ダイナミックな雪原シーン ≪ドクトル・ジバゴ≫  1965年度 米・伊製作 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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     ≪ドクトルジバゴ≫

こんばんは。


いつもご訪問ありがとうございます。
 

今夜はデヴイット・リーン監督の作品をとりあげます。

私のブログで取り上げたリーン監督作品は
 

≪逢びき≫、≪戦場にかける橋≫、≪旅情≫、≪ライアンの娘≫そして
 

≪インドへの道≫くらいかなあ。

リーン監督といえばダイナミックな映像の代表格ですが、
 

それよりも≪逢びき≫から≪旅情≫そして≪ライアンの娘≫と俗にいう
 

不倫が描かれているわけですがいつも述べますように
 

現代の不倫とはちょっと違う。つまり愛を描いているのですが
 

時代背景からくる愛の描き方なんですね。


≪ドクトル・ジバゴ≫ももれず不倫の愛を描きます。


ロシア革命を背景に、オマー・シャリフ扮するユーリー・ジバゴの
 

生き様と彼を取り巻く人たちとを介して出会うジュリー・クリステイ扮する
 

ララとの愛と二人の運命を描いている。


リーン監督作品としてこれも外せない作品だと思います。

さて、リーン監督作品に一番多く参加している俳優は多分
 

アレック・ギネスだと思うのですが、
 

≪アラビアのロレンス≫、≪戦場にかける橋≫≪インドへの道≫
 

そしてこの≪ドクトル・ジバゴ≫では狂言回しの役割というか
 

彼が作品の道案内をしてくれます。
 

制作費も作品の時間もゆったりたっぷりとかけた文芸大作で
 

現在の映画界では多分作ることの出来ない、見ることの出来ない種類の映画で、
 

ロケのスケール、重量感溢れる美術、エキストラの数、
 

そして耳の心地よい音楽などなど・・・
 

古いとか新しいとかの次元ではなくやはり見ておくべき、価値のある作品だと
 

思います。


製作はカルロ・ポンテイ(ソフイア・ローレン)の夫君でイタリアの大プロデユーサー


キャスト


ユーリー・ジバゴ       オマー・シャリフ
ラーラ             ジュリー・クリステイ
エフグラフ・ジバゴ      アレック・ギネス
アレキサンダー        ラルフ・リチャードソン
コマロフスキー        ロッド・スタイガー
トーニャ           ジュラルデイン・チャプリン
ターニャ           リタ・トゥシンハム
パーシャ           トム・コートネイ 


第一次大戦後のソ連。
 

ソ連軍の将軍であるエフグラフ・ジバゴは
 

今はもう亡くなった義弟のユーリーと恋人ララとの間に生まれ、行方知れずになっている娘を探していた。
 

ラ-ラから亡くなる前に頼まれていたのだった。
 

探し当てたその娘はターニャという。戦災孤児として生き延びて
 

今、建築現場で働いていた。
 

いきなりの話に戸惑うターニャだったが、エフグラフは彼女にターニャが
 

どうやって生まれたかどうして彼女を探すはめになったか
 

父親ユーリーと母親ラ-ラのことを話して聞かせるところから
 

物語は始まります。


話は遡った19世紀末のこと。
 

父親ユーリーは幼い頃に両親を失い、モスクワにの親戚・
 

アレキサンダー・グロミーコ夫妻に引き取られた。
 

義兄のエフグラフは軍人となり、ユーリーは医師を目指す医学生。
 

1913年のことだ。
 

ユーリーは詩人としての才能もあったが、これが後に命取りになる
 

運命にあろうとは今はまだ知る由もない。晴れて
 

医師免許を取得し、
 

グロミーコ夫妻の娘トーニと婚約しました。

 




