移り気 | 拾い読みあれこれ

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きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

「・・・ホンニホンニ移り気なものでございますよねへ
「京形(きやうがた)だの、京かんざしだのと、何でも珍しい事を好ます。お江戸の人はお江戸の風(ふう)がいつまでも能(よ)うございますよ

(式亭三馬、『浮世風呂』)

なんでも珍しいものがよい、アタリマエのことは話題にさえならない。人間には好奇心があるから、それに訴えるようなものが受けるのか。理由はわからないが、珍しいものを次々消化していく移り気。まあそれだけ消化力があるということだわな。エネルギーがあっていいのかも。

しかしそうした珍しい物事も、「いつまでもよい」ものに変じていけるか。話題になるものは話題にする必要さえないものになるために競合しているといえるかもしれない。移り気に気を移させぬ確かなものへと。そうなれないものはカンタンに捨てられていく。

ちょうど選挙らしいが、政治もそうなのかも。