『三つ数えろ』・フイルム・ノワールの金字塔・ハンフリー・ボガード・1944年度制作 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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懐かしい名画、最近の気になる映画のことを
日記形式で書いています。
戦前のフランス映画が大好きです。
基本、鑑賞後の感想ですのでネタバレが殆どです。
ご了承くださりませ。

 

      

  

 

    『三つ数えろ』  1944年度  

 

原作 レイモンド・チャンドラー(大いなる眠り)

            脚本 ウイリアム・フォークナー

            監督 ハワード・ホークス  

            音楽 マックス・タイナー


          豪華なスタッフです。 
             
   フイルム・ノワールの金字塔 と言われるのは 脚本と、監督と 主演が完璧にマッチしたからだと

 

言われていますが、やはりその後の作品はここから抜け出ていないのだと思いまする。

  注目したいのは音楽担当のマックス・タイナー。この人はW・Bの音楽では一番手。

  
注目されたのは、キング・コングのテーマ曲です。アカデミー賞のノミネートは26回。

受賞3回。

主なところで、スター誕生、風と共に去りぬ、カサブランカ、黄金、ケイン号の叛乱、避暑地の出来事

テレビでお馴染みだったサンセット77などもっともっと上げたいのですが。



主演は(マルタの鷹)で主役を張ったボギーが、

 

今回、 

 

ハードボイルドタッチの探偵ものに挑みました。


お相手はヴイヴイアン役で、ローレン・バコール(この頃もう二人は結婚していたと思うのですが)

懐かしいのは古書店の店員に扮したドロシー・マローン、若い時から生意気そうな雰囲気だったんですね。

バコールの妹役にマーサ・ヴイッカス

 

スターンウッド将軍  チャールズ・ウオルドロン

 

マース役はジョン・リッジリー


『マルタの鷹』のサム・スペードと『三つ数えろ』のフイリップ・マウロー、

この二本でスターダムにのし上がり、三年後に『カサブランカ』に続くんですね。



今見ても全然古さを感じない構成、スピード、しゃれた会話、入り組んだサスペンス感。

    後のフイルム・ノワール作品に影響を与えたことがよくわかります。



ストーリーを・・・・


    ところはロス、時は1940年~のいつか。

私立探偵のフイリップ・マーロウはスターンウッド家を訪れ、ブザーを押した。

執事の案内でスターンウッド将軍のところへ案内してもらおうとしたところ、


階段から降りてきた若い娘が、年にふさわしくない色っぽい仕草で

マーロウに寄り掛かってきた。

 



”背は低いけれど、可愛いわね”とませた口を利く。

”努力したんだけど伸びなくてね”と受け流すマーロウ。


将軍の用件は先ほどの娘だろうかカルメンが古書店主のガイガーという人物から

借金の督促だとゆすりのようなことをされている。

これを片付けてほしいのと、雇い人の用心棒リンガーが姿を消してしまったので探してほしいという。

リンガーとマーロウは旧知の仲であったが、賭博師マースの妻と共に姿を消していることをキャッチしていた。


カルメンにはヴイヴイアンという姉がいる。

将軍によると二人の娘はやっかいで、上は頭がいいが冷酷だ、妹はとにかく無鉄砲でやんちゃで

手に負えないという。

マーロウは帰りにヴイヴイアンに引き留められた。

 



そして彼女が言うには用心棒だけでなく運転手までも行方不明だというではないか。

マーロウは元々、検事局の調査員をしていたが、地方検事と衝突。辞めて探偵事務所を始めたいきさつがあった。



早速古書店に出向いてガイガーに会おうとしたが不在。

 



応対に出たアグネスという女性は横柄でマーロウを鼻であしらって追い返した。


張り込みをしていると夜になって、ガイガーが帰ってきた。

出かけたガイガーを尾行。

するとある一軒家にガイガーは入って行った。土砂降りの雨である。するともう一台車が・・・・

やってきたのはカルメン。

外で張っていたマーロウは女の悲鳴と銃声を聞いて家の中へと飛び込んだ。

立ち去る二台の車を横目にいながら・・


家の中にはカルメンが酩酊。ガイガーの死体。

マーロウは中を見渡した。

大きな仏像の胸像に気づいた。顔の横がパかっと空いている。

中から仕込んであっただろうカメラがあったが、フイルムはすでに抜かれていた。

マーロウは仕方なく酩酊したカルメンをまず彼女の車で送り届けた。



ヴイヴイアンには何も知らない、何も起きなかった、何もしゃべるなと言い残して

自分の車を取りに引き返すとなんとガイガーの死体が消えていた。

その夜、マーロウのところへ、これも旧知の仲の刑事バーニーがやってきた。

スタンウッド家の運転手の死体と車が発見されたので知らせを兼ねてやってきたのだった。

現場に赴いたふたりは運転手テーラーの死は自殺とも他殺とも事故ともつかん、わからんなあとつぶやく。


翌朝のこと、ヴイヴイアンが探偵事務所にやってきた。

 