一方、モスクワで洋品店を営むアメリアの娘ラーラは17歳。
 

ロマノフ王朝打倒を目指す革命に燃える恋人のパーシャがいました。
 

母にも愛人がいました。
 

弁護士のヴィクトル・コマロフスキーという傲慢な男でした。彼は
 

美しく成長したラーラを自分のものにすべく機会をうかがっていた。
 

ある日、ラーラとコマロフスキーの関係を誤解した母親が
 

自殺未遂を図った。
 

コマロフスキーは友人で医師のボリス教授を呼んだ。
 

ジバゴはボリスの弟子で一緒にやってきた。
 

ここでユーリーはラーラと出会うのです。が、
 

ラーラとコマロフスキーの関係に興味をそそられましたね。

 

 

母親のアメリアは一命を取り留めました。
 

ラーラはコマロフスキーに婚約者パーシャを紹介します。
 

そうすればコマロフスキーが身を引くだろうと思ったのですが
 

逆にコマロフスキーはパーシャとの交際を止めるよう忠告しました。
 

そうしてある時、コマロフスキーは洋品店で母親の留守中にラーラを襲い、
 

無理やり関係を持ってしまいました。

クリスマスイヴの夜、
 

心に深い傷を負ったラーラはコマロフスキーを憎み
 

復讐しようと、イヴのパーティー会場へ押しかけ、
 

パーシャから預かっていた銃で
 

コマロフスキーに発砲した。
 

やってきたパーシャに保護されラーラはその場を去りました。

 


 

左腕を撃たれたコマロフスキーでしたが女を追うなと言い、
 

その場に居合わせていたユーリーの治療を受けました。
 

ユーリーはラーラのことをオ・ン・ナと 蔑んだコマロフスキーに
 

不快感を覚えました。

 

ラーラはパーシャと結婚、二人の間には娘のカーチャが産まれました。

1914年
 

第1次世界大戦が勃発。
 

ユーリー・ジバゴは軍医として野戦病院に赴任しました。
 

パーシャは“ストレハニコフ”と名乗り出征、段々と革命に取り付かれ
 

狂信的になっていき、以前のパーシャの面影は消え家庭をも顧みなくなっていた。
 

ラーラはカーチャを実家に預け、
 

従軍看護婦として戦場に向かい、
 

そこでジバゴと再会。一緒に負傷者の治療にあたりました。
 

ジバゴはあのクリスマスイヴのパーティーでの出来事を覚えていた。


 

数ヶ月後、ジバゴはモスクワの自宅に戻りました。
 

折からのロシア革命により状況は悪化。
 

ソビエト政府による富裕層への締め付けの強化でジバゴ一家も財産を没収され
 

貧しい生活を強いられることになりました。
 

そんな時、ジバゴは義兄で軍人のエフグラフと再会するのでした。
 

妻トーニャと息子のサーシャ、
 

義父と共に田舎町ベルキノへ行くことを促してくれたのはエフグラフでした。

 


 

ベルキノへ向かう汽車の中で、
 

ジバゴはストレハニコフと再会するのですが、
 

完全に革命に憑りつかれ別人のようになっている
 

ストレハニコフ=パーシャは
 

妻ラーラへの愛を完全に失っており、ラーラはベルキノの近くにある
 

ユラティン村にいると告げられました。
 

ベルキノには義父の別荘があったのですがそこにも
 

政府の没収済みという看板が掛けられていた。

 


 

仕方なくそばにある小屋で貧しい生活をすることに。
 

そんな中、ジバゴはユラティン村でラーラと再会しました。
 

二人は深く愛し合うようになっていくのです。

ユラテイン村に行くことが多くなったユーリー。
 

妻トーニャも何となく不審に思ってはいました。
 

ジバゴはまたユラテイン村に向かう途中で
 

赤軍の義勇軍パルチザンに、軍医として働くよう強要され、
 

拉致されました。
 

しかし隙を見て何とかパルチザンを脱出したジバゴはラーラによって
 

助けられます。
 

その頃ジバゴの家族は既にフランスへ出国した後でした。
 

家族と離れ離れになったジバゴは、
 

ラーラと生活を共にしました。

 


 

