フランソワ・トリュホーのこと まずは ≪アデルの恋の物語≫  1975年  (仏) | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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思うことも....
映画のこと、毎日感じた雑感なども
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≪フランソワ・トリュホー作品のこと≫そして、まず
  

 

 ≪アデルの恋の物語≫       

フランソワ・トリュホー監督といえば言わずと知れた1950年代末から
 

1960年代にかけて台頭してきたフランスヌーベルバーグの中心にいた
 

監督ですよね。

彼の作品は吐夢では過去に≪突然炎のごとく≫、そして彼が亡くなる前に
 

大ヒットした≪終電車≫を取り上げました。
 

1959年の≪大人は判ってくれない≫から≪終電車≫までに作風が随分と
 

変わってきています。
 

で、彼の作品を2,3取り上げてみます。
 

本日はその一作目  ≪アデルの恋の物語≫

ヒロインに、イザベル・アジャーニが登場しますが
 

本作品のときはデビュー2.3作目で19歳。

現在67歳ですが、数々の賞を獲得したフランス映画界の大女優、大御所で
 

カトリーヌ・ドヌーブの後を立派に継承したすばらしい方です。
 

数々の賞の中でもフランスのセザール賞は5度も受賞しています。

 



この≪アデルの恋の物語≫・・・アメリカアカデミー賞でも主演女優賞に
 

ノミネートされていました。

さて、どんな作品か・・・・
 

≪サイコ≫、≪コレクター≫、≪将軍たちの夜≫、そして≪ミザリー≫などと
 

並ぶ  <異常心理学>作品のひとつだと思うのです。

サイコ映画としても見応えあるし、かと言ってりっぱな文芸作品でもあるのです。

ヒロインアデルが女性ストーカーなのである。
 

    簡単なストーリー

 

時代はアメリカが南北戦争の真っ只中の頃である。
 

好きになったピンソン中尉をイギリスはガーンデイー島からカナダの
 

ハリファックスまで追いかけてきたところから物語りは始まり、
 

男が行くところ行くところ執拗に追いかけていくのである。

確かにイケメン。いい男ではあるが、アデルのことを
 

うっとおしいとしか思っていない。

 



嫌がる男を執拗に迫る、狂気溢れる片想いを一途に貫くのである。
 

そこには嘘もあり、狂おしく思うようにならない想いを毎日毎日日記に
 

綴っていくアデル。

 


 

イザベル・アジャーニ19歳の出世作である。
 

なぜ
 

文芸作品でもあるかというと
 

このアジャーニ扮するアデルがあまりに純で見ているほうもいつの間にか
 

感情移入してしまう。そして、実話に基づいたものである。アデルは
 

フランスの大作家、ヴイクトル・ユーゴーの娘で。
 

書いて書いて書きまくったアデルの悲痛な想いを読んだ
 

トリュオーが、その数奇で薄幸なそして見返りのない愛に身を捧げた人生に
 

心打たれ映画化に挑んだものなのである。

19歳のアジャーニ・・・驚くほどの演技力と
 

輝く美しさだ。
 

ヌーベルバーグから出発したトリュホーが本作品で古典主義に目覚めたように
 

感じられる。

本作の舞台ハリフアックスのロケ地にガーンデイー島を選んでいる。
 

多分、ガーンデイー島を後にしてから二度とそこに戻ることはなかった
 

アデルへのトリュホーの優しさか・・・・

しかし、この執拗な女性アデルではあるがまわりの人たちはこの片想いを
 

応援し彼女を支えているのだ。父親に嘘をついて嘘をついて・・この恋を
 

成就させようとする彼女を応援するのだ。

ユーゴの娘は可愛くて魅力的で気品溢れるお嬢さんだからである。

日本の伝説・・<安珍と清姫>=歌舞伎<娘道成寺>の悲恋物語を
 

トリュホーさんに見てもらって感想が聞きたかったです.

トリュホー・・1980年の作品≪終電車≫は切れのいい重厚感溢れる舞台劇のような
 

基本形に乗っ取った作品ですばらしい・・映画としても、トリュホーの生涯としても
 

すばらしい締めくくりの一本であったように思う。

そして、≪アデルの恋の物語≫は作品へのトリュホーの愛が溢れている。

   フランスの女優さん、この後に続くのは、ジュリエット・ピノシュ・・こちらもすごい経歴で活躍の女優さんですが

 

以前  ≪ポンヌフの恋人≫を取り上げましたね。

 

後日彼女の作品も取り上げようと思っています。

 



 

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