(字数制限で前篇と後篇に分けての連載。)
続きは北野神社の子ども神輿から~。
子ども神輿。今では実りの秋を迎えると、無邪気な掛け声で高らかに「わっしょい、わっしょい!」と子ども神輿(みこし)が町並みを神幸し(練り歩い)ていく地域一帯お浄めのありがたい風習があります。
お神輿を担ぎながら子どもらが、めいっぱい張り上げる黄色い声に、一歩、そしてまた一歩と、成長していく力強い足取りに、地域の頼もしい将来、未来を感じられることでしょう。
子ども神輿が神幸してくると、家の中にいてもウキウキとした晴れやかな気分で迎え、通り過ぎたあとも清々しい新鮮な空気が辺り一帯に満ち溢れています。
そういうありがたい子ども神輿を毎年繰り出している、この北野神社は伊勢神宮や太宰府天満宮などとも繋がりが深いということをここの杉本宮司さんは仰っておられた。
英語にもくしゃみをした相手に気遣う言葉 "God bless you"(神の祝福を)というおまじないがあるが、どこの国民でも神を敬うし、困ったときの神頼みもある。
そういう謙虚な気持ちが、人間の人間たるゆえんで、神を崇める敬虔で崇高な人格を育て、柔軟性のある円満な地域社会をはぐくんできたのでしょう。
さて、それでは練馬区の大泉学園北口アニメゲートから新座市の平林寺への紅葉旅。次行きます。
先ずは旧将校住宅から。
大泉学園駅から北へ、大泉スワロー体育クラブの東側辺りに区画整理された住宅地一帯が見られる。ここは、昭和15年、市ヶ谷から朝霞に移転した陸軍予科士官学校の将校用住宅として開発され、現在では大泉住宅共栄会として、東西南北まっすぐ街路が延び整った街並で歴史を感じさせる佇まいです。
北側の北豊島橋から旧将校住宅の入口を望むと道路幅はあるが一直線には抜けられません。
北風や治安、騒音環境に配慮した当時の都市計画の一部が窺えます。
また当時のことをよくご存知の方に伺った話では、「その将校住宅から毎朝、朝霞練兵場に向かわれる軍馬にまたがった将校のいでたちは軍服、軍帽、軍刀、磨き上げられた長靴を身に付け、馬のくつわを従卒が執り、背筋を伸ばして往復する姿にしばし緊張感を覚えたもんでした」と。
多分に作家・藤沢周平さんは師範学校卒からなのか、氏の端正で人間的な文章からもうかがわれるように、その当時の武蔵野の風土が、故郷・庄内の匂いと人間の営みとどこか似ていたのでしょう。
藤沢周平さんは大泉学園の自宅から大泉学園駅まで歩いて20~30分かけて、駅まで散歩するのが日課のようになっていました。
時には途中、バス通りの喫茶店に立ち寄ったり、公園で一休みしたりと。
その周平さんの「冬の散歩道」というエッセイの資料が、近くの大泉図書館に展示されていますが、多分その時々の作品の推敲を、また無意識に健康や脳の活性化の為、足をポンプにして歩き、体内に血液を循環させ血管や細胞をリフレッシュさせていたのではないでしょうか。
あるいは単に気分転換の時もあったのでしょう。
その時の気持ちを考察する資料はこれでしょう。
「冬の散歩道」というその一部をご紹介しましょう。
「 冬の散歩道
雨さえ降らなければ、なるべく朝の間に散歩に出る。
私はゴルフもやらずジョギングも出来ず、たいていは机の前に座って何か書くか本を読むか、またはテープの音楽を聴くかしているので、一日三十分ほどのその散歩が唯一の運動ということになる。
町内を抜けて中学校の横の道をまっすぐ南に歩いて行くと、やがて小公園に着く。
雑木林と広場にほんの少し子どものための遊具があるだけの公園で、林の中身はクヌギ、ナラ、マツ……」 (「婦人と暮し」昭和61年5月号~)
藤沢周平文学を語る上では踏襲し、辿るのもこれまた一歩なり。
文学以外に、ペットや動物など癒し系には、途中に「小泉牧場」もある。
乗ることはできないが見ているだけでも癒されるだろうし、その牛さんから搾ったアイスクリームも販売している。
23区内で唯一の牧場という希少価値がある。
新座市、平林寺のある野火止は、武蔵野丘陵つまり関東ローム層で江戸初期は水耕に適さず水の便が悪かった。
そこで当時の政治家、大河内松平家の江戸初期第五代川越藩主でもあり、また幼少より抜きんでた才覚を発揮し第三代将軍徳川家光、同四代将軍家綱に仕えその先見の明は「知恵伊豆に聞け」といわれるほど重宝がられもした知恵伊豆こと老中・松平伊豆守信綱は、その政治力をいかんなく発揮し、領地水田開発の灌漑用水として、なんと遠く多摩川から玉川上水~野火止上水を引いてきて経済効果をもたらした実績もある。
その平林寺にはヒロイン那美のモデル「前田卓(ツナ)」のお墓もある。
そう、あの一節が甦る。「草枕」から
「山路を登りながら、こう考えた。
智にはたらけば角が立つ
情にさおさせば流される
意地を通せば窮屈だ
とかくに人の世は住みにくい~」
モデルとなった前田卓さんも先駆的な生き方をされていたのだろう。今でいう天然自然(ナチュラル)な翔んでいるモデルか女優のように漱石には感じられたに違いない。
然し、そのような特別稀有な女性であろうと、やがては土に還ると思うとなぜかせつない気がする。
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす。奢れる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、ひとえに風の前の塵におなじ」
(平家物語)
諸行無常とは……あゝ無情なり。 生きている今を思いっきり活きろということか。
その「生きる」ための一歩がウォーキングである。人間は二本の足を交互に動かして前に進むのである。知能と体力のバランスをとることが大事ではなかろうか。
そういう意味で今回初心者でも楽しみながらウォーキングできる企画を練ってみたが、条件が重なれば、つまり気象条件や紅葉の見ごろ時にタイミングが合えば、心身ともに健康リフレッシュできる想い出深い「平成紅葉イベント」となるでしょう。
Let's enjoy "Walk Life Balance"
昨年は素適な方々と素晴らしい紅葉の平林寺を堪能できて幸せでした。
PLAN AHEAD
距離:大泉学園アニメゲートから新座市の平林寺までは直線距離5km、道なり6.5km。
ウオーキング時間:片道約1時間半
平林寺紅葉情報:11月下旬ごろ見頃
コース:【徒歩】大泉学園アニメゲート~北園~関越自動車道に沿って左折~本多を右折~野火止~平林寺
:【バス】西武バス(グランエミオ1Fのバスターミナル#1~乗車約30分~本多1丁目下車)
平林寺⇔新座(1.5km、徒歩約20分)
~Fin~ (吟)



