『不機幾な赤いバラ』・いくつになっても可愛い女性・・シャーリー・マクレーン・・1994年度 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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こんばんは。

 

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今夜の作品は≪不機嫌な赤いバラ≫

 

シャーリー・マクレーンとニコラス・ケイジの共演です。

 

シャーリー扮する元大統領夫人は誇り高く、わがままだけど頭脳明晰。

 

ニコラス扮する・・・彼女を警護するシークレット・サービスの護衛責任者タグは

 

仕事熱心だが

 

融通の利かない生真面目なだけの男

 

そんなふたりのユーモラスなやりとりを

 

温かく描くヒューマンなドラマ・・・≪不機嫌な赤いバラ≫

 

キャスト
テス・カーライル         シャーリー・マクレーン 
ダグ・チェズニック        ニコラス・ケイジ 
アール(運転手)          オーステイン・ペンドルトン

 

 

     ストーリー

 

 

同僚はこんな楽な任務はないから気楽に向き合えというその職業は

 

元大統領夫人の護衛をする任務のシークレット・サービス。

 

だが、ダグ・チェズニックは自らの任務に誇りを持ち、手抜きはしない。

 

相手が元大統領夫人であろうと自らの考えを決して譲らない。

 

わがままなその元大統領夫人のテスの護衛=不本意な三年間ーーーの

 

任務を今日やっと終えるのだ。

 

不本意な三年間ーーーとにかく夫人テスは、わがままで

 

タグには手におえない毎日だった。

 

 

彼は最後の朝食をテスの部屋まで運んだが

 

いつもの通りの憎まれ口と横暴な態度で挑んでくるテスに

 

今日で最後だからと我慢して帰任するためワシントン行きの飛行機に乗った。

 

今度こそは

 

ワシントンかニューヨークで犯罪捜査などの活気ある

 

真っ当な(彼はそう思う)任務に就けると期待に心弾ませていた。

 

 

上司に会った彼はミセス・カーライルとの仕事について聞かれた。

 

 

”公人としては今でも非常に人気がおありです、私人としては

 

若干扱いにくい部分が・・・・慣れれば何とか・・・大統領夫人だったころから

 

知っているので・・・ただ最近の夫人は非常に気紛れで

 

多重人格とさえいえる程です””とタグは説明した。

 

上司は言った”その人格の1つが電話してきて、

 

   君の任務延長を大統領に頼んだ”

 

”大統領に??   お断りします  あと3年なんてごめんです

 

        3分でも嫌だ  あの任務はシークレット・サービスの中で

 

             最悪です”とタグ。

 

上司 ”問題になるぞ 大統領本人が頼んできてるんだ  個人的に”

 

タグ ”断ったら?”

 

   ”大統領に言うさ  断ったって  考え直してくれ”

 

結局、彼の希望とは裏腹に、大統領直々の命令によってまたしても、

 

任務の継続を命じられてしまうのだった。

 

彼はオハイオ州の田舎町サマーズビルの

 

カーライル元大統領夫人の元へ再び戻った。

 

テスはファーストレディ時代の人気そのままに隠居生活に入ったが、

 

銃を持った男たちに周りをウロウロされるのが大嫌い。

 

だが、彼の任務継続はテスの画策によるものであった。

 

あなたが必要だからとこともなげに言うテス。

 

彼はテスと部下たちに、今後はマニュアル通りにやると言明するが、

 

彼女のわがままパワーは一向に衰えない。

 

義務感にかられるダグにとって耐えがたい日々が続いた。

 

タグと6人の部下たちはミセス・カーライルに振回され通し。

 

思いつけば外は3℃という気温の中、ゴルフに出かけるという。

 

朝食を運ばされるタグはウエイターではないと怒鳴り、ゴルフに行けば

 

キャデイではない怒鳴る。

 

 

オペラ鑑賞に出掛けた帰路、テスの乗った車が

 

ダグたち護衛の車をまいて逃げた。

 

地元警察の失笑を買う騒ぎにダグは怒りも限界に来た。

 

運転手のアールを厳しく叱責するとともに、自身の退任を求めた。

 

だがそれは却下された。

 

売り言葉に買い言葉で、ついにダグ以下のスタッフは屋敷から出ていくことに。

 

”あなたは大の男七人を朝から晩までこき使う生活が好きなんだ”

 

”少しは羽目を外したらどう??”

