NO.610
「失踪者」
著者: 下村敦史
読了日:2020年12月10日

特徴:
山を愛してやまない男たちの物語
10年前の山の事故で置き去りにしてしまった親友を迎えに行く主人公
やっと見つけた遺体は、その時よりも年をとっていた
いったい、遭難から生き延びていたのか?
ならば何故、連絡をくれなかったのか?
空白の期間、いったいどこで何をしていたのか?
どうして、彼は同じ場所で死ななければいけなかったのか?
主人公は、友人との過去を振り返りながら、彼の空白の数年の消息を追う

素直な感想:
山に魅入られた人間たちの美談だな......と
いや、その言い方は無いかな
この設定がハマる人には、男の友情物として号泣ものだろうけどね
なるほど、冒険家といわれる人々は、危険なお遊びを好む無謀者のレッテルを貼られながらも、称賛と非難との狭間で生きているということを知る
ミステリーとしては、親友が既に死んでいるという当初からの絶対前提をひっくり返す程の驚きはなかった
そもそも最近、トリックやミスリード、設定が凝ったものばかり読みすぎた
とりわけ、私に山岳小説が合わなかったのかもしれない


おすすめの読者:
山岳小説、登山関係に興味や経験のある方
謎解きよりも、男同士の友情もので感動したい方
合うか合わないか、はっきり分かれそうだ

ページ数
295(単行本)
読みやすさ
2(満点3)
わかりやすさ
2(満点3)
ストーリー
2(満点3)
テンポの良さ
2(満点3)
意外性
1(満点3)
私個人の好み
2(満点5)
合計
11(満点20)

2020年42作品目

つぶやき:
男のロマン系の作品は、心の体力が豊富で元気な時期じゃないと
素直に受け付けないかもな
次は、軽めの作品でいこう

次に読む本:
西澤保彦 著「腕貫探偵(うでぬきたんてい)」