ジョージ・キューカー監督(椿姫)と 衣笠貞之助監督(婦系図ー湯島の白梅) | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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ジョージ・キューカー監督、≪椿姫≫

 

 

こんばんは。いつもご訪問いただいている皆様ありがとうございます。

 

新派の舞台は結構好きで、幼いころ

 

よく舞台を観に連れて行ってもらっていました。

 

その後、テレビで舞台中継などがあると必ず観ていたものです。

 

泉鏡花の≪婦系図≫も花柳章太郎や

 

先代水谷八重子といった女優で

 

見たことがあります。

 

今日ちょっとここに、触れるのは衣笠貞之助監督の大映作品。

 

   ≪湯島の白梅≫と題して

 

早瀬主悦(ちから)に鶴田浩二

 

お蔦に       山本富士子が扮した作品である。

 

早瀬の師、酒井俊蔵に  森 雅之。

 

なぜ、これに触れたかといいますと

 

今日の作品の≪椿姫≫とストーリーがよく似ていると言う事なのです。

 

身分の違う男女が知り合い、第三者の手によって引き裂かれると言うお話は

 

あまりに単純なストーリーですが、

 

ともに原典のすばらしさとその映像から伝わる哀切が

 

美しき古典であると言う事において

 

やはり取り上げるべきだと思ったからです。

 

お蔦と主税の間を裂くのは真砂町の主税の師、酒井であるのと

 

マルグリットとアルマンの間を裂くのが

 

アルマンの父親であると言う点を

 

除けば殆ど一緒であります.

 

≪婦系図≫は戦前に

 

長谷川一夫と山田五十鈴で映画化されていますが

 

監督は同じ衣笠貞之助です。

 

こちらは未見ですがいつか鑑賞したいと思っております。

 

衣笠は泉鏡花の世界を描くと

 

その舞台は新派の世界と相まって

 

不思議な魅力を味あわせてくれます。

 

鏡花モノの映画においては、

 

山本富士子はこれ以上の適役はないと

 

思うほどの絶品で

 

その他の鏡花モノの紹介を叶夢の日記でもしているように

 

鏡花モノの富士子さんの作品は必見すべきでございます。

 

さて、その婦系図と比べて   ≪椿姫≫を

 

ご覧になって頂きたいと今日取り上げました。

 

こちらはロバート・テーラーと

 

    グレタ・ガルボです。 

 

”別れろ,切れろは芸者の時に言う言葉、

 

  今の私にはいっそ、死ねと言って。。。!”という

 

 名セリフはないにしろ、

 

  中世のフランスを舞台に

 

マルグリットと若き法学生アルマンとの恋の原典を

 

お楽しみください。

 

    ≪椿姫≫

 

ストーリー

 

 

花のパリの夜を彩る女たち、その中に

 

際立って艶麗な女性、マルグリット.ゴーチェがいました。

 

あまたの紳士が彼女の周りに群がり寄ったのでございます。

 

ある夜,

 

地方から上京してきたばかりの純情な法律学生アルマンは

 

友人の紹介でマルグリットを知りました。.

 

アルマンは 椿姫 と綽名されるマルグリットの美しさに

 

魂を奪われ、何ものも忘れて、恋い慕うのでした。

 

それまでの男たちとは違うこの純情な青年の、

 

激しい熱情に、

 

マルグリットも初めて乙女のような恋に目覚めていくのでした。

 

口うるさい社交界の噂をよそに、二人は恋ひとすじに燃え,

 

郊外の彼女の別荘で甘い逃避生活に酔いしれたのでございます。

 

当然、ふたりには収入のあてや道もなく、

 

マルグリットは,彼女の衣装や

 

宝石を売って生活費にあて、

 

彼には金の心配などさせませんでした.

 

そうした甘い蜜のような生活の中で

 

彼女の身体は次第に蝕まれていきました。

 

肺を冒されていったのでございます。

 

ある日、突然、アルマンの留守中に、彼の父親が

 

訪ねてきました。

 

初めは噂どおりの夜の女と思い込んで、荒い言葉遣いで

 

倅を誘惑するなと

 

意気込んで向かい合ったものの、

 

彼女が心から倅を愛しているのだと悟ると、

 

修行中の若い倅の為に、

 

なんとか身を引いてやってはくれまいかと、

 

切々とマルグリットに訴えるのでございました。

 

マルグリットは健気に頷きました。

 

愛する人の父親を送り出し、帰ってきたアルマンに

 

心無い愛想尽かしをするのでした。

 

若いアルマンには彼女の本心など読み取る事など

 

できるはずもなく、激怒したアルマンは

 

満座の中で

 

    ”売女!!”と罵り、床に打ち臥して泣き、

 

田舎へ帰ってゆくのでした。

 

愛するものの幸せの為に

 

辛い役割を果たしたマルグリットは

 

その日以来病が重くなり、

 

雪の降り積もる夜、引き返してきた

 

アルマンの腕の中で死んでいったのでした

 

1924年にルドルフ.バレンチノと

 

ロシアの名女優のアラ,ナジモアが

 

愛の原典とも言うべきこのデュマの作品を演じている。

 

わたしはこの作品は観ていない、のですが、

 

後年作られたジョージ.キューカー監督で鑑賞しました。

 

1937年度作。

 

アルマン.............ロバート.テーラー

 

マルグリット...... グレタ.ガルボで

 

単純なストーリーだと、

 

また古臭いありふれたドラマだと

 

思うかもしれませんが

 

古典、愛の原典ということにおいて

 

記憶すべき作品であると申し上げておきます。

 

グレタ・ガルボは最高に美しいとき。

 

ロバート・テーラーにとっては、大ヒットとなる

 

(哀愁)に出演する三年前の作品。

 

彼は多くの女優さんたちから相手役に所望されるナンバーワンの男優さんでした。

 

いい男ですよねーー

 

ヂュマ原作の(椿姫)

 

泉鏡花原作の(婦系図・湯島の白梅)

 

いかがでしょうか・・・

 

早瀬主悦を演じた鶴田浩二さんについては

 

とてもとてもエピソードの多い大スターでしたので

 

また改めて投稿しましょう。