第１章
否定しない、怒らない、イライラしない
～「人間は、たいしたものではない」と思い知れば、
イライラは１秒で消える～
湖にボートを浮かべて、
湖岸から向こうの岸に渡るとします。
そして、ボートをギコギコ漕いでいると、
進路を妨害するボートが
目の前に現れました。
このまま行ったらぶつかりそうです。
「ずいぶん、ひどいことをするなぁ」
と思ってパッと見たら、
そのボートには人が乗っていません。
人が乗っていないボートに対して、
怒鳴ることはしないでしょう。
迂回をするなり、
そのボートをやり過ごすなりして
対岸に渡ります。
しかし、同じ状態でありながら、
「人が乗っている」ことがわかると、
怒りたくなってしまいます。
「なぜ、そんな怖いことをするんだ！
危ないじゃないか！」
「エモーショナル」（感情的になる）を
克服するひとつの方法が、
「人間はたいしたものではない」
と思い知ることです。
もともと人間は、
たいしたものではありません。
「たいしたものである」という実態が
存在しているわけではない。
自分が肩に力を入れて、
勘違いして、
虚像をつくり出しているだけです。
「その虚像は幻で、
『人間はたいしたものではない』
と思った瞬間に、
エモーショナルは、
１秒でなくなります。
＜略＞
『ありがとうの神様』ｂｙ小林正観