『落ちた偶像』・英国サスペンス・・キャロル.リード監督 ・1948年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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 ≪ 落ちた偶像 ≫
 
こんばんは。
今夜はイギリス映画です。
 
キャロル リードとくれば.1949年の”第三の男”があまりにも有名。
吐夢  では
彼の作品は、
1947年の《邪魔者は殺せ》を
取り上げましたね。
今夜は
1948年の
《落ちた偶像》を。
 
この3作は立て続けに
撮られているんですね。
 
デビット.リーン監督と同時期に英国映画界を
牽引してきたキャロル監督ですが、
独自性にこだわったリーン監督に比べ、
キャロル監督は
ヒッチコック手法でもなんでもこだわらず取り入れたそうです。
 
今夜の作品は
いぶし銀のような作品です。
主演のラルフ.リチャードソンが渋いです。
吐夢の日記では、
《わらの女》や
《女相続人》に登場しました。
さて、
 
舞台は、イギリスはロンドンの某大使館。
殆どが、邸の中だけのシーン.父大使も母も留守勝ちな大使館。
いつも1人ぼっちの少年フィリップ(ボビー.ヘンリー)にとって
執事ベインズ(ラルフ.リチャードソン)だけが、
自分の理解者であり、友達である。
 
両親が、海外出張ばかり故、邸の中は、この二人と執事の妻ベインズ夫人《ソニア.ドレスデル》と
3人だけのことが多い。
 
少年はペットに小さな蛇を飼っている。
口やかましく横暴に振舞う執事の妻を少年は嫌っている。
ある日、フィリップの蛇を見つけたベインズ夫人は、ストーブにくべて焼いてしまう・
ますます、ベインズ夫人を嫌う少年.
ベインズと夫人の仲も冷え切っていた。
ベインズには、好きな女性ジュリイ(ミシェル.モルガン)がいる.数ヶ月前から
この大使館でタイピストとして働いている美しく、聡明で穏やかな人柄だ。
 
邸の真中には大きならせん階段があるり
これが後に起こる転落事故(?)の舞台となる.
 
淋しい少年を元気付ける為、ベインズはいろいろと作り話をして
きかせているが、このジュリイという女性の存在を
少年が知り、また、妻が嗅ぎ付けることで、
話が、ややこしくなってくる.
妻とジュリイのことで、口論となる。
ジュリイはここを辞めて
出ていこうとしたが、
ベインズにもう少し待つように説得され、とどまった。
しかし、ベインズ夫人に別れ話を切り出すが逆にやり込められてしまう始末だった。
ある日、ジュリイとフィリップを伴って動物園に行き、帰ってみると
ベインズ夫人は2、3日帰らないという嘘の電報が届いた。
 
3人はゆっくり食事をとり楽しんだ。
だが、夜、フィリップの部屋へ、ベインズ夫人が現れ、ベインズとジュリイのことを問いただし、
ジュリイの部屋を覗こうとして、らせん階段から
落ちて死んでしまった。
 
 
 フィリップは
いつもの作り話の延長だと思い、ゲームなのか真実かわからないという状況が起きた。
また、少年にとって英雄のような存在のベインズを
殺人者と、
疑いつつ、必死で庇うからこそますます容疑は深まる。
 
だからこそ、警察は
ベインズの仕業だと確信したが、
階段のそばの大きな植木鉢に足跡があったことから、そこに立ったベインズ夫人が自ら落ちた事故だと判断した。
 
無垢である少年にとって何が真実かは、どうでもよく
彼が、逮捕されることがあっては、ならないのだ.
 
実際にこの執事が、犯人であったのかどうか?
 
少年の無垢と嘘が助けになるか、真実が助けになるのか
らせん階段の上から少年と執事の伝達手段として使われる紙飛行機や
下から上へ向かうらせん階段のカメラワークのすばらしさと、
この階段を中心に繰り広げられるドラマを
キャロル リードは、巧みに操り最後まで一気に観客を引っ張って行く.
イギリス映画でないと出来ないシチュエーション。
しかし、その植木鉢の足跡は
以前からあったものだとフィリップは知っていた。そのことを刑事に告げようとしたが、
刑事は耳を貸さなかった。。。
 
キャロル.リードの上記
3作品にはすべて
子供が重要な役割を演じて印象深い。
そして、共通するのは
聞いた大人が信じてしまわざるを得ない
  勘違い  を  本当のように話すから、ストーリー的には面白くなる。
 
だけども、子供は
   本当に  宇宙人ですなあ。
 
製作   
(英)1948年  
原作    
グレアム グリーン
監督  
  キャロル リード
出演   
 ラルフ.リチャードソン
 
    ミシェル.モルガン
      
     ボビー.ヘンリー
 
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