うだつ「元より智慧(ちえ)のない上に、腕に覚えは少しもない生涯うだつのあがらぬ軆(からだ)。(黙阿弥『女化稲荷月朧夜』(おなばけいなりつきのおぼろよ))まあ来し方、うだつの上がらぬ生活だったが、これからもうだつを上げようなどとは考えたくないな。なんとか生き延びれればそれでよいか。なにしろ生きていくだけでたいへんな時代になりそうだから。