『スコルピオ』・ ドロン作品・ 《米》1972年度作品 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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懐かしい名画、最近の気になる映画のことを
日記形式で書いています。
戦前のフランス映画が大好きです。
基本、鑑賞後の感想ですのでネタバレが殆どです。
ご了承くださりませ。





アラン.ドロン生誕80年と
いうことで
BSでは
彼の作品の特集をやっています。
、明後日、11月08日はアラン様の80歳のお誕生日です。
でも、彼はインタビューの中でお誕生日とかのお祝いは
しないし、嫌いだといっていたので、そっとしておきましょう。


今夜は《スコルビオ》放映されているので、
叶夢の映画日記でも取り上げてみます

ハリウッド俳優バート.ランカスターと共演しています。

まずは、ストーリーから。。

CIA諜報員のクロス(バート.ランカスター)と
殺し屋ローリエ(ドロン)は今まで一緒に
政治的暗殺者として何度か一緒に仕事をしてきた。

クロスとローリエは中近東のある国の首相を暗殺して、
ワシントンへ降り立った。

CIAのフアイルチョック(J.D.キャノン)は
ローリエに仕事が終わった後に何故、クロスを殺さなかったかと
問い詰めたが、長年一緒に仕事をしてきたクロスとはなぜか
気が合う仲間として、殺す事は出来なかった。

ホテルに着いたローレルの部屋に猫がいた。
紛れ込んだものらしいが、彼は猫をそのままに..と
ボーイに目で合図をした。
ーーー彼の作品に結構、猫が出演していて、
ひとつの役割を果たす事が多いのですが
個人的に猫も非常に好きなようです。ーーー

クロスにはサラという最愛の妻、
ローリエにはスーザンという恋人がいる。
ローリエはスーザンと共にパリに帰ろうと思っている。

そんな折、クロスがCIAの極秘情報をソ連側に
流しているらしいという情報が入った。

その事をいち早く察知したクロスは愛する妻に別れを告げ、
逃亡の旅に出る。

まずは、バルチモア、ピッツバーグ、シカゴ、トロント
そして欧州ウイーンへと。

ローリエは半年振りに会うスーザンと
久しぶりの逢瀬をあるホテルで楽しんでいたが、
そこにフアイルチョっクの手下、に踏み込まれ、
麻薬不法所持の疑いで逮捕された。
ローリエには身に覚えの無い事だった。
有罪になれば30年の刑だ...
フアイルチョっクの仕掛けた罠で、
クロス暗殺を迫る為であった。

30年の服役かどうかという窮地に立たされたローリエは
仕方なく、
25000ドルとクロスの後釜に座る事を条件に
引き受けることにした。

クロスはウイーンでソ連の諜報部員、ザーコフに匿われていた。
ローリエは薄々察知していた。

一度はウイーンに飛んだローリエだったが、
クロスとてプロの諜報部員、
やすやすと彼の手に落ちるわけは無く、
失敗に終わった。

ここの銃撃戦と追跡がものすごいスピードと、
かなりの時間を割いている。
デジタル的でない時代のハードボイルドが堪能できます。

いい歳になっているランカスターにはハードすぎるくらいの
アクションですね。

クロスはアメリカにいる妻サラと連絡をとりあっていたが、
CIAはサラの自宅の電話に盗聴装置を仕掛けた。
やがて、クロスは人を介してサラに連絡をとった。

”図書館に本を返して欲しい”というものだった。
早速CIAはサラに尾行をつけ隠しカメラで映像に収めた。

フイルムを回していて、それを見ていたローリエは
ハッと気付き、巻き戻した。
入り口後部に小さく写るスーザンを見つけたのだ。

スーザンがまさかクロスの手先だったとは、唖然とするローリエ。

一方、サラの家をCIAが捜索することになった。
パーテイに出ていたサラは途中,気分が悪くなって、
家に戻ったが、そこで不審な男を見つけ、銃で
歯向かうが、敵の銃弾に倒れた。

最愛の妻サラの死に復讐を誓うクロス。
人を雇い、交通事故に見せかけ,
張本人CIAのボス、マクラウドの車を渋滞させ、
クロスは簡単に殺す事が出来た。

一方、スーザンに騙されていたローリエは
すぐに行動を起こさず、機会を待った。
パリへ一緒に帰ろうと言ったときに預けた封筒。
もし、自分に何かあったら、
フランス大使館に持っていってくれと..

