NO.595
「その女アレックス」著者:ピエール・ルメートル 訳者:橘明美
読了日:2020年11月7日
前回、「悲しみのイレーヌ」を読んだ直後3日間ぐらい胸糞悪い気分が抜けなくて、アンハッピーの苦しさと倦怠感を大いに味わされた
なので、この作品を読む前も妙に身構えてしまった
読後の感想からいうと、この作品は、凄い!傑作だと思います
作品の流れ:
全体が3部構成になっている
第一部は、女が拉致監禁され、他方で誘拐の目撃証言から警察の捜査が開始される
話は、女側と警察側の両面から進行していく
第二部は、脱出に成功した女のその後の足取り、一方で警察は女の行方を追う
第三部は、すべての真相が刑事たちによって暴露される
読者の心の流れ:
第一部から三部まで、「女」に対する読者の思いが、その度に反転する
第一部→卑劣極まりない犯人から女を救い出してほしい、警察早くしろよ!と緊迫感のある展開
第二部→第一部で感じたすべてを裏切られる、一体どうなっているんだと混乱しつつも不快感んが襲う
第三部→第二部まで読み終わった読者の心を大きく揺るがす真相に怒り、驚愕する
読後感と感想:
作品を通して、読みやすくテンポが良い
前作ほどでないが痛々しく凄惨なシーンも多いが、淡々としていて恐怖感は少ない
何よりも「その女」とは、どういう女なのか何度も思い違いをさせられる
読後も「その女」の「救い」とは何だったのかを考えさせられます

ページ数
449
読みやすさ
3(満点3)
わかりやすさ
3(満点3)
ストーリー
3(満点3)
テンポの良さ
3(満点3)
意外性
3(満点3)
私個人の好み
3(満点5)
合計
18(満点20)
2020年27作品目
つぶやき:
この作品から学ぶこと「嘘も方便」