≪ローマの休日≫・続々 オードリー作品 やはりなんと言っても・・・・1953年 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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           ≪ローマの休日≫


ラブストリーの名作として、燦然と輝く.・・・・

 

こんばんは。

 

いつもご訪問ありがとうございます。

 

連日、オードリー作品を取り上げています。

 

何だか特集みたいになってしまいましたが、

 

一気に取り上げますね。

 

以前、ローマの休日のもうひとつの真実 というお題で投稿しましたが、

 

今夜は誰もが、単純に

 

夢のロマンスとして一位に挙げる、

 

<ローマの休日>を取り上げてみます。

 

ーーーーーー

 

夢の世界を現実のものとしてしまう、、、

 

それが、オードリー.ヘップバーンという女優である。

 

 

映画、<ローマの休日>は私たち、映画ファンにとっても

 

人生の楽しい休日である。

 

絶対と言っていいほどあり得ないロマンス、分ってはいるけど、

 

見るものはいつもうっとりとため息をつき、

 

じーんと胸を熱くし、涙誘われる。

 

アン王女が見る夢は子供が大人になろうとする時に見る夢、

 

そして、ジョーの見る夢は大人が子供に還りたいと願う過程に

 

見る夢であろう。

 

二人のこの全く正反対に働く夢が交錯する一瞬が

 

<ローマの休日>である。

 

だからアン姫もジョーも観客も

 

ふたりのやがて来る別れに逆らえない。

 

悲しいほどに納得してしまう。

 

人生に終わりはなくとも、この恋には終わりがある。

 

人生にはどうにもならないことを、

 

二人も、また観客も、納得せねばならなかった....

 

 

    ”ここ?

 

   ”ええ、...じゃあ、行くわ。

 

   わたしはあの角を曲がるから、あなたはもう、帰って。

 

    後を追ってこないでね。

 

     ここで帰るって約束して。お別れよ。”

 

    ”分った。”

 

    ”何て言えばいいの。言葉が出ないわ。”

 

    ”僕もだ。”

 

車の中で別れのキスを交わすアンとジョー。

 

     ストーリー

 

ヨーロッパ各国を親善旅行中の某国王女アン姫の

 

ローマにおける思いもしないハプニング。

 

姫は、連日の過密スケジュールで、

 

疲れ果てていらっしゃいました。

 

 

夜になると、いち早く鎮静剤を飲まされ、、

 

ベッドに送り込まれてしまわれる。

 

若くて茶目っ気の多い姫は、とうとうがまん出来なくなり、

 

ある晩、宿舎をこっそりひとりで抜け出しました。

 

ローマでの出来事でした。

 

首尾よく表へ忍び出られたものの、何処へいっていいのやら?

 

公園のベンチでうとうとなさっておいででした。

 

偶然通りかかったアメリカ新聞社の支局員ジョー(G.ペック)は

 

心配して自分の下宿へ連れて行き、ベッドを提供した。

 

翌朝の新聞の王女失踪の写真を見て、ハテ?と思い、

 

眠る王女に”アン王女様...”と声をかけると、

 

  ”ハイ”と返事をなさるではありませんか。

 

ジョーのパジャマをお召しになったアン王女が

 

可愛いですねえ。

 

あくまでも昨日、街で助けた女性だという扱いをするジョー。

 

 ”学校を抜け出したの。約束があるので帰ります”という姫に、

 

ジョーはいかばかりかのお金を渡します。

 

早速、カメラマンのアーヴイング(エデイ.フィアッシャー)に

 

連絡をとるが真実はまだ伝えられない。

 

姫はまず、街を散歩なさり、ジョ-は尾行する。

 

そして、姫は美容院へお入りになり、長い御髪(おぐし)を

 

 

 

日頃から憧れていたショート.カットになさいました。

 

鏡を眺めてにっこりとする姫はそれはもう可愛くて

 

シンデレラ姫のようでございます。

 

女に目のないイタリア男、美容師のマリオは早速この娘に

 

目をつけた。その夜のデートの誘いに

 

 

”またの機会に...”とやわらかくお断りになりました。

それでも夜には河岸のダンスパーテイ会場にいるからと....

 

  マリオ。

 

ショート.ヘアーで、いい気分になった姫はお花を買うお金が

 

足りなくて、花屋のおじさんにプレゼントされますね。

 

それから、アイスクリームを召し上がりますね。

 

ジョーは偶然出合ったように装い、

 

色々と話を聞きだしたり、、

 

カフェテラスに案内。

 

   ”シャンペンを”と姫。

 

 

  ”君の学校はすごいね、昼間っから、シャンペンかい?”

