無為「とかく世間(せけん)無為(むゐ)に屬(しよく)せず、小を責め大を拒み、渠(かれ)を亡し己(おのれ)たゝんことを思ひ、互に隣境(りんきやう)をあらそひ・・・ (山東京伝、『本朝醉菩提全傳』) 無為にしょくすとは、無為に任せる、頼むということだろう。世間は何もしないことに頼むことはないというわけだ。己を立てんとして、競争、競合、争いに忙しい。無為に過ごし、油断してはおられぬか。