[お吟さま]・・有馬稲子さん・・田中絹代監督作品  1962年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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こんばんは。いつもご訪問いただきましてありがとうございます。

 

[13人の刺客]はランキング21位といううれしい評価でした。

 

たくさんの方に読んでもらえて喜んでいます。ありがとうございました。

 

さて、今夜の作品は

 

        ≪お吟さま≫ です。

 

   
          製作 松竹 にんじんクラブ 1962年度

 

          監督  田中絹代
    

 出演

 

吟          有馬稲子
高山右近      仲代達矢
利休        中村鴈治郎
りき         高峰三枝子
           富士真奈美 
           岸 恵子
          

        原作  今 東光


この作品で直木賞を受賞したー

 

自ら名乗った八尾は河内の生臭坊主ーー 今 東光 ーーの作品の映画化・

 

監督は、名女優ーー田中絹代 である.

 

 

天正十五年。

 

豊臣秀吉の茶頭千利休の娘、吟は幼女の頃より慕っていた高山右近をむかえ、

 

歓喜に震えた。

 

高山右近といえばキリシタン大名。その上、右近には妻子がいた。

 

キリシタンの教えを破ってまで、右近は吟の思いを受け入れることは

 

出来なかった。

 

右近を諦めた吟は

 

父利休が持って帰った石田三成からの縁談を受けることにした。

 

相手は太閤茶湯七人衆の一人、廻船問屋万代屋宗安である。

 

吟は、必死の思いで再度右近にその思慕を伝えたが、

 

右近は吟の思いを振り払って万代屋へ嫁ぐよう諭した。

 

二年後、渋々 万代屋へ嫁いだ吟だが、いまだに右近への想いは断ち切れず

 

悶々としていた。

 

そんな吟に憤懣やるかたない宗安は、やりたい放題、

 

放蕩三昧の生活だった。

 

ある日、宗安が開いた茶会の席に、

 

右近が現われた。

 

吟は右近に会って恋は再び燃え上がった。

 

運悪くそこに居た秀吉に吟は見初められてしまったのだった。

 

そのことを知った三成と宗安は結託して右近を罠にはめ、

 

吟を秀吉の側女に差し出して、宋安は吟に復讐しまた、自分たちの勢力を

 

増そうと画策するのだった。

 

偽の手紙で南宗寺に呼び寄せられた右近と吟は、

 

住持のはからいである茶屋で逢瀬を。

 

やっとお互の愛を認め、抱き合うのだった。

 

今は妻もいない右近との再会を約束して

 

一旦万代屋へ帰った吟は、暇をもらって

 

利休のもとへ戻った。

 

しかし、石田三成は吟と右近に不義密通の咎があると

 

秀吉に申し立て右近を追放した。

 

そして利休には、吟を秀吉の侍女にするようにとせまるのだった。

 

利休は激しくはねつけたが、結局は大阪城へ向かうこととなった。

 

黄金の茶室で秀吉から求愛をうけた吟は、秀吉に告げた。

 

太閤殿下の侍女となっても、

 

自分の心はさるお方のものです。と凛として言い切った。

 

一両日中に登城するよう言いわたされて帰った吟だったが、

 

利休は命にかけても右近のもとに吟を行かせようと決心した。

 

一家揃っての別れの宴が進む中、

 

すでに家の周囲は三成の手の者に包囲されていた。

 

覚悟を決めた吟は、白無垢の死装束に身を包み

 

別れの和歌を残して死場所と決めた

 

離れ座敷へと姿を消した。

 

 

 

お吟と右近の悲恋物語である。

 

まず、この映画に登場する先代 中村鴈治郎 の利休は 

 

三国連太郎、三船敏郎の利休よりも私のイメージからすると

 

一番自然でピタリとはまっているように思える。

 

 

三国さんも三船さんも好きだし

 

作品ー利休やー本覚坊遺文ーーも

 

良かった.

 

が、先代鴈治郎さん(中村玉緒のお父さん)はとにかく

 

着物の着こなしが身に付いていて、その所作、振る舞いが一級品なのです。

 

この人を上回る男性の着物姿は無いと思います。

 

所作、喋り方、醸し出すもの

 

歌舞伎役者だから当然だと言われるかも知れないが、

 

そういうことではなく.

 

この人は、この時代ありとあらゆる映画に脇役も含めて

 

出演していて、歌舞伎から遠のいていた時代がある。

 

長年身についた所作というものはやはり違うもので

 

演技より前に自然に所作が出来てしまっているから

 

観る方としては安心出きるし、格調がある。

 

”小早川家の秋”で述べましたが

 

着物を脱ぎ着するところなんぞ素敵です。

 

歩く時の姿ーー適当に品もあり。

 

嫌な役を演じてもそれはそれなりにああー上手いーー

 

ーー小道具の使い方も板についてーーと

 

この映画の利休もしかり。お吟さんの悲恋より

 

利休さんばかりを眺めていました。

 

田中絹代監督は

 

女性監督らしい耽美的で繊細な映像で、時代に抗った吟の芯の強い生き方を

 

描いていてよかったです。

 

 

絹代さんは6本の監督作品があってこのお吟様は最後の作品。

 

有馬稲子様はほんに儚げで美しい。

 

右近は仲代さんよりも加藤剛さんが適役だったかなあ・・というところです。

 

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