あの紙袋が必ず、スーザンから,クロスの手に渡ると
睨んでいるローリエはスーザンのアパート前に駐車し
彼女を待った。

彼女を尾行すると睨んだとおり、クロスが現れた。
振り向いて抱きついていこうとするスーザンにローリエの
銃が火を吹いた。
彼の表情は冷たく一瞬たりとも動かなかった。
そして、クロスも...

仕事を終えた彼は外に出て足にまとわりつく猫に、
抱こうとかがんだ。

近くから彼に銃口が向けられていた...

★<山猫>で共演した、アランが尊敬する俳優、ランカスターと
共演しました。

ランカスターも大根役者と言われたアクションスターでしか
無かったのが、
ヴイスコンテイの2作品。<山猫>と<家族の肖像>で
演技に目覚めさせられた俳優のひとりです。

山猫で共演したアランはまだ27.8歳でした。
おそらく、それからも彼と親交があったのでしょう。
10年後の共演です。
ハードなアクションもアランより、ランカスターの方に
重きを置いたのも
この作品のクライマックスを
ランカスターに
花を持たせたアランの、
俳優ランカスターへの尊敬の念が現れている一面です。

製作 1972年  アメリカ
出演 バート・ランカスター
   アラン・ドロン
  ポール・スコフィールド
  ジョン・コリコス
  ゲイル・ハニカット
☆今日は、ここいらで、
  アランの実物の人と成りを述べてみましょう。

手元に、
1979年の雑誌「ロードショー」があります。その雑誌の独占インタビューの中で
彼は次のように述べています。

 ”僕にとって、友情と恋愛はまったく違った感情ですが、
  やはり、男の友情を
重んじますね。 
いや,信じるといった方が
   よいかも知れません。
一般に言われる事ですが   男の友情は長く続くものですが 女との愛はいつ終わるか分からない、といった面を持っているからです。
 どちらかといわれれば
男の友情を取るでしょう。”

 ”どの映画に出演するときもそうですが、
特別苦労して役作りをするとか、
 どう演じればといいかと悩む事はありません。
 
観客をどうやって楽しませるかという願いを常に
  持っています。
どこかで人をひきつけるところのある作品を作って、
 フアンに満足していただければと思っています。”

こういうことから見て、
主演は自分だ!(当然なのですが)ということより
楽しい作品の為にはどんな事でもするという姿勢が
最優先なのだと思えますね。

★付録

僕が一緒に暮らす女性に求める事は、
第一に僕の人生を分かち合ってくれること。
それと誠実さ。
僕が相手の女性を愛するのと同じように
僕を愛してくれる事。
それだけです。

男の愛も女の愛も同じだと考えます。
人間として愛せるかだけです。

僕にとっての幸福とは
一瞬,一瞬だと思います。

限りない喜びを感じる瞬間、
  深い満足を味わう瞬間、
  その一瞬こそが
ぼくにとっての幸福であり、
幸福とは存在するものではなく、
消えてゆく美しい一瞬なのです。

★成功した理由は?
 いろんな理由はありますが、
  何よりもまず、すばらしい俳優になろうとしたこと。
 そのために,必死に工夫し、
学び、考え、常に努力を
惜しまずに、
今日まで続けてきたことです。

★趣味は?
   たくさんありますが、
特に好きなのは
   犬の世話と音楽です。
   音楽は古典も現代も
みんな好きです。
自分で何かの楽器を
弾くことはありませんが、
音楽が無かったら生きていけないくらい好きです。

ーーーーだから、彼の作品に流れる音楽には
こだわりがあるのだ!ね。
    なにより美しいです。---
★最後に好きなもの?
  バラ、太陽、夏、ブルー、イタリア製の服、自分の家、
    京都の小さな宿、シャンパン、中華料理、ボクシング、
    テニス....そしてなによりも 働く事 。

  6ページに渡るインタビューからの抜粋でした。
  
  本当に普通の人です。

彼が人生の基本としている
誠実と勤勉と友情と強い意志、思いやり、などの
ベースの上に役のフイクションが重なり,膨らませて
数々のヒーローや人物が演じられているということです。

役の人物は半分はアランそのものなのです。

  1998年に引退した彼の今はどうなのかなあ??
今は復帰して、舞台が主な活躍の場のようです。