〔狂った果実〕・銀幕の女優 37 北原三枝さん・・・1956年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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 銀幕の女優 37 北原三枝さん    


         作品 ≪狂った果実≫

こんばんは。いつもご訪問いただきましてありがとうございます。
 

今夜の銀幕の女優さんは   北原三枝さんです。
 

亡き石原裕次郎夫人ですよね。
 

以前、ハリウッド女優の
 

ローレン・バコールと北原三枝さんのファッションについて書きました折に
 

三枝さんの魅力はいっぱい書いたつもりですが今夜は作品に触れて見ます。

ローレン・バコールはハンフリー・ボガード夫人でした;
 

当時の彼女のモダンさはハリウッドでもダントツで
 

父が仕舞っていた古い・・・昭和二十年初期のキネマ旬報を引っ張り出して
 

彼女の写真を切り抜いてスクラップにして
 

雑誌を切ったことで叱られた記憶があります。それくらいバコールは
 

好きでした。日本の女優さんの中ではバタ臭い三枝さんはやはり
 

異質なモダンな女優さんでした・

 


 

さて・・・
 

石原慎太郎原作の≪太陽の季節≫は、発売と同時に
 

センセーションを巻き起こした。

その映画化1956年。それに続く同じく慎太郎の作品
 

  ≪狂った果実≫の映画は、石原裕次郎という新人スター
 

それもビッグスターを生み出しました。

わたしたち世代が観ても本当に新鮮であった。
 

ヨットに横たわり、あの慎太郎刈りのヘアースタイル、
 

真っ白い歯を出して笑う彼は輝いていた。

それに、以前書いたように、北原三枝の長い脚と格好良い
 

プロポーション、長い髪、大人の女、モダン
 

まさに絵になる二人のこの映画は
 

多くの若者の心を掴んだ。
 

街行く若者はみんな裕ちゃんに変身した...ツモリ!

公開当時、不良映画のレッテルを貼られ、まともな評価は
 

受けられなかったらしいが
 

わたしは最初観た時にも、新鮮で衝撃的な印象であった。

フランスヌーベルバーグの代表、ゴダールが絶賛し、
 

≪勝手にしやがれ≫の参考にしたと伝えられたほどだ。

フランスヌーベルバーグは当時はわたしには
 

よくわからなかったが

さすが日本人の血が流れているのか
 

この作品は理解できたし、
 

ストーリーよりも設定、舞台の湘南に憧れを抱いたし、
 

裕次郎も良かったが、やはり三枝さんに見とれた。

あのころの三枝さん最高だった!!もちろん封切り当時はわたしは
 

まだ子供でさすがに見られなかったが、高校生くらいに見た記憶があります。

 

日活の青春映画の記念碑的な作品である。

それまで女性に平手打ちをして、強引に女性をいだく男は
 

いなかったし、そんな裕次郎が、裕ちゃんだから、様になった。

スタイリッシュな映像感覚の中平監督の感性。
 

≪太陽がいっぱい≫の登場が1960年、
 

この作品は1956年だから、4年もまえに
 

ヨットの上の二人のラブシーンは素敵で、
 

今までにない映像でため息ものだった。

水滴だらけのラブシーン。みずみずしかった。
 

こんなに大胆なキスシーンは日本映画では
 

初めてではなかっただろうか

ストーリー

舞台は昭和20年代後半の湘南海岸。
 

金持ちのドラ息子や娘たちが享楽的な、だらけた生活を
 

送っている。
 

夏久(裕次郎)もそんなひとり。
 

何もかもしたい放題、遊び呆けている。
 

しかし心の中はむなしく、生きる目的なぞ考える事も無く
 

ただ何となく毎日が過ぎていくという生活.
 

そんなせいかつにも飽き足らないものがある。

なぜか?
 

戦争によって一変した世の中。
 

大人たちは信念も、モラルも失い、自分たちに自信がない。

彼らを軽蔑と憐れみの目でみるだけで、
 

自分たちの倦怠感は拭いきれない・

だから、遊びはどんどん、エスカレートしていく。
 

そんなある日、夏久は遊び人たちの中に
 

ひときわ目立つ美人と出遭った。

上品で深窓の令嬢のように振舞ってはいるが、
 

素人のお嬢さんではないことを夏久は見破っていた。

クラブで彼女と再会して、彼は恵梨(北原三枝)に
 

浮気をしないか?、(つまりナンパ゚ですな。)と誘う。

”他の浮気はしたって言ったな。
 

ならおれと浮気しねえか”

チンピラ風に振舞う夏久。



ひとつは、生真面目な弟、春次(津川雅彦)が
 

彼女にのぼせているので、
 

弟が彼女に近づかないように恵梨と関係を持とうとしたのだ。

弟にやけどをさせないように。
 

恵梨は本当は オンリー であった。
ーーーー米軍将校の専属の娼婦のことーー

 



うぶな春次はそのことに気づいていないからだ。

しかし,その恋は真剣なものに変わっていた。

恵梨のほうも純情な春次に心を残しながらも、
 

たくましく強引な夏久に傾いていくのであった。

二人の事を知った春次が狂ったように湘南の海で
 

モーターボートを走らせて、”止めろ!”と止める夏久の言葉も
 

聞かず、二人を追っかけるラストシ-ンが圧巻です。



雅彦ちゃんまだ、18,9歳だろうか?
 

可愛かったよーー
 

全作≪太陽の季節≫は兄の長門裕之と南田洋子主演。
 

長門さんは、22,3歳。

この兄弟はこんなころから活躍していたんですよ!
 

すっかりおじさんですけれどね。

今観ても本当に新鮮です。
 

主婦のまきこさんでなく女優の三枝さんは
 

きっと皆さんが憧れるに違いない
 

日本人としては稀有な女優さんですよ。
 

ぜひご覧になってください。

先に紹介した二人が撮影中に婚約する事になった作品、
 

≪陽のあたる坂道≫のころのほんわかムードとは
 

違って裕ちゃんが憧れて憧れた三枝さんと共演した
 

作品です。震えていたかもしれないな.あの裕さんが・

彼女の大フアンで撮影所に遊びに来ていて、
 

水之江滝子にスカウトされ、この作品の主役に抜擢された。
 

あこがれの三枝さんとの共演と聞いてきっと
 

飛び上がって喜んだことでしょうね。

製作  日活  1956年度作
 

監督   中平 康
 

原作  石原慎太郎

脚色  石原慎太郎

 

キャスト

北原三枝

石原裕次郎

津川雅彦

岡田真澄

石原慎太郎

 

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