≪海外特派員≫・サスペンスの原点はヒッチコックにあり・・最高!!①夜・・1940年度 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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    ヒッチコックの ≪海外特派員≫

 

こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます。

 

サスペンス作品特集の途中でしたが引き続き

 

ヒッチコック特集へと繋ぎまする。

 

 

ヨーロッパではスリラー映画やサスペンス、冒険映画はアメリカほど

 

軽視されていないようだ。

 

他のジャンル映画と同等に肩を並べて評価されている。

 

特にイギリスでは立派な文学のジャンルとして扱われている。

 

アメリカではそういったジャンルのものは文学面でも二流扱いで

 

まして映画ではそれはもう低次元の世界のようである。

 

ヒッチコックがあれだけの作品群を世に送っていても

 

オスカーが取れなかったことがいい証明である。

 

 

今夜取り上げる≪海外特派員≫はヒッチコックがハリウッドに渡って

 

二作目の作品で当初、ゲーリー・クーパーに話が持ち込まれたが

 

まあ上記のような理由で断られた。スリラー映画には出ないと・・・・

 

 

が後にヒッチコックの活躍、人気を知ってから出演を拒否したことを

 

とても後悔したそうだ。

 

 

≪海外特派員≫・・・・とても印象的なシーン

 

老政治家の偽者がアムステルダムの平和会議の会場前で殺されるわけだが

 

その場面は雨の中、傘、傘、傘、傘の波・・・の中で階段を転げ落ちる・・・

 

その傘の波の中を駆け抜けていく犯人。

 

次に風車のシーン。

 

風車が風向きと反対にまわる??それがその時上空を旋廻する飛行機への

 

スパイの暗号になっているというもの。

 

そしてラスト・・飛行機が海中に突っ込むシーン。。

 

 

 

    ストーリー

 

1938年のこと

 

ある日、

 

ニューヨークのモーニング・グローブ紙の社長は、

 

不穏なヨーロッパ情勢を取材する特派員が無能なものばかりで

 

頭を悩ましていた。なまじ知識をふりかざす知ったかぶりの記者の記事など

 

無用だという社長は素人っぽい生のニュースが欲しいばかりであった。

 

 

社長は、最も威勢のいい記者ジョン・ジョーンズ(ジョエル・マクリー)を

 

思い出し、首になりかけていた彼に海外特派員を命じた。

 

社長室に呼ばれたジョーンズは、

 

そこでヨーロッパでの平和運動の大立者の

 

フィッシャー(ハーバート・マーシャル)を紹介された。

 

戦争回避に尽力しているという。

 

やがてジョーンズは、クイーン・メリー号でロンドンへと向かった。

 

 

彼を迎えた前任者の記者ステビンス(ロバート・ベンチリー)は

 

既に記者魂を失った男だった。

 

間もなくフィッシャーもロンドンに到着し、

 

戦争防止の立役者オランダの元老政治家

 

ヴァン・メア(アルバート・パッサーマン)の

 

歓迎パーティをアムステルダムで開くことになり、

 

ジョーンズも出席を命じられた。

 

ふとしたきっかけでヴアン・メアしと知り合ったジョーンズは

 

昼食会へいく車に同乗させてもらったのだった・

 

 

 

昼食会では、フィッシャーの美しい娘キャロル(ラレイン・デイ)と

 

知りあった。

 

戦争回避のキャロルの演説を聴くでもなく一目ぼれしたジョーンズは

 

うっとりと彼女を眺めるばかり。

 

 

そして

 

アムステルダムで平和会議が開かれることになり、

 

雨が激しく降りつける中、

 

ジョーンズも取材のために出かけた。

 

雨の中街を縫う電車の画から会場の階段の傘の波へのカメラの移動が

 

すばらしい。

 

フイッシャーは急遽ロンドンに帰るという。

 

その時、

 

彼の目前でヴァン・メアがカメラマンを装った男に拳銃で撃たれた。

 

傘の間をぬって逃げた犯人は、待たせてあった車に乗り込んだ。

 

逃げる車、行きかう電車・・・

 

ジョーンズは追跡すべく通りがかりの車に無理矢理乗り込んだが、

 

偶然にもその車には同業の海外特派員のフォリオット(ジョージ・サンダース)と

 

キャロルが乗っていた。

激しい追跡の末、3人の乗る車は風車の点在する田園地帯で停まった。

 

