先行きの見えない難局というものは人心を不安に陥れる陥穽だ。
9年前の東日本大震災、いわゆる3.11のときもそうだった。
あの時はもっと大変だった。
戸棚から本などバラバラと落ちてきて、三陸海岸辺りでは津波による人身、家屋等の大被害に加えて放射能が飛び交う、今日は何シーベルトだったとか、それこそ外には出られないような悲惨な状況だった。
それに比べれば今回のコロナは断密さえ気をつけておけば、被爆することはないのでまだいい方である。
しかし、これに似たようなシチュエーションの洋画もあった。
ここではあまり悲惨な映画は避けて、ファミリーな類似洋画を取り上げてみる。
1965年ヒットした米映画の「サウンド・オブ・ミュージック」は大抵の方がご存知だろうと思うが、今一度大略を記述すると、ジュリーアンドリュース主演のミュージカル映画。
妻を失くしたオーストリアの厳格な退役軍人には7人の子どもがいて、ジュリーはそこの家庭教師をすることになった。
が、音楽の、感情の発露の仕方も知らない子どもたちに、音感や表現の仕方を教えて成長の歓びを共感するしあわせな日々。
しかし、そんな人間的な生活を楽しんできた一家だったが、オーストリア併合ナチスドイツ軍の魔の手が忍び寄り、全土に外出禁止令が……。
そういう悲惨な戦争に巻き込まれまいと中立国のスイスへ逃亡しようと決意する一家。
見つかったり捕まったら、コロナの比どころではない。軍令違反でスパイとして銃殺されかねない。
ハラハラ、ドキドキの展開だが、これぞミュージカルで、災い転じて福と成す。
音楽は音を楽しむためにあるので、歌を唄う事でピンチを救う。ま、おまじないのようなものかな。
たとえば、ドレミの歌……♪ドーはドーナツのドぉ。
……食いしん坊なんだろうな、ま、好きなものを想い出せば、ピンチから逃れられるという呪文もあっていいじゃないか。
わたしもこのコロナの難局に於いて、好きなものを思い浮かべるという呪文を唱えてみた。
ド はドーナツのド。ドーナツを揚げて食う時♪
レ はレアに焼き上がったステーキを前にした時♪
ミ はみんながこのブログにアクセスしてくれた時♪
ファはファミリーでファミレスに会し歓談する時♪
ソ は空が青空で気持ちのいい季節♪
ラ は楽に金メダルが獲れるようになった時♪
シ は幸せと感謝を感じて床に入る時♪
ド はドキドキするほどいい女とベッドインする時♪
屋根の上に二人のミューズ(音楽の女神)が載っていますね。
で、一家はどうしたって?
うん、歌唱コンクールに出たんだね。
で、その後は?
さあて……それは観てのお楽しみだな♪
ま、おまじないをしたのだから……
要するに、ここは、アレクサンドル・デュマの名作「モンテクリスト伯」のテーマであるこの言葉
待て!そして希望を持て!
の教訓が役立つのではないかな。
悲観的になっても解決の糸口は見いだせない。
客観的に楽しむ余裕の術を各自で修得せよ!
ということではないだろうか……。 (吟)