子育て「・・・ホンニホンニ何で苦労するかと思へば皆(みんな)子(こ)故(ゆゑ)だによ。世間の親は子を持(もつ)て楽をするに、大きなあべこべだ。こちとは楽をせずといひから、せめて苦労の薄らぐやうにしてへ。それより外(ほか)に願ひはねへ。・・・(式亭三馬、『浮世風呂』)とにかく子育てはたいへんだ。「こちとは楽をせずといひから」(私どもは楽をしなくていいから)せめて苦労を軽くという気持ちは身に染みてわかる。