《素晴らしき休日》ジョージ.キューカー監督 米 1938年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

吐夢の映画日記と日々の雑感

ご訪問ありがとうございます。
懐かしい名画、最近の気になる映画のことを書いています。

戦前のフランス映画が大好きです。

読まれて共感頂けたら、"いいね"を押してくださいませ。
励みになります。

≪素晴らしき休日》

 

こんばんは。

 

今夜は久しぶりにハリウッド作品を一本。

ジョージ.キューカー監督と言えば

 

皆様は、≪マイフェア.レディー≫か

ジュデイー.ガーランドの≪スター誕生≫でお馴染みの

監督だと思います。

 

私が一番好きな作品は

≪素晴らしき休日≫です。

 

原題は

《HOLIDAY》

 

舞台出身のキューカーが一つ一つのシーンで演劇的な

奥行きのある立体的な演出を見せ、また

キャサリン.ヘップバーンのナイーブだけれど

燃えると叩き込むようなセリフを随所に散りばめ、

舞台的なニュアンスを画面いっぱいに応用し、

話術の面白さを堪能させてくれる大好きな一本です。

 

ビリー.ワイルダーも話術の面白さを描いて秀逸だが、

この人の作品も勝るとも劣らない出来である。

とにかくシナリオが

面白いんです。

 

ストーリー

 

ジョニー(ケーリー.グランド)はヨーロッパから

帰ってきて一番に友人夫婦のもとへ急いだ。

 

旅先で芽生えた恋と恋人の事を報告する為だ。

やさしくて、美しくて笑うとえくぼができる魅力的な人だと

有頂天のジョニーは大学教授の友人夫婦に告げる。

 

この夫婦は捌けた夫婦でお金や名誉よりも

大事なものが何かを知っている夫婦だ。

 

”父親は老齢で妹は失業中で弟はバカ息子?”と

最悪な家庭を想像して,困ったらうちへおいでと言う。

 

ジョニーは彼女のうちを訪ねた。

メモを頼りに来てみるとものすごい邸であった。

 

一階のホールからエレベーターで2階の居間へ通された。

廊下を覗くと扉がいくつもあって迷いそうなお邸だ。

 

恋人ジュリアは喜んで迎えてくれた。

あまりの邸に落ち着かないとジョニーは戸惑いながらも

天真爛漫な彼はすぐに馴染むが。

 

そこに来合わせた姉リンダ(キャサリン.ヘップバーン)は

無愛想で口が悪いときた。

しかし、このふたりに興味を持ったリンダは、

いろいろと質問が多い。

この姉妹は全く正反対の性格のようだ。

妹ジュリアはお金持ちと言う地位を最大限に利用として

それをジョニーにも押し付けるようだ。

 

姉リンダはいつも自分の部屋でひとり静かに暮らしている。

彼女を理解するのはいつも酒のグラスを離さない弟だけだ。

 

父とジュリアは似ていて,二人だけに通じる論理があり、

リンダはそれについていけないのだ。

 

傍観している弟も、リンダの気持ちや考えをわかっているが、

今は口を出さない。

 

ジョニーは教会に行ったジュリアを待つ間、

リンダの部屋に入った。

そこは、この館に似つかわしくない普通の居間の雰囲気だった。

ピアノにドラムに管楽器、

体操用具、などなどまるで玩具箱のような部屋...。

 

ジョニーはこの時にすでに、リンダに本当に恋したと思います。

 

”天下のシートン一族??とジョニー。

口は悪いが気取りがなく,物事の本質を付くジョークや

芸術、文学に興味を持っているリンダ。

 

彼は寸暇、この女性と話して、気取りなく話している自分が

本当に求めていたのはこんな女性だったと

まだ,気付いていない。

 

ジョニーはお金の為に働くのではなく、働く意味を探すために

働き、退いて、その次は意味がわかった上で

好きな事をして働きたいと言う。

リンダは大いに賛成し,この青年に好意を持った。

 

だが、ジュリアはジョニーを

父の会社の重要なポストにつかせて

裕福で華やかな生活を送る事を望んでいると

段々と分ってきて

ジョニーは.....