やがてラーラはジバゴの子を身籠り、
 

ジバゴも詩作に打ち込む日々を過ごしていましたが、
 

ストレハニコフは戦禍の悪化と共に自ら命を絶ちます。
 

ジバゴとラーラにも危機が迫りつつありました。
 

詩人としても知られるユーリーは思想犯として追われる身と成りました。
 

ジバゴはラーラに別れを告げ、
 

ラーラはコマロフスキーの誘いを受け、
 

カーチャと共に去っていきました。
 

その後、ジバゴはエフグラフの世話で
 

モスクワで医師の仕事に就きます。
 

そして時は過ぎ 1929年、
 

ジバゴはモスクワの電車に乗っていて車窓から
 

ラーラらしき人物を見かけ、必死で満員電車を降り、後を追おうとしましたが、
 

その頃患っていた心臓発作で行き倒れとなりそのまま息をひきとりました。、
 

ユーリーの葬式でラーラはエフグラフと会い、
 

ユーリーとの間に生まれた娘と動乱の最中にはぐれてしまい
 

消息が分からないので探してほしいと頼みました。
 

エフグラフは彼女の願いを聞き入れましたが、
 

スターリン政権の圧政の真っ只中。
 

娘ターニャはが見つからないままに月日は過ぎてゆき
 

ラーラは捕えられて労働収容所に送られ、そのまま姿を消しました…。


 

全てを語り終えたエフグラフはターニャにユーリー・ジバゴの詩集を贈った。
 

そして、ターニャに今後の面倒は引き受けると告げますが
 

いきなりのこの話に困惑したターニャは迎えに来た恋人と共に
 

考えてみるわ!!とその場を立ち去るのでした。
 

去っていくターニャを見送るエフグラフの目に映ったのは
 

ユーリーが母からもらっていた楽器パラライカをターニャが
 

背負っている姿でした。、
 

エフグラフはパラライカの名手だったユーリーを想い浮かべ
 

血統だなとつぶやきました。寄り添う恋人が返しました。
 

    ”プロ顔負けのうまさですよ!”


ロシアにおける想像を絶するであろう極寒に立ち向かうロシア人の強靭さ、
 

そして共産主義の始まりがどんなものか・・・観る者を圧倒します。
 

結構長いドラマですが飽きることなく最後まで一気に見ました。
 

学生時代に見て以来の鑑賞でしたが、また違った感動がありました。


どんな時代、どんな社会背景でも原点は 愛  を描かなければ
 

作品が息をしないという見本のような感触です。
 

革命家のパーシャは狂い、社会の変革にすばやく順応して生きるコマロフスキー。
 

生き延びるだけでも大変な時代。それでも愛があれば生きられるはず。
 

時代に翻弄されていく様ざまな人生模様。


ジュリー・クリステイのことはこの作品でしか知らなかったのを再認識。
 

学生時代に購読していた  雑誌(スクリーン)や(映画の友)などで
 

いつも登場していました。


狂言回し的な今回の役どころのアレック・ギネスはいつもの怪物ぶりはなくて
 

本当におだやかな良い人をさりげなく演じて好印象。

 

コマロフスキー役のロッド・スタイガーはいつものように癖のある
 

とことん悪人ではないが品のない傲慢な男を演じさせると天下一品ですね。


ラルフ・リチャードソンも英国映画には必ずといっていいほど
 

出演なさる名脇役。


オマー・シャリフ共々リーン監督作品の常連がしっかりと
 

デヴイット・リーンワールドを見せてくれました。

 

そしてリーン監督作品特有の壮大なるロケーション。

 

ロレンスの背景ーー砂漠がーー雪原に変わり

 

大雪原の中を走る列車の窓から見る大雪と雲の流れの中に浮かび上がる月の シーンは息を呑むほどにキレイです。

 

 

リーン作品ではお馴染のモーリス・ジャールによるサウンドトラック  ラーラのテーマも壮大な雪原と溶け合って見事・
     

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