 

すると....アーヴイングがやってきました。

 

”エッ??だれかに瓜二つだな?”

 

テーブルの下から蹴っ飛ばすジョー。

 

ふたりの荒っぽい会話に戸惑う姫。

 

アーニャということにして紹介。

 

ジョーはアーヴイングを

 

陰に連れ込み、5000ドルの儲け話...と彼らはこそこそ。

 

まずは記念のタバコを...アーニャはぷっかぷっかと。

 

パチリと写すアーヴイング。

 

市内の名所旧跡をスクーターベスパに乗せて案内。

 

 

スクーターに乗る姫はもう、王女の顔が

 

少女らしい喜びの表情に変り、

 

生まれ変わったようになってゆく。

 

愛の名場面とはその画像だけでなく、

 

会話や行動するシーンでも伝わるのだなとつくづく思いました。

 

それがこのスクーターのシーンですねえ。

 

二人の心がしっかりと結ばれてゆく、、、。

 

さわやかな風が吹き抜けていくように。

 

姫は生まれて初めての自由奔放な行動に、

 

嬉しくて、楽しくて、身も心も踊るのでした。

 

真実の口、。。。伝説によると嘘つきの人がこの中に

 

手を入れると噛み切られるんだって...とジョー。

 

恐る恐る手を入れる姫。

 

今度はジョー。

 

真剣な眼差しの姫。

 

おどけてしたことがびっくりとした姫はジョーの胸を叩いて...

 

飛びつきました。

 

次は、願いの叶うという壁。

 

戦争中の話だが、

 

今は神社のようになって、皆が願かけにくるという。

 

河岸のダンスパーテイーで会おうと

 

アーヴイングと別れることに。

 

”そして夜になったら、かぼちゃの馬車に乗って、

 

ガラスの靴を穿いて帰るの。”...

 

”それでおとぎ話は終わりかい?”ええ..”。

 

河岸のダンスパーテイー。

 

マリオと踊る姫様。途中でヘアスタイルに櫛を入れ、

 

”いい感じよ”とマリオ・

 

見守るジョーとア^ヴイング。

 

”髪を切った美容師だ。”

 

王妃と美容師か?そうマリオだ。パチリ!!

 

 

そこに、王国秘密ガードマンが....

 

やんやの騒ぎとなり、マリオも手助け。。。大騒ぎの乱闘。

 

アーヴイングも大忙し。

 

ギターでガードマンを叩くところをすかさず、パチリ!

 

殴られ河に落ちたジョーの後を追って、

 

ガードマンを足で蹴飛ばし、一緒に河へ飛び込んだ姫でした。

 

泳ぎ着いた河岸に這い上がったふたり。

 

ずぶぬれの彼女の可愛いこと!。

 

寒くて震える姫を、ジョーは思わず抱きしめた。

 

 

ふたりで下宿へ帰ると、そこにはラジオがアン王女のことを

 

伝えていた。

 

 

ワインを飲みながら、”ご馳走を作りたかったのに”

 

 ”学校で習ったの?”

 

 ”お料理もお裁縫もみんな正式に習ったのよ。

 

     その道で暮らせるほどの自信があるわ..

 

    でもそれを生かせるチャンスがなかったの。”と姫。

 

  いじらしい姫の言葉にジョーは切なくなった。

 

 

”わたし、 もう行かなければ。”息苦しくなった姫は

 

ジョーの胸に飛び込んだのでございます。

 

いよいよお別れ。一日の夢は終わった。

 

姫の夢もジョーの夢も。

 

車で姫を送るジョー。

 

 

 ”ここ?

 

   ”ええ、...じゃあ、行くわ。

 

   わたしはあの角を曲がるから、あなたはもう、帰って。

 

    後姿をを見ないでね。追ってこないでね。

 

     ここで帰るって約束して。お別れよ。”

 

    ”分った。”

 

    ”何て言えばいいの。言葉が出ないわ。”

 

    ”僕もだ。”

 

    姫はジョーにしっかりと抱きつき..

 

    別れのキスを交わす....。

 

    宿舎の大きな門へと駈けていくシンデレラ、アン姫。

 

 

夜は明け、御帰国に先立って、公式の記者会見はとなった。

 

記者団の中にジョーを見た姫はしばし考えた。

 

ある記者が

 

 ”ご訪問なさった都で、何処が一番お気に召しましたか・?”