昨夜抜かれたフイルムを5000ドルで買い取れと脅迫状が届いたというのだ。

手掛かりはガイガーの事務所しかなく、行ってみるとアグネスがどうも落ち着かないそぶり。


アグネスを尾行すると、今度はブローデイという人物のアパートにたどり着いた。


この人物が新しい脅迫者になったようである。

 



その前にあの一軒家の事件の検証をしようとカルメンとふたり様子を見てみると

この家の主マースと子分たちが入ってきた。

お互いに相手を探り合いながら会話をするもらちが明かずに一旦帰ることにした。

改めてブローデイのアパートへ乗り込むが、

訪問客の応対にドアを開けたブローデイは射殺されてしまった。

がマーロウはその犯人を捕らえた。


ガイガーが殺されまたブローデイが殺され、もう脅迫されることはないと、

ヴイヴイアンは小切手をマーロウに渡すがなんかしっくりこないマーロウ。

この脅迫者たちを殺したのはだれなのか・・・

がもう事件を終わらせたいスターンウッド家。

賭博師マースの店へ出向くことにしたマーロウ。

ヴイヴイアンはすでに来ていて、ここで賭けをしていた。

 



勝つまでは絶対に勝負を終わらせない客だ  とマースは言った、

どうも二人が裏取引をしているのではないかと踏んだマーロウ。

ヴイヴイアンを送ろうとしていたが、先にマースの子分がヴイヴイアンのバッグに収まった

大金をふんだくろうと待ち構えていた。

まあそこはかわして、帰りの車でヴイヴイアンにマースとの関係を問い詰めるが口を割るヴイヴイアンではない。

 




帰ったマーロウをマースの子分たちが待ち受けていた。

痛めつけられるマーロウをガイガーの子分ハリーが隠れてみていた。

ハリーはアグネスの使いで来ていたのだった。

マースに関する情報を200ドルで買えというものだった。

一時間後に約束の場所へ向かうとハリーがマースの子分カニーノに銃を突きつけられていて

助かりたければ、(”三つ数えろ!”)と脅されていた。

アグネスの居場所を教えろというものだ。

マーロウはその様子を物陰から窺っていた。

アパートを教えたハリーに酒を進めるカニーノ。

カニーノが去ったあと、ハリーは倒れた。毒が入っていたようである。

だがハリーはアグネスのアパートの嘘の住所を教えていてアグネスを守った。

アグネスに200ドルを渡して、リーガンの妻の居場所を聞き出した。

マーロウはうまく居場所へ着いたもののカニーノから痛い目にあわされ監禁された。

そこに確かにリーガンの妻はいたが、彼女がマースと駆け落ちして行方をくらましていたというのは

嘘だった。マースの作り話というか偽装工作だった。


そのうえ、ヴイヴイアンがここにいた。

 

マースにうまく丸め込まれていて

ヴイヴイアンはマーロウを信用していなかったのだ。

縛られたまま、ヴイヴイアンを説得したマーロウは逃亡策を話す。

縄を切ってもらったマーロウはヴイヴイアンに”20数えたら悲鳴を上げろ”と言い残して表へ出た。

 



車の中から銃を持ち出したところにヴイヴイアンの悲鳴!!

駆け付けたカニーノをマーロウが銃殺。

ヴイヴイアンとあの一軒家・・・マースのアジトへと向かう。


真実はリーガンを殺したのはカルメンらしいが彼女はその時酩酊していて覚えていない。

カルメンはリーガンのことを好きだったらしい。

マースはそのことをよいことにヴイヴイアンをゆすっていた。


ガイガーもブローデイもそれをネタにスターンウッド家をゆすっていた。

マーロウはマースと向き合っていた。マースは子分に最初に出てきた奴を撃ち殺せと

命じていた。



マースに銃をつき向けていた、マーロウは”助かりたければ三つ数える間に表へ出ろ!”と言った。

マースは出れば、 撃ち殺される・・が ”俺だ 撃つな!”と叫ぶが 遅し・・


まあ叩きつけるような展開でそのスピード感がいいですね。そしてセリフの面白さ、しゃれ感。

わかりやすさは当時の特色であろうし、ボガードのおしゃれ感がいい。

バコールの女ニヒルがいい。

 



これぞハードボイルって感いいですね。

アコーテイックなハードボイルド感がいい。

前にも書いたんですけど コオロギのような顔をしたボギー、

なんで粋でおしゃれでって役が似合うのかねえ。
    

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