NO.609
「冷たい校舎の時は止まる」
著者: 辻村深月
読了日:2020年12月8日

特徴:
雪の降る日に高校に登校してくる8人の男女
その中に作者と同じ名前の登場人物がいるのはどういう意味か?
8人が揃ってしばらくしても、姿を見せない教師たちや他の生徒たち
自分たちにだけ連絡が来なかっただけで、今日は休校なのか?
一人の生徒がしびれを切らして、帰ろうとするが、解放されていたはずの入口が閉じていて開かない
一人の生徒が携帯電話を使おうとすると圏外、電波はよかったはず、雪のせいか?
突如としてクローズドサークルと化した校舎、なぜか時計は「五時五十三分」で止まっていた
これから訪れる試練と、彼らが忘れてしまった2か月前の過去
この中にいるはずのない人物が、いるのかもしれない
いったいこの空間を支配しているのは誰で、何の目的なのか?

読後直後の感想:
やー、長かった、700ページ超えてるもんね
でも、後半でいくつも見せ場をつくってくれていて
泣きましたね
とにかく「菅原」の回想シーンが衝撃で、心をえぐられました
その話しがとても良かったので、結末にあまり期待することなく読んでいたんですが、
まさに、まさかの展開、しっかりミスリードに引っかかっていた
心を動かされる感動の一作でした
最後は安心できたので

お薦めどころ:
先日「かがみの孤城」を読んで、この作品も少し似ていると思ったが、この作品のほうが登場人物たちの話し方が大人びているので、上の世代でも読みやすい気がします
メインはミステリーではないものの、しっかりそこも楽しめると思う
ミスリードに引っかからないように挑むのもありだ
かがみの孤城の時もそうだったが、読んだ後に作中の登場人物たちと、思い出を共有できるような気持ちになる、それが辻村氏の魅力なのかもしれない

ページ数
上233 中267 下281(文庫本)
読みやすさ
3(満点3)
わかりやすさ
2(満点3)
ストーリー
3(満点3)
テンポの良さ
3(満点3)
意外性
3(満点3)
私個人の好み
5(満点5)
合計
19(満点20)

2020年41作品目

つぶやき:
小説というのは、良くも悪くも読者の「負」の感情を引き出してくるものなのかな
8人の登場人物の中に、似ている人や似ている感情を思い出させる人がいませんか
僕はいたな

次に読む本:
下村敦史 著「失踪者」