ジョーンズは風車の1つが奇妙な動きをしているのに気づいた。

 

上空を旋廻する飛行機を見て、着陸の合図と判断したジョーンズ。

 

単身、小屋へ忍び込むと

 

そこには数人の不審な男たちと、

 

さっき撃たれたばかりのヴァン・メア氏がいた。

 

彼はナチスのスパイに誘拐されていて、

 

先の殺人は替え玉を使ったトリックだったと分かった。

 

 

やっとのことで、小屋から逃げだしたジョーンズは

 

警官を連れて戻って来るが、

 

すでに痕跡は全て消され、

 

キャロルにも信用を無くしてしまった。

 

ホテルに戻ったジョーンズを2人の警察官を装った男が訪ねた。

 

危険を感じた彼は、

 

窓づたいにキャロルの部屋に入り、彼女に事情を話して協力を得、

 

船でロンドンに帰ルことにした。

 

この時に二人は

 

お互いの気持ちを育むことになったのだった。

 

 

ところが、ジョーンズがキャロルを送ってフィッシャーの家へ行くと、

 

あの風車小屋にいた男の1人がフィッシャーと談笑しているではないか。

 

ジョーンズが邸に来るなどフイッシャーにとっては想定外だった。

 

フィッシャーはジョーンズにその男は情報を集めてくれる男だと釈明し、

 

ジョーンズが真相を知りすぎて危険だからと言って、

 

護衛として私立探偵をつけてくれた。実は殺し屋。

 

 

しかし、この男はジョーンズを始末するのが役目だったが、

 

教会塔からジョーンズを突き落とそうとして、

 

誤って自ら墜落してしまった。

 

この事件でジョーンズは、フィッシャーが平和主義者の仮面の裏で、

 

娘キャロルにも内緒でナチに協力し、

 

しかもヴァン・メア誘拐の張本人であることを知った。

 

ジョーンズはフォリオットと協力してヴァン・メアの居所をつきとめ、

 

救出に成功した。

 

時にヨーロッパでは風雲急をつげ、

 

開戦の号外がとびかっていた。

 

急遽、ジョーンズがアメリカへ帰国する飛行機に

 

フィッシャー父娘も乗りあわせていた。

 

フィッシャーは機内で、

 

アメリカに着くと同時に逮捕されることを知り、

 

キャロルに、ドイツ人を父に持つ自分が祖国のためと信じ、

 

ナチスに加担していたことを告げた。

 

その時、ドイツ軍艦の攻撃で、

 

飛行機は洋上に不時着し、

 

その混乱の中でフィッシャーは海に身を投じ自殺した。

 

やがてジョーンズ、キャロルたちはアメリカ軍に救助された。

 

そしてジョーンズは、この事件を伏せようとするアメリカ軍を巧みに誘導して

 

本社へ連絡し、特ダネをものにしたのだった。

 

 

やがて、ロンドンが空襲をうける頃、

 

ラジオ局で、ジョーンズとキャロルがアメリカ向けの放送で、

 

雄弁に呼びかける姿が見られた。

 

 

この映画が公開された1940年は第二次大戦勃発から一年も経っておらず、

 

アメリカはまだ参戦していなかったわけで

 

戦線の状況は、

 

ドイツの圧倒的な優勢が伝えられており、

 

その行方にはアメリカ国民は無論、世界中の人々が注目していた。

 

この映画はそんな状況の中で、

 

この未曾有の戦争がいかにして始まったのか、

 

それに対してアメリカ国民はどう向き合うべきか、

 

そんな問題意識に応えたという面もあって、大ヒットとなった。

 

ということで

 

 映画のテーマは、フイクションであるもののひとつの仮定として

 

第二次世界大戦がどのようにして始まったのか、ということにある。

 

映画自身は、

 

現実の世界とは何ら係わりがないと強調しているが、

 

当時の観客には、

 

これが国際政治の裏面をとり上げたものであり、

 

戦争と平和を巡る情報戦を描いたものだということは何となく解ったであろうと

 

思うのですね。

 

いろんな要素のてんこ盛りの作品で、トリックの面白さ、

 

ストーリー展開の面白さ、そしていつものようにスピード感・・・・

 

表情や会話の中のヒント満載。

 

大好きな作品のひとつです。

 

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