ローレン.バコールと北原三枝さんのファッションについて | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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懐かしい名画、最近の気になる映画のことを
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戦前のフランス映画が大好きです。
基本、鑑賞後の感想ですのでネタバレが殆どです。
ご了承くださりませ。

《ローレン.バコールと
北原三枝さん》のファッションは憧れだった。




その名前は知っていても、
何時もセピア色の
古ーーい雑誌で

<昭和20年代のキネマ旬報がうちにあったんです。>

見るだけだった、
ローレン.バコール.

切りぬいて、切りぬいて宝物のようにしていた写真の切り抜き。

後に ボギー(ハンフリー.ボガード)の奥様となった女優さんです。

その頃の写真に見る彼女は
20代そこそこだったと思うのだが、
素敵な大人の女性で、豹のような目つきではあったが、
決してヴァンプのようなタイプではなく、
むしろ、知的で、クールで、..スタイル、着こなし共に
抜群の女優であった.

変に殿方が近づこうものなら.鼻であしらわれるのでは
ないかと思わせる雰囲気の人だった。
インデリの大姉御 という表現がぴったりかな。

でも、本当にカッコイイと思って、
彼女のその洗練されたシンプルなファッションに憧れてましたし、真似してたんです。




基本は良質のブラウス、セーター、カーデイガン、に普通丈の良質のスカートかパンツの組みあわさせといたってシンプルなんですが、
それが何とも 様になっている


そして、上質の、けばくないスカーフか真珠のネックレスという
パターンのおしゃれ。

スーツもオーソドックス。

このオーソドックスを格好良く着るか、野暮になるか、
紙一重で、...内面から滲み出るものが加味されて
いっそう輝いていたバコールさん。

まさに、バコールのファッションが絶対に 私の基本であった。

オートクチュールのファッショナブルな女優さんは
日本にも、海の向こうにもたくさんいたし、その後も出てきた。
(例えば、A.ヘップバーンに代表される)。

が、バコールの
ファッシンセンスは
デザイナーに
着せられたという感じではなく、多分生まれつきの洗練されたおしゃれ感覚なので
板についていて、素敵なのでしょう。

たとえば<キー。ラーゴ>の白いシャツブラウスにロングのフレアースカートは
シンプルで長身の彼女を際立たせていた。

バコールの全身から醸し出されるアトモスフェアが
シンプルを最上級にしていると思います。

そしてずっと後のことであるが若い頃の
北原三枝さんを初めてスクリーンで見た時、
アッ バコールだ!と 思った。






彼女に比ぶれば、やや小ぶりではあるが、
日本の女優の中では小さい方ではない.

岸 恵子主演の”君の名は”など松竹に在籍していた頃の出演作品は
数本しか見たことないが、
それでも、もうそのころ素敵な中性的な雰囲気を漂わせていた。

彼女も感覚の素敵な人だった

日活に入ってからの彼女はますますカッコよくなりました。

美人と言うのはどちらかと言うと田舎臭いタイプが多いなか、

こういうタイプは身体全体の雰囲気で魅力があるもので、
醸し出すものや、手足の動き、仕草が
途方もなく魅力的であることが多いと思う。

クール...、今の女優さんでは皆無だ。重量感が違う。

梶 芽衣子さんがイメージ近かったかな・

隠れたフアンも多かったはずだ。
石原裕次郎さんは彼女の大フアンであったから.
彼女に会えるという理由で日活撮影所に遊びに来て
水の江滝子にスカウトされた.

だから、裕ちゃんがデビューしたての頃に彼女と共演した
作品では年上と言うこともあるが、彼女はすでにスターであったから
当然、格が上だし、
画面でも それが感じられた。

”狂った果実”でも、”嵐を呼ぶ男”でも、まだまだ、
三枝さんが格が上であった.  が、

もう二人が恋愛中であった”陽のあたる坂道”の時は

完全に裕ちゃんを立てて、クールさは消え、控えめさを
感じる
押さえた演技であった.

裕ちゃんが病に倒れてから、度々テレビなどに映るようになった
三枝さんを見て、大半の人がいくら歳を重ねたとはいえ
” 同じ人? ”と疑った人は多かった。

同じ頃活躍した女優さんが今もずーっと現役で
映像に映る人たちに比べその変わりようは多分
ビックリしたと思う。  

が...裏を返せば
それ程彼女はあの当時
素敵であった。ということで、
裕ちゃんしかつりあわない
三枝さん。

これほど、貫禄としての相性はないと思うほど、お似合いの
カップルだった。

芦川いづみや、浅丘ルリ子では裕ちゃんと、共演しても
ただ、可愛いだけの女性であり、対に張り合える相手は
三枝さんしかいなかった。

そして、
あの結婚で三枝さんはいなくなり、まきこさんがずーっと
裕ちゃんに寄り添った..つまり、まきこさんが
普通の主婦をして、普通の女性と同じように歳を経た
だけのことだと思う.

女優北原三枝が歳を重ねて老けたのではない。


万人の人に見られて女優さんは美しさを保つ。

バコールは現役でいるから、歳は経ても昔の洗練された雰囲気は
80を過ぎてもまだ残っていて、変わらない。

どんな映画に出ても圧倒的な存在感のあった二人。

日劇ダンシングチーム出身の抜群のスタイルと、ボーイッシュな
顔立ち。
浅丘ルリ子や吉永早百合が出る前に
大人の観客に圧倒的に支持を受け、
一時代を築いた女優北原三枝さん。

太陽族スターと呼ぶにはあまりにカッコ良かった。

普通のひととしてのまきこさんも
全く違った魅力的な人であることには間違いない。