NO.606
「インストール」
著者: 綿矢りさ
読了日:2020年11月29日
特徴:
自称変わり者の女子高生が主人公
彼女は、毎日みんなと同じ生活を続けることを疑問に感じ登校拒否を始める
その彼女が、ある日ゴミ出し場で出会った12歳の少年の力を借りて、自らを「別の誰か」へ「インストール」する
この小説にとって、この主人公の一つ目の変化は「引きこもること」
二つ目の変化は「別の誰かに成り代わること」、そして最後の変化は「自分とそれ以外の者たちとの本当の現実を受け止めること」
彼女にとって、この出会いは、その後の人生にどんな変化をもたらしたか
率直な感想:
インストールともう一つの短編も文字量も少ないのにかかわらず、両方読みにくかった
評判よい作品と知っていたので、自分に理解できないことに残念
独特な文体:
改行が少なくて、足りない句読点
頭の回転が速すぎる人の会話のように、急き立て機関銃のごとくのつづく言葉の洪水
世代のせい?綿矢りさ特有?の難解単語:
①「ベル席を守る」→始業ベルが鳴ったらきちんと着席すること
②「天使様がお通りになった」→会話が途切れて黙ること(フランス語の慣用句の直訳らしい)、しかし主人公は逆の意味で使っており、それは「天の助けだ」と思って会話が再開されたことの意味で使っている。元の意味も逆の意味も意味不明だ
③「ネカマ」→インターネットの中で性別を偽る人
唯一面白いと感じたところ:
人の家のコーラを飲む代わりに、その家の「なめこ汁」を勝手に飲んであげるということを「お返し」と呼ぶ感覚
おすすめの読者:
2000年くらいに高校生だった女性や、世代間ギャップを楽しみたいそんな方
ただ、自分には向いていない作品でした
それでも、綿矢さんのその後の作品も読んでみたくなる気持ちもあります
もしかしたら、理解はできなくても、魅力のある何かを感じているのかもしれません

ページ数
172(文庫)
読みやすさ
1(満点3)
わかりやすさ
1(満点3)
ストーリー
2(満点3)
テンポの良さ
2(満点3)
意外性
1(満点3)
私個人の好み
1(満点5)
合計
8(満点20)
2020年38作品目
つぶやき:
小説の読み方については毎度考えさせられる
素直にそこで起きた事象をそのまま受け止め、前に進むか
「それってどういうこと?」と何度も立ち止まっては、前のページに戻ったりしながら理解しようとするべきか
皆さんはどうですか
次に読む本:
辻村深月 著「かがみの孤城」