"Walk Life Balance" (22km単独完歩)
直木賞作家・藤沢周平さんの作品群は海坂藩の武家ものと、江戸では本所、深川、浅草などの下町人情を扱った市井ものが多いように見受けられる。
そしてこたび7月8日の“TOKYOウオーク2017”<第2回大会>葛飾・足立エリアのAコース(22km)も下町ウォークと題しての葛飾・柴又や足立の風情・人情に出会う歩き起こしの健康ウォーキング日和となった。
下町と言えば人情もの、弱い者同士が熱い絆のもとで懸命に生きる健気な生き様が文学にしても映画にしても人々に感銘を与えてきたのではないだろうか。
たとえば藤沢周平さんの「時雨のあと」では、下町でできそこないの兄と健気な妹の現実を描いているし、映画ならお馴染み寅さんの「男はつらいよ」のどこかアンバランスな兄妹の繋がり愛も胸を打つものがある。
おっと、もう一つあったこれは兄妹愛ではないが、両さんこと「こち亀」もご当地出身の人気キャラクターでありました。
いずれもフィクションではあるが、話の原型モデルがいたはずである。たとえば、ちばてつやさんの「あしたのジョー」のモデルは故赤塚不二夫さんのとこに居た「たこ八郎さん」の実話を基にしてできた逸話のように。
おっとそうこうしてるうちに「寅さん」オッス!
おやおや「さくら」じゃないか。
ここは? ご存知、葛飾柴又かぁ。
門前町
と、くりゃ帝釈天か。笠(りゅう)智衆の御前様ごきげんよう。
で、いつもの河川敷。今日は労働者が草野球はやってないようだな。
代わりに随分人だかりがしているな。チアガールも声援してるぞ。
で、ここはリズムよく啖呵売のようにトントントンと威勢良くいくよ。
こうやって江戸川を川上へ遡上。って、鮭じゃないんだから、北上。
ほらこうやってちびっ子も自己鍛錬してるじゃないか。
頑張れ未来のアスリート。日本の将来はボクの手に足にかかってる。
ん?ここはどこだ? 4、5km進んだ水元公園付近か。
かだんか。
水元かわせみの里辺りかな
この辺りまで歩いて来ると寅さんや両津勘吉はどんなリアクションをするかな。
多分、BBQやってる中に入ってビールでもかっくらって騒いでるんだろうな。
ほうー、全天候型BBQガーデンか。
汗流して30℃の炎天下を修行僧のように黙黙と歩いているとこういう緑の葦だか葦の酸素が濃いところは心身リフレッシュされる思い。
かわせみの里というからにはこれが「かわせみ」なのか。
なんだか、一幅の絵画「並木道」のようでもある。
そして綾瀬を経てカメアリへ。
と、くりゃ、本官両津だろうがぁ~。ワハハ。
とこうして無事にAコース、22km完歩したのであります。
しかし、振り返ってみればこのクソ熱いのにコンビニでアイスを舐めあってるバカップルが余計暑く見えたが、両津カン吉だったら……
「コラッ、舐めんじゃあねえぞ!ちったあ地球温暖化軽減エコも考えろってんだ。ばぁろめっ」
って、カン吉の言いそうなセリフだ。
それを基に下町の風情を紐解いていくに、貧困なるがゆえに充分な教育が行き届かず理性より直感を優先する環境習慣に埋没。
前方に確かな光が見えないままその日暮らしを親から子へとしがない慣習連鎖は人間性の向上を目指すドラマの基にはなりそうだ。
が、果たしてそれで幸せかどうかは本人次第といえよう。
願わくば広く世間を世界を見渡して日本の地域未来を正しく的確に導く人々に育ってほしいと希望します。
軒下にひらひらとお馴染みの「氷」の吊し旗、しかも「とらや」って……。
2階で食券を並んで買っておばさんに券を渡したのはいいが、待てど暮らせど宵待ち草で忘れてるのじゃないだろうかと心配になって、今度はさくらのような若い娘さんに催促してみた。あれ何を注文したんだっけ?忘れてしまうほど時間が経って忘れたころ宇治金(650円)がテーブルの上に乗っかった。
ほうー、これを注文したのか。 (it's joke)