 

 

 

ミセス・カーライトは融通は利かないがタグの信念ある生き方が

 

好きなのではないだろうか、そしてそれを試し、観察しているように

 

見える。だから出て行くことに対して、見えないところで涙を流した。

 

大統領から事態を心配する電話が入り、涙声で電話してきたぞと言われ

 

ダグの側から折れざるを得なかった。

 

”訪英というのに演説の準備も出来ん一体何なんだ!!

 

    どんな性格だろうと彼女は国の宝なんだ

 

    私や君の気分なんか問題ではない  肝心なのは有権者の意向だ

 

  もし、変質者が彼女を襲ったらどうなる  

 

         どんな非難を私が浴びることか!いいか 命令だ!

 

      すぐ戻って事態を収拾しろ わたしも国民も君に期待する”と。

 

詫びるダグにテスは初めて、長い間溜まっていた心の内をさらけ出すのだった。

 

現役中に悩んだ夫の浮気癖、息子たちとの疎遠な関係……。

 

彼女はまた、ダグに離婚歴があることまで知っていた。 

 

彼はテスの孤独と人間味に初めて触れた気がした。

 

 

 

地元に設立されたカーライル図書館の落成式に、

 

大統領が出席できなくなったが、それでも滞りなく

 

ホステス役を努めるテスに、ダグは初めて親近感を覚えた。

 

 

ある日、テスは彼をお供に、ピクニックに出掛けるが、

 

そこで彼女は運転手アールによってどこかに連れて行かれた。

 

ワシントンからCIA、FBIの捜査陣がやってきた。

 

自分は襲われたのでミセス・カーライルの行方はわからないと言い張る

 

運転手アールを締め上げた。

 

止めるCIA捜査官を振り切って銃を向け

 

彼の妹夫婦の犯行であることを白状させた。

 

廃屋の地下に埋められたテスを救出した。

 

自分が悪性の脳腫瘍であることを知っていたテスは、

 

大統領に電話して自分に何かあった場合、

 

タグを優遇してほしい彼は息子同然なんだからと頼むのだった。

 

 

無事に手術を終え、病院を退院する日には、車椅子に乗るのはイヤだと

 

またタダをこねるテスに、ダグは毅然として座るように命じた。

 

しばらくの睨めっこの後、彼女はその言葉に素直に従ったのだった。

 

 

この作品はほとんど舞台劇のつくりですね。

 

毒舌を放つテス

 

やり返すタグ・・・の会話の中、奥に、潜む 愛を求めるテスの叫びが

 

聞こえるような気がしました。

 

聡明なテスがむやみやたらに吐く毒舌ではない。

 

ニコラス・ケイジとの絶妙なやりとりでぐんぐん引き込まれていく前半、

 

中盤、そしてラストの誘拐場面からは一変して

 

テスとダグの心の交流、誘拐劇にもお互いの読みが

 

解決へと導いていった運びの上手さ。

 

脚本がとっても洒落ていて楽しい作品です。

 

ちょっと隠れた佳作ですね。

 

元はついてもファーストレデイとして名残の生活を垣間見させてくれる。

 

先日の作品≪愛と喝采の日々≫のシャーリーの路線とは違う味わい。

 

ヒッチコックの≪ハリーの災難≫でデビューした頃のシャーリーは

 

垢抜けないけれど純朴な楚々とした女優さん。

 

ビリー・ワイルダーの≪アパートの鍵貨します≫、≪あなただけ今晩は≫の

 

とってもとっても可愛い女性。男性が守りたくなる

 

可愛い可愛い女性を演じました。

 

≪噂の二人≫では繊細で繊細で折れてしまいそうな役柄でした。

 

そして≪マグノリアの花たち≫から≪愛と喝采の日々≫≪愛と追憶の日々≫あたり

 

から≪インハーシューズ≫などの

 

の口の減らない独特のキャラを見せてくれた役柄。

 

≪不機嫌な赤いバラ≫はそんなこんなを全部詰めた

 

これぞシャーリー・マクレーンだという作品です。

 

最近では≪トレビノ泉で二度目の恋を≫なんてクリストファー・プラーマーとの

 

共演で健在振りを証明してくれてますね。

 

年を経るほどに可愛くなっていく女優さん、素敵な女優さんですね。

 

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