≪レベッカ≫・・ヒッチコック作品 ④夜 ・・1940年度 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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      ≪レベッカ≫

 

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さて、ヒッチコック作品④夜は

 

王道の作品≪レベッカ≫と参りましょう。

 

 

舞台俳優としてはさておき、映画俳優としては1935年にデビューし

 

1937年の作品≪無敵艦隊≫で共演したヴィヴィアン・リーと恋に落ちた

 

ローレンス・オリヴイエ。

 

 

アルフレッド・ヒッチコクがアメリカで撮る事になった最初の作品が

 

 ≪レベッカ≫であるが、1940年のことである。

 

 

オリヴイエは、

 

1938年に≪嵐が丘≫の撮影で初めてアメリカの地を踏んだのですが

 

ちょうどその時、セルズニックが、作品≪風と共に去りぬ≫の

 

スカーレット役が見つからず難儀していた。それを聞いたオリヴィエが

 

ヴイヴイアン・リーをイギリスから呼び寄せセルズニックに引き合わせ

 

瞬く間にリーがその役を射止めた。

 

そして、オリヴイエはといえば、ヒッチコック監督の≪レベッカ≫に

 

出演することになるのですが、そのプロデューサー・・つまり

 

製作者がデヴィッド・O・セルズニックなんですね。

 

 

そして、一度もオスカーに縁のなかったヒッチコック監督ですが

 

この≪レベッカ≫はアカデミー作品賞を獲得した。

 

しかし、この作品賞というのはプロデューサーがもらうものなんですね。

 

だから、セルズニックが獲得したオスカーなんです。

 

 

そして、叶夢でも取り上げましたが、ウイリアム・ワイラー監督の

 

≪黄昏≫はもっともオリヴイエらしい演技でしたが、

 

その相手役がセルズニック夫人のジェニフアー・ジョーンズという

 

回りまわった縁というものが面白いですよね。

 

 

さて、作品レベッカ・

 

私も高校時代に夏休みの感想文の宿題で読んだモーリエの原作ですが、

 

はっきり言ってメロドラマですよね。ヒッチコックピクチャーの

 

カラーではない。

 

19世紀末のイギリスの大荘園を舞台にした暗ーーい古臭いメロドラマ。

 

ストーリーもそれほど珍しくもない・・・・だから逆に

 

映画として組み立てるにはドラマチックに、大胆に、オーバーに

 

作られたのではないかなと 思います。

 

謎の死を遂げた先妻のレベッカの思い出に付きまとわれて忘れられないのか?と

 

思わせられる 貴族で大富豪の美男子マキシム。

 

そしてジョーン・フオンテイーン扮する世間知らずの若いアメリカ娘

 

が英国コーンウォル海岸近くのマンダレイという荘園の主

 

ハンサム男マキシムに嫁ぐ。

 

 

そして、亡きレベッカに尽くしてきたというより

 

今でも崇拝して止まない召使のダンヴァース夫人。

 

その冷たい態度に気後れし怯えやがて成長してゆく私である若き妻。

 

夫の愛の不確かさと、貴族社会へ馴染めるかどうかの不安と、

 

ダンヴアース夫人への忍耐。その中での謎に包まれたレベッカとマキシムの

 

真実をヒッチコック作品のミステリーへと誘ってくれる仕上がりになっている。

 

そして物語は名無しの 私 の語りで進めらる。

 

イギリスカラーを強く残したアメリカ映画である。

 

   キャスト

 

マキシム       ローレンス・オリヴィエ 
私          ジョーン・フォンテーン 
ジャック       ジョージ・サンダース 
ダンヴァース夫人   ジュディス・アンダーソン 
 

      ストーリー

 

イギリスの南部、コーンウォル海岸近くに

 

マンダレイという荘園を持ったマキシムは

 

モンテカルロで知り合った若いアメリカ娘と結婚して帰邸した。

 

 

彼は美しい先妻レベッカを失ってからの再婚であった。

 

家政婦のダンヴァース夫人は、

 

レベッカへの崇拝から、新夫人を成上りの邪魔者という扱いで、

 

レベッカの居間は生前のままに保存していて今だ、まるでレベッカが

 

生きているような態度で新夫人にはことごとく辛く当たる。

 

 

そう、死後も尚、レベッカが家を支配しているようだった。

 

恒例の仮装舞踏会のとき、ダンヴァース夫人のすすめで、

 

 

新夫人は廊下にかけられた美しい画像の婦人と同じ衣裳をつけた。

 

        

 

それがひどくマキシムを驚かし、心を傷つけたように見えた。

 

画像の女性はレベッカだったのであった。

 

新夫人は、夫の心にはまだレベッカの存在が大きく、彼を支配しているように

 

感じて絶望していたのだが、あの驚きの顔は意外だった。

 

ダンヴアースの嫌がらせは加速していった。

 

新夫人は、ダンヴァース夫人の誘導にのって

 

レベッカの部屋の窓から身を投げてしまいそうになった。

     


折から打ち上げられた花火の音で思いとどまった。

 

花火は、岸辺近くに難破船があった知らせの合図で、

 

救難作業の結果、海底に沈んでいたレベッカのヨットと、

 

船中のレベッカの死体が見つけられた。

 

レベッカは嵐の夜にヨットを出して遭難し、

 

死体はその後、流れ着いて、

 

マキシムが確認の上、家の墓地へ葬られていた。

 

彼女の死因については、

 

新しい審議が開かれ、レベッカは自殺をしたと判定された。

 

愛人を作ったレベッカはマキシムに愛情はないものの

 

余命いくばくもない癌と知らされたレベッカは

 

まるでマキシムに殺されたように仕向ける行動の果てがヨットで遭難した

 

有様だったのだ。

 

レベッカの従兄で彼女と長い間情を通じていたジャック・ファヴェルは

 

暗にマキシムの犯行を主張した。

 

マキシムは新しい妻にレベッカが淫蕩的な女性で彼を苦しめ、

 

死の日、レベッカにののしられた彼が

 

遂に彼女を追いつめた結果、

 

レベッカが倒れて頭を打って死んだこと、

 

それを彼はヨットに運んで沈めた事実を打ち明けた。

 

レベッカの深いたくらみは、マキシム夫妻が知るのみであった。

 

やっとレベッカから解放された二人だったが

 

マンダレイへ帰り着いたときには、

 

邸宅はダンヴァース夫人の過失による火事で暗い夜空を

 

赤々と照らす炎に、夫人も邸と共に焼け落ちて行った・・・・・

 

ダンヴアース夫人役のジュデイス・アンダーソンがめちゃくちゃいいですね。

 

憎らしいんだけれど、うまいんだわ。

 

レベッカの怖さをこの人が伝えてくれてるのですね。

 

歩く姿は映らないのに、いつもふっとわたしの近くに立っている不気味さ。

 

振り返るといつもそこに立っている不気味さ。

 

いつどこから現れるか分からない怖さ。

 

まさに主役はダンヴアース夫人の存在が6割。マンダレイの邸が3割

 

この作品を面白くしているのも

 

成功させているのもこの夫人です。

 

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