手紙8
先生がいなくなって
もう5年が経ちます。
先生、元気にしてますか?
今でもバスケやってますか?
あの日先生とお別れ
したはずなのに
今でもね、街を歩いてたら
ばったり先生に
会える気がしてます。
でももう先生は
いないんだね。
どこに行っても
どんなに呼んでも。
でもさ、先生。
あたしは絶対忘れない。
先生がいたこと。
教えてくれたこと。
忘れてしまったら
本当に先生が
いなくなっちゃいそうだから。
もしも先生のクラスに
なれなかったら
きっと今のあたしは
存在しないから。
先生、ありがとう。
バスケット教えてくれて
ありがとう。
本当に楽しかった。
いつも本気で
ぶつかってくれて
ありがとう。
嬉しかったよ。
あたしたちに
心を、友情を、仲間を
涙を、笑顔を、勇気を
感動を、悔しさを、
いっぱいいっぱい
教えてくれて
ありがとう。
先生がいないのは
寂しいけど
あたしは生きる。
先生、あなたの分も。
生きるからね。
そこから見ててね。
もしあたしが挫けたり
めげたりしたら
助けてくれなくていい。
でも見守ってて。
先生のことを思い出して
自力で立ち上がってみせる。
だから見ててね。
まだまだ先生に
会いに行くつもりは
ないけど、
あたしも先生のところに
行く日がきたら
絶対先生のとこにも
行くから
その時は、その時は
またあたしに
いやあたしたちに
バスケット教えて
くれますよね?先生。
楽しみにしてるから。
じゃあ先生、
いってきます。
お元気で。
また会える日まで。
手紙7
家に帰った私は
玄関を入ってすぐ
電話の前に立っている
お母さんが見えた。
あたしが声をかけるより早く
「先生が亡くなった」
と泣きそうな声で
あたしに言った。
亡くなった?
理解できなくて
頭の整理がつかなくて
涙が出るまでに
時間がかかった。
あたしはまだ信じて
なかった。
死んだなんてありえない。
絶対ありえないって
思ってた。
でもお通夜のとき
先生の写真をみて思った。
先生が死んだ。
先生はガンだった。
時期からしてあたしたちの
担任をしてた頃には
だいぶ進行してた。
言われてみれば
風邪引きやすかったし
具合悪くなって
授業中にトイレに
いくこともあった。
先生、ごめんね。
気づいてあげられなくて
ごめんね。
近くにいたのにね。
近くにいたのにね。
先生、よかったんだよ?
あんなに必死に
あたしたちに付き合って
くれなくて。
だって生きたかったでしょ?
もっともっと
生きたかったでしょ?
先生、ごめんね。
手紙6
みんなで過ごした
2年間はすごく早くて
黒板に書いた卒業式までの
カウントがいつまでも
減らなければいいと
思ってた。
それくらい大切なものを
もらったんだよ?
大切な仲間に
出会ったんだよ?
どれもこれも先生、
あなたのおかげです。
どんなに時間が過ぎても
あの2年間をあたしは
絶対に忘れない。
先生、ありがとう。
みんなが泣いた
あの卒業式の日
先生はどんな思いで
見送ってくれましたか?
先生が亡くなったと
聞いたのは中学校
2年生の春だった。
普通の普通の
春の日だった。
