(日曜日には鼠を殺せ)・サスペンス作品⑥ ・グレゴリー・ペック・1964年度 米 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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F.ジンネマン監督≪日曜日には鼠を殺せ≫

こんばんは。

 

いつもご訪問ありがとうございます。
  
グレゴリー.ペックといえば

 

≪ナバロンの要塞≫を過去に取り上げましたね。

 

今日もちょっと大好きな作品なんですよ。

 

サスペンスの部類にぎりぎり入るかなあ。
    

 

甘いマスクで特に女性には≪ローマの休日≫で人気が出たとは

 

思いますが、

 

男性方にはこういった

 

男の友情や男臭い男を描いた作品で人気を得た人です。

 

1916年の生まれで2003年に 87歳で亡くなられています。

 

48歳の時にこの作品で老兵と言ったほうがいいか

 

老け役を渋く演じていて大変好きです。

 

舞台出身の人だが1944年に≪王国の鍵≫で映画主役デビュー.

 

ヒューマンドラマから、ラブロマンスものサスペンスと

 

役柄は広く、拾い出せばすごい出演数だが、

 

なんと言っても≪頭上の敵機≫、≪大いなる西部≫、

 

≪子鹿物語≫、≪ナバロンの要塞≫、≪紳士協定≫

 

アカデミー賞獲得の≪アラバマ物語≫、

 

などなど思い出深い作品ばかりである.

 


≪日曜日には鼠を殺せ≫、、変な題ですが

 

原題は≪Behold a Pale Horse≫である.

 

主人公マニュエルは1932年から1939年までのスペインの内乱の

 

左翼の頭首として戦ったが、右翼側の勝利となって

 

フランスに身を隠しているところから物語は始まる。

 

共演に大好きなアンソニー.クイン、、仇敵の警察署長.

 

ピッタリの役は神父ーーオマー.シャリフ

 

この三人の男たちの心境映画風サスペンスとでも

 

申しておきましょう。

 

 

  ストーリー

 

フランスとスペインの国境、見晴るかす山と草原の中に

 

ひとりの少年パコとここまで連れてきたひとりの大人。

 

パコは10年前にスペイン内乱の時に

 

右翼側の頭首(アンソニー.クイン)に父を殺された.

 

今から国境を超えてフランスのある村へ行くところだ。       

 

親戚を頼って行くのだが、マニュエル(グレゴリー・ペック)にも逢いたい。

 

マニュエルは左翼側の隊長であったし、

 

みんなのヒーローでもあった.

 

戦いは右翼側の勝利となり、スペインに残る友人たちを後に

 

フランスのポーという町に逃れていた。

 

パコはマニュエルに

 

憎い父の仇を殺してもらいたいと願っている。

 

彼が棲んでいるポーという町に着いたが、

 

子供たちみんなから盗賊というニックネームで呼ばれていた。

 

市民の為のお金を調達するために10年前に

 

銀行強盗をして以来、ず-っと身を隠しているからだ.

 

パコは彼に会ったがベッドに寝転がっていて、

 

何をやる気でもない彼の様子に失望する。

 

敵討ちの話にも首を横に振るだけのマニュエル。

 

右翼側の頭首だった男は今は

 

警察署長となっていて、

 

指名手配中のマニュエル逮捕に執着していた。

 

 

マニュエルの母は病気で明日をも知れぬ.。

 

署長は病院にも部下を張り込ませ、

 

マニュエルが国境を越えて母に必ず会いにくると睨んでいた。

 

 

マニュエルの友達だった男を買収して

 

彼のうちへも行き来させ、うその情報を流させていた。

 

 

国外で手を出せないのでどうにかしておびき寄せたいのだ。

 

そうしている間にも母は危篤となり、

 

たまたまい合わせた

 

神父(オマー.シャリフ)が最期を看取るのだが..

 

母はお祈りなど良いから、あの子にここへ決して来てはいけないと

 

伝えてください.

