「くまのコールテンくん」の絵本はご存じですか?

 

コールテンくんの絵も話も可愛くて、私は大好きな絵本なんですドキドキ

 

 

・・あらすじ(ネタバレあり)・・

くまのぬいぐるみのコールテンは、デパートで誰かが買ってくれるのを待っていると、リサという女の子が母親とやってきて、コールテンを欲しがったが、母親に「吊り紐のボタンが取れている」と反対された。

その晩、コールテンはボタンを探しに夜のデパートの探索に出発したが、あと一歩のところで警備員に見つかり、売り場に戻されてしまう。

しかし翌朝、リサが自分のお小遣いをはたいてコールテンを買いに来てくれた。コールテンは念願のリサの家に連れ帰られ、ボタンも付けてもらい、二人はかけがえのない友達になったのでした。

こんな話です。

 

この絵本は、1968年にアメリカの作家ドン・フリーマンによって書かれた絵本で、日本では1975年に松岡享子さんによって翻訳され偕成社から出版されています。

この「くまのコールテンくん」シリーズは、「コールテンくんのクリスマス」「コールテンくんのポケット」など、何冊か出てますが、翻訳者は木坂涼さん・浜崎絵梨さんだったり全て同じ方ではないんです。

翻訳者によって、コールテンくんだったり、コーちゃんになったり、呼び名も違ったりもします。

 

   

 

一番新しいのは「コールテンくんステージにたつ」が、木坂涼さんの翻訳で2024年9月に出版されています。

翻訳者によってイメージも変わってくるので、自分の好きな翻訳者を見つけるのも楽しいです。

 

私は、初代翻訳者「松岡享子」さんの絵本がお気に入りです。

 

 

そして先日、今、東京子ども図書館50周年記念として開催している「松岡享子からの贈り物」展に行ってきました。

 

 

 

松岡享子さんは、東京子ども図書館の創設者のお一人であり名誉理事長でした。

2022年にお亡くなりになっています。

 

 

場所は、東陽町にある公益財団法人ギャラリーエークワッドで、決して広くはありませんが、この空間に松岡享子さんの業績と東京子ども図書館の歩み、お部屋、長野の生活の模型、松岡さんのインタビュー映像などが流れていて、とても充実した展示でした。

 

(東京と長野県茅野市蓼科の二拠点で暮らしていました)

長野の模型

 

 

松岡享子さんは、絵本や童話の翻訳の他、作家であると同時に、子どもにおはなしを語って聞かせることが、本の世界へ楽しく誘う有効な手立てであると信じ、「おはなし」に力を入れてました。

 

 

1956年の「しろいうさぎとくろいうさぎ」以来、200冊以上を子ども達に届けてきたと言われ、展示してある絵本の数もとても多く、ロングセラー本やよく目にする絵本ばかりでした。

 

 

 

 

 

大学生の頃から、子どものための図書館員を志し、のちに公共図書館勤務などを経て、子どもと本に関わることを一生の仕事として、自宅に小さな図書館室を開設します。国をこえたご活躍で、数々の賞を受賞し素晴らしい方でした。

 

 

創作作品は小鳥が種を運んできたように、ある日、ひょいと思いつき、膨らんで出来上がる。と言われ、

翻訳は、日本の子ども達に読んでもらいたいと心から思う作品のみを訳したそうで、

その際には、お話を聴いて楽しむ子どもの身になって、すべて声に出し、自分の耳で確かめながら文章を磨いたそう。

だから、その訳文は、わかりやすくて心地よい、と言われています。

 

業績は沢山ありすぎて、ここでは紹介できませんが、本当に素晴らしい生き方をされてきた方で、感動しました!

 

素晴らしい展示でした!

 

 

この「松岡享子からの贈り物」展は、13日(木)までで残り少ないですが、ご興味ありましたら是非行かれてください!