 

   という言葉に姫は、

 

  ”いずこの地も、それぞれ素晴らしく..比較は難しいと...、

 

     なんと言ってもローマです。ローマです。

 

      私は素晴らしい思い出をくれた

 

 

        この地を一生忘れないでしょう。”

 

  そしてフラッシュライトが光り始めた時に

 

アーヴイングがあの小さなカメラを向けた時に姫は

 

全てを悟った。

 

居並ぶ各国記者団に、姫はひとりひとり握手を賜る。

 

ついに目の前に来られました。

 


二人の目が合う...しっかりと見詰め合う。

 

無言の中に、いろんな思いを伝え合う二人...

 

姫は可愛い笑顔を見せて、握手を賜い、静かに仰せられた。

 

凛としたお声であった。

 

アーヴイングは、撮った写真の包みを姫にそっと贈った。

 

 

”ローマご訪問を記念する写真です”

 

 ”ご好意に感謝します。”

 

 またじっと見詰め合うジョーと姫。

 

   そして姫は素晴らしい、笑顔を見せて、退出なさった。

 

   広い大広間にジョーはひとり、

 

    温かい幸福のようなものを胸に、

 

   しばし、立ち止まり、立ち去りかねた。

    
    そして、コツコツと靴音をならし、
    

  現実へと向かって歩いていった...。

この映画はイギリス王室をモデルとしていて、

 

当時のマーガレット王女と、御付き武官タウンゼント大佐の

 

悲恋という事実に便乗する形で製作されたが、ワイラー監督は

 

それを王女とアメリカ人記者のラブ、ストーリーに作り直し、

 

軽やかに描いた。現実とは全く違う感動作となったのは

 

ワイラーの手腕であろう。

 

 

現実には絶対に起こりえないラブストーリーを

 

映画の中で見事に現実にしてしまっているその台本の素晴らしさ。

 

オードリーのコケティッシュで知性溢れる存在感は、

 

初主演にして、演技云々の前に

 

アカデミー主演女優賞という快挙を成し遂げたと思う。

 

 

この作品もそうだが、本当に夢のような現実には程遠いお話を

 

オードリーは現実にしてしまう女優なのである。

 

いかがでしたか??

 

こういった慎みのある、気品に満ちたオードリーの作品を

 

ずっとずっと後世に残し、語り継ぎたいものです。

 

そして(ローマの休日のもうひとつの真実)は2017年11月に投稿しています・

 

単なるラブストーリーではない、ワイラー監督の狙いは何だったのか・・・

 

以下に貼り付けますので

 

ご興味があればお読みくださいませ。

 

★★★

 

      ローマの休日 もうひとつの真実

        ★ローマの休日とワイラーと赤狩りとオードリー★

 

 



月半ばにテレビ番組アナザーストーリー、
≪オードリーとローマの休日≫と題して放映されていました。
なぜ、ローマの休日は今でも愛される作品なのか。
なぜ、不朽の名作なのか。
番組の中の一部で、ウイリアム・ワイラー監督の娘で
映画祭などのプロデユーサーをしていると言うジュデイ・ワイラーが
紹介と案内をしてくれた部分だけを
文章で再現してみますね。ご覧になられた方もいらっしゃるかも知れませんが
非常に興味深いと思います。

ローマの休日は単なる甘いラブストーリーではなかった。
もっと深い深いメッセージがあった!!
監督が伝えたかったメッセージとは何か。
そこにオードリーはどう関わっていたのか。
総てを見ていた少女が語る
ジュデイ・ワイラーは毎日オ-ドリーに会いたさに撮影現場に通ううち
この映画にかける父の深い思いを知ることになる。
ジュデイも作品に出演しているんですよ・
トレビの泉で、ペックがカメラを貸してくれないかと話しかえるあのシーン。


かわいらしい少女、彼女がジュデイ・ワイラーです。
ジュデイ・・・75歳は語りました。

単なるハッピーエンドで二人がくっついて終わるえいがではないでしょ・
父にはこの作品でどうしても伝えたい願いがあった・
ワイラーといえばアカデミー監督賞3度の受賞
ノミネート八回・
ハリウッドの巨匠中の巨匠だ
ローマの休日の監督に決まったのが1948年、
その頃ハリウッドは未曽有の混乱状態にあった。
ハリウッドに巻き起こった恐怖とは赤狩り
第二次大戦後アメリカに吹き荒れた
ーー共産主義者排斥運動ーー
第二次世界大戦後の冷戦を背景に、主にアメリカとその友好国である西側諸国で行
われた。
映画界にもその矛先は向けられた
名だたる監督や俳優が証言台に立たされ
共産主義者かどうか問い詰められた。
ーーーーーー密告者、告発者の中にはエリア・カザン、ロナルド・レーガン、
ウオルト・デイズニー、ゲーリー・クーパーーーーーー

