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【激情―ホセとカルメンー】
19世紀。フランスの作家プロスペル・メリメは、スペインのアンダルシア地方を旅行中に一人の男と出会い、彼をモデルに小説を書く。
その男の名は、ドン・ホセ。不屈の面魂の中に、深い孤独の影を宿した男であった。
ホセはセビリアの春の祭りで、情熱的な瞳を持つロマの踊り子、カルメンと出会う。
この出会いが、後に自らを破滅へ導くなどとは思いもよらず・・・。
祭りの最中に騒ぎが起きる。カルメンがロマを侮辱した女をナイフで刺したのだった。
軍隊の伍長であったホセは、上官からカルメンを憲兵隊に引き渡すよう命じられる。
ところがカルメンはホセを甘い言葉で誘惑し、自分を逃がしてくれるよう迫ってきたのだ。
ホセは初めこそカルメンの願いを退けていたものの、ついに誘惑に負け彼女を逃がしてしまう。
ホセはミカエラという貞淑な婚約者がありながら、奔放で生命力に溢れたカルメンに、自分でも気付かぬうちに心奪われていたのだった。
カルメンを逃がした罰として、一ヶ月の営倉入りを余儀なくされたホセの許へ、カルメンが忍び込んでくる。
ホセを脱獄させる手筈を整えたという。カルメンもまた、純粋で曇りのないホセに魅かれたのだ。
ある日、カルメンの踊る店「リーリャス・パスティア」に、闘牛士のエスカミリオがやってくる。
カルメンのステージを見たエスカミリオは、熱い血の迸りを感じさせる彼女の、抗し難い魅力の虜となっていく。
一カ月後、営倉を出たホセがカルメンの許へ帰ってきた。二人は目眩めく愛の一夜を過ごす――。
ところが、カルメンに引き止められるまま無断で外泊をしたホセは、上官のスニーガ中尉にその事実を咎められ、口論の挙句彼を殺めてしまう。
帰る場所を失ったホセは、ダンカイレやレメンダートら、カルメンの仲間と行動を共にすることとなる。
「リーリャス・パスティア」は、表向きは酒場だが、裏では密輸などの闇稼業に手を染めるロマたちのアジトとなっていた。
ある時、監獄を出たカルメンの夫、ガルシアが店に戻ってくる。
嫉妬に狂ったホセは、ガルシアをも手に掛けてしまった。ホセの愛に息苦しさを感じ始めたカルメンは、闘牛士のエスカミリオへとその気ままな恋心を移していく・・・。
何よりも自由を愛する女カルメン。愛ゆえにカルメンを自分の世界に縛ろうとするホセ。光と影の如くすれ違う二人の想いが、再び一つになる日は訪れるのだろうか――。
【GRAND MIRAGE!】
大いなる夢と愛に満ち、宝塚歌劇ならではの美しさと華やかさ、そして品格と馥郁たる香りを湛えたレビュー作品。
カンツォーネの名曲で構成する場面や、花組全国ツアーメンバーのダンスの魅力に迫るヴァイタリティ溢れる場面等を展開する。
【主な出演者】
永久輝せあ・星空美咲・美風舞良・紫門ゆりや・(専科)凪七瑠海 他
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