NO.615
「崩れる脳を抱きしめて」
著者:知念実希人
読了日:2020年12月19日

物語:
主人公は研修医で、一か月の期限付きでホスピスのある病院で働くことになった
そこで彼は運命的な女性と出会う
その魅力に少しづつ心を奪われながらも、患者との距離を保とうとしていた
その後、彼の抱える問題について話をするようになり、問題の解決の糸口が見つかって二人の距離は急速に縮まるのだったが......別れの時が来てしまうのだった

感想:
久しぶりに、最後にホッとできる作品に出会えて感謝
作品自体は二部構成、前編は主人公とヒロインの出会いの恋愛物語を描き
後半部分で、核心部分の謎解きが待っている
この作品の中で一番好きな人物は、主人公でもヒロインでもない主人公の元恋人で、今は同じ研修医仲間で「親友」ということになっている主人公にとっては都合のいい女性である
その女性は、さばさばとした語り口調で主人公を影で支えるべく完全な理解者だ、心を開くべきはその彼女にだろう、背中を押し続ける彼女はすごい
さり気なく、そして力強く、その男に帰ってくる場所としてありつつ、健気に送り出す
きっと主人公がうまくいかなかったとしても、又迎え入れてくれる懐がありそうだった
絶対に、主人公は気づいていないだろう、本当に報いてあげるべきなのは、その元彼女だということを

ページ数
290(単行本)
読みやすさ
3(満点3)
わかりやすさ
3(満点3)
ストーリー
3(満点3)
テンポの良さ
3(満点3)
意外性
2(満点3)
私個人の好み
4(満点5)
合計
18(満点20)

2020年47作品目

つぶやき:
脇役の人が魅力的な作品ってハズレがない


次に読む本:
野﨑まど 著「TITAN タイタン」