ーーーーーーの容疑者の中にチャールズ・チャップリン、ジョン・ヒューストンや
ウイリアム・ワイラーの名も・

父はあの頃ハリウッドにかなり嫌気がさしていた。
赤狩りのおかげでお上が認める映画ばかりになっていましたから。
゛連中の眼が届かない外国に出たい!゛
そんな狙いにうってつけだったのが全編ローマが舞台の  ローマの休日だった
実は赤狩りとも深い関わりがあったのです。
書いたのはダルトン・トランボという人・

赤狩りへの証言を拒み続けて 投獄された男だ。
ローマの休日はトランボが出所後、ハンターという偽名で執筆した作品だった。

ワイラーはハンターがトランボであることを知っていた。ただし
映画会社には内緒にしていた。なぜなら事実を知れば会社は一銭たりとも
出資はしないでしょうから。
でも映画会社の出資が決まるとすぐに
赤狩りで疑いをかけられた人たちを何人も雇ってローマに連れて行った。

例えばカメラマン役のエデイー・アルバートも妻の共産者疑惑で騒がれた人物。
グレゴリー・ペックもワイラーの 反赤狩り運動にいち早く賛同した
数少ないスターだった。
さらにスタッフも赤狩りで追放されたものをかまわず雇いあげたワイラー。
ローマなら赤狩りの目も避けられる  しょぼくれるなみんな  行くぞって・
ハリウッドから逃げるようにローマに渡った撮影チーム。
その不安を一気に晴らしたのがオーデイションで決まった主演女優だった・
最初父がこだわっていたのは新人  ってことだけだったの。
だれも見たことのない人。。とにかく映画会社のだれもが口出しして来ない新人が
欲しいって。
そしたらそこにオードリーが来たのよ  私だけじゃなくみんなが見とれちゃった
の。
現場に新鮮な風が吹いて太陽みたいにみんなを照らしたのよ。
まさにパーフエクトなマッチングだった。
オードリーを得て俄然意欲を増したワイラー・

★撮影直前、彼が頻繁に足を運んだ場所がある。
今は一見何の変哲もない通り だが、撮影当時は様子が違った。
    願いの壁ーーー作品中にペックがオードリーを連れて行くシーンが
あります。



戦時中ここで子供をつれた男が空襲にあった。この壁の後ろに避難して祈ったら
爆弾はすぐに落ちたが怪我ひとつしなかった   だから後でここにお礼の札を
かけたんだそうだ・。ワイラーはこの場所がすごく印象に残ったらしい。
戦争を伝える場所として・
第二次世界大戦が終わったのは。ローマの休日撮影の僅か七年前。
戦時中ワイラーはイギリス空軍に参加。空襲の様子などを撮影していた。
一方オードリーはナチス占領下のオランダに暮らし
まさにワイラーが所属するイギリス空軍による爆撃を経験していた
戦争中は敵国  二人に限らず この映画に関わる皆がそんな因縁を抱えていた。
空襲から逃れた人々が祈りを捧げた壁  これを見て父ワイラーの心は動いた
赤狩りから逃れるよりももっと大切なことがあると気づいたのです
だからあのシーンを入れた。伝えたかったのは
それぞれの立場で戦争の記憶を持つ私たちだけど
手を携えて未来へ進もうということ   せっかく戦争が終わったのだからって。
ワイラーの願いが最も色濃く表れているのはラストのあのシーンです。

 


゛国と国との友好の見通しについてどうお考えでしょう?
という記者の質問に

゛必ず成し得ると信じます  人と人との友情を信じるように゛

ペック ゛恐れながら自社を代表して申し上げます。
妃殿下のご期待は決して裏切られることはないと゛

このシーンは父ワイラーの一番大事な願いを伝えています。国のレベルの結びつき
だって結局はすべて人と人との友情によるものでしょ。
どんな状況でも友情だけは失ってはいけないと。・
でもなかなかいない。その願いをこんな風に表現できる女優は。
本当に美しくて完璧な瞬間だと思います。
まあ監督も結構がんばったけれどね。
オードリーを通じこの映画に平和へのメッセージをこめたワイラー
オードリーにはその後も名監督たちからの出演以来が殺到。
彼女は瞬く間に世界一のスターとなったのである。

 

ラブストーリーとしてのローマの休日と

ワイラー監督の真の思いのローマの休日・・・・

 

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