の御厄介、それはそれは他国と違ひ御贔屓(ごひいき)強い所ゆゑ、わしらがやうな者にまで、やれこれ言つて下さるは、何と有難いことではござりませぬか。」黙阿弥(『志らぬひ譚(しらぬいものがたり)』)壊滅的な打撃を受けた被災地に、それでも見捨てず戻ろうとしている人たちがほとんどだろう。それはなによりもその土地のコミュニティの絆の強さのゆえではないか。お互いの御贔屓の強さ、地域で生きて行くのに、なににも代え難いものといえるのかな。