日陰者 ほな、行こか。 | 日陰者(風俗スタッフ物語)

日陰者(風俗スタッフ物語)

風俗業のスタッフ(日陰者)として生きてきた俺の経験をつづって行きます!
基本、俺の唯一尊敬出来た店長の
気まぐれでヤリっぱなし!でもとてつもない売り上げをキープしていた店長の話になると思います

お子さんを救出した時の、バイクのヘルメットカメラが見つかってました!


馬爺と馬姐がお子さんを連れて山中突破して合流した時、2人のヘルメットは傷だらけで、ヘルメットカメラ両方無くなってたんですが


獣道を拡げる作業で、メンバーが見つけて回収してました!


「獣道入って4キロ地点で発見しました。」


指令車で解析!


SD生きてました!


馬姐のヘルメットカメラでした!


獣道まで映ってたんは、ほとんど馬爺の背中や


降り続く雨でした!


馬爺や馬姐に当たる雨の音が


バチッバチッバチッ!


かなりのスピードで、音を聞いてても


痛いくらいの衝撃やった思います!


ほんで、不意に雨の当たる音が弱くなりました。


馬姐が前をのぞいたんか、馬爺の背中から崩れ落ちた道路…


「こっから山に入る!

避難所近くまで行ける獣道があるハズや。

獣道突っ切っていく!

お前だけでも、絶対に避難所へ辿りつけ!

せやないと、子供が死ぬ!

わかったか?」


強風で横殴りの雨…


薄暗い山…


木はえらい揺れてました…


画面だけでも、恐怖感じます…


「わかっとる!」


馬姐そう言って頷いたんか、画面も縦に動きました。


「こっから先はしゃべるなよ。

喋ったら舌噛むど?」


「わかった!」


「ほな、行こか。」


えらい静かに、でも覚悟決めた声で馬爺は言って


一瞬後にエンジンが大きい音!


バキバキッ!バサッ!バキッ!


エンジン音と一瞬に


枝や葉が当たって、どんどん流れて行きました!


「ワシの背中からの頭出すな!

身体持ってかれるど!」


エンジン音に負けへん馬爺の叫び声!


それでも枝が、バシバシ馬爺と馬姐を容赦なく叩いてました!


ミラーの割れる音も!


右に左に傾いて、それでも2人を叩く音!


山に入るまでは、エンジン音と雨の音でしたが


山に入ってからは、もう枝が2人を叩く音だけ!


合間にアクセルやクラッチ操作で


一瞬エンジン音が勝ちますが、それでも次から次へと


2人を激しく叩く枝の音!


馬爺のミミズ腫れや無数の線のあざは


枝に叩かれた傷…


たぶん馬姐にも同じ様な傷があるハズ…


ぬかるんで転倒して


倒れた馬姐に、馬爺も吹き飛んだのに


すぐ戻って来て


「行けるか!」


声も出されへんかったんか、それでも馬姐


何回も頷いたんか、画面が何回も縦にブレました!


馬爺バイクを起こして、馬姐も乗って


「お前だけは絶対に辿り着かせる!

ワシの背中から絶対に頭だすなよ!

ワシがあかんなったら、歩いてでも避難所行ってくれや!

お前は絶対に辿りつかなあかんのや!

頼むで!」


馬姐、馬爺のヘルメットに自分のヘルメットぶつけて返事しました!


「行くで!」


また2人を叩く枝の音が激しくなりました!


途中また、ぬかるんでハンドルを取られて転倒…


たんび、馬爺身体捻って馬姐を守って…


「あんた!大丈夫か!」


動かれへん馬爺に、馬姐が駆け寄って…


馬爺のカッパはもうボロボロ!


「ワシより…子供…やろがい…

でも、まだ行ける!

行こか!」


ふらつきながらでも立ち上がって、バイクを起こしてエンジンかけて


馬爺いっかいヘルメット脱いで、バイザーを拭いて大きく深呼吸!


ヘルメット被ってから


「行こっ!」


馬姐駆け寄ってまた後ろに乗りました。


また2人を激しく叩く枝の音…


ただ、ただ2人を叩く枝の音…


ハンドルを取られてまた転倒…


そこでカメラが取れたんか、映像が切れました。


想像以上に過酷な山中突破…


一緒に見てた大佐


「よう…よう生きて帰ってくれた…

よう…子供助けてくれた…」


2人とも、ホンマに命ギリギリの突破…


「馬息子に、データ渡したってくれる?

この2人がお前のおとんとおかんや!

言うてな。」


もちろんです!


USBにコピーして、馬息子に渡しました。