 

この映画はリンダとジョニーのすばらしい会話の妙につきます。

 

いつも千鳥足の弟が茶々を入れながらも二人を応援する。

 

父にジョニーの

印象を良くしようと

ジュリアはあれやこれやと指図をする。

リンダだったらありのままを見せるでしょうに。

 

段々と分るのですが、

この家ではリンダは変わり者扱いされていて

その事で,彼女はいつも傷ついている事がわかってくる。

弟も本当はこの親娘にうんざりしているのだ。

 

この家は

父とジュリア親娘に

取り仕切られている事も分ってくる。

それでもリンダはジュリアとジョニーの結婚を父が許すように

応援するやさしさもある。

一応父親の承諾は得た。

婚約パーテーをやる事になり,

リンダは自分にコーデネートから一切を

やらせて欲しいと

ジュリアの

承諾を得たが

蓋を開ける頃には

ジュリアと父親の計画で実行された。

 

楽しみを奪われ

落ち込んだリンダは部屋に閉じこもり出てこない。

客の手前、出席させようと

父とジュリアが誘いに来るが”ノー”だ。

 

”私の楽しみを奪われてあきらめきれない....”

 

”なんだ,この部屋は”

 

 ”ここは私の家庭よ。

お母様といるみたい..”と

リンダは

気持ちを訴えるがこの人たちには分らないようだ。

 

”お前は頭痛の種だ”と父は吐き捨てる。

 

そんなリンだに弟は

 

”自信を持つんだ。ジュリアに比べて姉さんは美しさは二倍

人間性の素質は数倍あるさ”

   と励ます。

 

そしてリンダの心に潜む感動や、優しさ,信念といったものを

この弟が引き出していくんですね。

 

教授夫妻も招待されたが

この邸に入ってくるなり、違和感を覚え

どうしたことか、リンダの部屋へ迷い込んだ。

 

さあー、ここで別のパーテイーが始まる。

そのうちジョニーも弟もここへ来て羽目を外すのである。

教授夫妻は乗りに乗ってリンダと意気投合。

 

床に転がってリラックス。教授の人形劇でリンダは

元気を取り戻す。

衿を正して微笑む弟も可愛い・

階下のパーテイーは殆ど映らないよ。

ここに従兄夫妻が入ってくる。

”妙な部屋ね”と取り澄ます。

”別のパーテイーもやってるわよ”

リンダは”下層階級のダンスパーテイーでも?”とかわす。

 

ここで話すジョークはまさに哲学である。

 

ワルツを踊りながらリンダはジョニーに言う。

”自分の行き先はわかっているわね”と。

ジュリアの陰謀に乗るなということらしい。

 

ジョニーはリンダを愛し始めた事を自覚するが....。

 

そんなこんながいろいろありまして、

 

ジュリアはジョニーの考えにはついていけないと

理解を示さなかった。

 

”じゃあ私が行ってもいいのね!”と飛び上がるリンダ。

 

ラストは教授夫妻の希望でもあり、

ジョニーの希望の、”生きる意味を探す旅への

船に同船するのはリンダであったという結末。

 

 

 

かくて4人の船旅は始まるのであった。

 

とにかくキャサリン.ヘップバーンはどんな役をやっても可愛い。

自然体の聡明さとすばらしい”あご”を持っていて、

そのあご(しゃべりのこと)がすばらしい・

 

彼女がしゃべるとそれは台本ではなくて

元々の彼女の言葉に聞こえるから不思議だ・

 

多分わたしの一番好きな女優さんでしょうね。

この作品の頃は25、6歳か?

 

ケーリー,グラントは

1957年にアランさまと出会うまでは

熱烈なフアンでした。

 

 

ソフィスケイトされた味は天下逸品。

 

テンポのいい会話は小気味良い。

完成度の高い洒落た秀作です。

 

弟を演じるリュウも洒落たボケで良い味を出しているし、

登場人物がすべて魅力的である。

ジュリアを演るドリスだけが損と言うところか。

 

1938年度作品

監督  

ジョージ.キューカー

 

出演 

キャサリン.ヘップバーン

 

ケーリー.グラント

     

ドリス.ノーラン

 

リュウ.エアーズ

 

  エドワード.

 

エヴェレット.ホートン

 

ランキングに参加しています。

ポチッと押して頂けたら嬉しいです。

           ↓
 


にほんブログ村