 

”出来ない”という神父に息子の安全を託して息を引き取った。

 

神父は毎年のルルド詣でが控えていた.

 

そして署長は何を話したか聞き出そうとするが神父は

 

決して口を割らずに、母との約束に煩悶していた。

 

ルルド行きの列車の中でマニュエル宛の手紙を書くが、

 

停車中の駅で切手を買っているうちに列車に乗り遅れてしまった。

 

神父は仕方なくマニュエルに届けることにした。

 

マニュエルの留守中に来た神父に会ったパコは手紙を預かり

 

伝言を聞いた。が手紙を破った.

 

神父が来た事も言わなかった。

 

母に会いに行こうとしているマニュエルが母の死を知って

 

行くのを止めれば父の仇が取ってもらえないと

 

こどもの浅知恵が働いた。

 

しかし署長の回し者でマニュエルの友、カルロスがやってきて

 

母がまだ生きて危篤のような話しをし、しきりにスペイン行きを

 

勧めるのをみて、パコはすぐに気がついた。

 

彼はスパイだよ!署長と仲良く話していたのを前に見たよ。

 

パコの言葉に迷うマニュ.

 

 

神父さんのことも話した。

 

 

だが友達を信じるマニュは神父に確かめてからだと

 

ルルド゙へみんなで向かう。

 

しかし神父は見つからず、パコをののしるマニュ。

 

帰る車の先に故障をした車がいた。

 

あの神父が難儀をしていた。

 

あの人だ!

 

神父の話しを聞いてもマニュはこんな所まで

 

神父が母の遺言を報せに来る筈はないと疑い、家まで連れて帰る。

 

待ち伏せした友人は神父を見て顔色を変え、マニュと

 

激しいもみあいとなった.

 

昔馴らした杵柄はもうどこにもなかった.

 

老いたマニュは簡単にやられた.

 

神父と明け方まで話し、いままで もやもやとしていたその心が

 

洗われたのか、やはりスペインに出向く決心をしたのである。

 

 

銃器は山に埋めて隠してある。

 

ヤツの裏をかいて鼻をあかすさ!

 

リュックを担いでトボトボと国境を越えて....

 

途中であった昔馴染みの車に乗せてもらい、

 

市内に入った。

 

  

 

屋根伝いに病院へ。母が亡くなっているのにどうして?

 

 

危険を冒して、遺体に会いに行くのか..。。

 

昔馴染みが密告にかけ込むのが見えた。

 

銃撃戦は始まる。

 

 

もう昔の身のこなしは出来ない老兵は階段の下で数発の弾を

 

受け、倒れた。

 

新聞社のフラッシュを浴びて質問を受けにこにこする署長。

 

やっとだ!わしの勝ちだ!...。

 

”しかし???何故?  ヤツはなぜ来たんだ?

 

母親が死んでいるのを知って、.。何故??”

 

母の遺体が担架に乗せられて来た。

 

その横にマニュの担架も並べられた.

 

観客もそこで気がつくのですね。

 

そうだったのだ...

 

マニュは母の遺体と一緒に葬られたかったのだ!罠と知りつつ!

 

もう、生きてやることもない、やるべきことはやった後の

 

老兵の進む道はこれしかなかった.。

 

マニュの顔は安らぎに満ちていた..。

 

制作  米  1964年度

 

監督  フレッド.ジンネマン

 

名匠、ジンネマンならではの

 

なるほどと頷く上手い運びの映画でした。

 

男は時として死をも決意して行動する!

 

決意して越えるピレネーの雪山。

 

向こうの山陵は雲間の太陽が雪山の一部を照らし

 

荘厳な美しさ!白黒の画面がまるでカラーのよう.

 

マニュの真っ白な心の変化を表すように。

 

キレイでした。

 

大好きなアンソニー・クイーンが敵役ですが、彼らしいちょっとやんちゃな

 

感じが良く出ていて、彼は彼で魅力的です。