『郷愁』・ 轟夕起子さん 日本の女優23 ・マキノ雅弘監督の元妻 ・・岩間鶴夫監督 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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≪郷愁≫
日本の女優さん 23
轟夕起子さん

(日本映画の父)と言われた
牧野省三の長男 マキノ雅弘監督と
一時期結婚していたようです。
マキノ雅弘監督は日本映画の
黄金時代を築いた人で
261本のメガホンを撮ったと聞く。
そんな方の妻という立場上
夕起子さんは
映画界において大事にされていたようです。

わたしの記憶にある轟夕起子さんは
もう、裕次郎さんの母親役などを演じ出したころである。

しかし、若い時代の夕起子さんは
内田吐夢監督の
(限りなき前進)
田坂具隆監督の
(爆音)
マキノ雅弘監督の
(肉体の門)
二度目の夫となる島耕二監督の(次郎物語)
黒澤明監督で
(姿三四郎)と
華々しい活躍です。

彼女も宝塚少女歌劇団出身で
昭和12年に
稲垣浩監督の
(宮本武蔵)お通役で
デビュー。

ふくよかな笑顔で
歳を重ねてからもその愛くるしい笑顔は変わらなかったように思います。
因みに、
牧野省三、マキノ雅弘一家の系図は頭が痛くなる程のネット網なんです。

今夜は1952年度作
岩間鶴夫監督
(郷愁)の中での
轟夕起子さんがステキでしたので、チョット紹介いたしますね。

岩間監督は
戦後の日本映画を支えた監督の一人らしいが
私はこの方をほとんど知らない。作品もかなりあるみたいですが残念ながら
本作品のみ鑑賞です。
さて、
学生時代の朋友に
とても美しい言葉使いをする人がいるんです。
おうちでも、いつも”お父様、お母様” 。

おっとりした人で
彼女と話していると何かこう
ゆったりした気持ちになれるのです.
そして、着物フレンドでもあります。

今まで、ページに紹介した日本映画の何本かも
非常に美しい言葉使いをしていますね。
昔は、普通の生活レベルの
家庭でもごく普通に
キレイな言葉を使っていましたよね。

旧い映画に出てくる言葉で
一番好きな言葉
サヨナラする時の
 ”ごきげんよう!”デス.
なんともたおやかで、フワーッとした言葉...


『郷愁』
製作  松竹 S.27年度
監督  岩間鶴夫
原作  吉屋信子(幻なりき)
出演  
轟夕起子
岸 恵子
佐野周二
三宅邦子 
笠智衆

原作は吉屋信子の
(幻なりき) で、脚色を
若い 橋田壽賀子が担当している。

大仏次郎の”帰郷”とよく比較される作品で
日本国籍を捨て 華僑に嫁いだ一人の女性が
帰国する。
娘に一目会いたい!
母性愛とは何か!.........という内容。

戦前は
仕事で海外に赴任する人、
貧困から逃れる為の
渡航、移民、事情があって海外に身を隠したり...

--事情は今と違って

太平洋戦争を挟んだことで
今の海外赴任とは、少々事情が、違った。

この映画の
生みの母親と育ての母との間で、健気にまた、
しっかりした育て方の影響で、娘の雪子(岸恵子)という娘が、二人の間で悩み、
ちょっぴり成長していく、
また二人の母も成長していく......というお話です。
恵子さんがまだ19歳。

ことのほか可愛く、いじらしいのだ.
モノクロではありますが、
着物ももちろん登場します.

お嬢さまという設定だが、若くしてどうも日舞を
教えているようです。

お嬢様に会いに帰国してきた
母轟夕起子さん。

後に、捌けた母親役で活躍するようになる夕起子さんが
堂々とした貫禄を見せて
魅力的です。
育ての母親役に三宅邦子さん、
彼女も人気投票ではいい線いくんですね。意外でした。

娘役からちょっと成長した
女性〜母親役〜 と
女優さんが、女優さんへ
バトンタッチしていく。
そんな映画の流れが
楽しいですね‼️