「政治に翻弄されない日中関係を創るために」

天児慧

 

日中関係は今年日中平和友好条約締結40周年を迎え、政府間に於いて積極的な関係改善の試みが始まり、日中関係自体も好転の兆しを見せるようになっている。

 

しかしこれまでの過去を振り返ってみると政府レベルの関係が悪くなると日中関係全体が悪くなり政府レベルの関係が良くなると日中関係全体も良くなっていくといったような状況が続き我々民間レベルの人々はこうした政治に振り回されてきたのが現状ではなかったろうか

 

今我々に問われているのは政府の関係がどうであろうと、普通の日本人中国人が健全な関わりを拡大することが大事であり、仮に政治的に厳しい状況が生まれたとしてもこうした普通の人々の関係が維持継続できるような状態を作ることが極めて大事だと思われます

 

今の時代は日中関係の問題解決のためにある特定の行動をすると言うよりもむしろお互いの信頼醸成のために様々な対話をしそして相互の理解を深めることが重要である

 

日中関係における相互不信の問題は実は日中関係を考える上で最大のネックである。

政府レベルでは台頭する中国が近年日中関係を権威的な上下関係で捉えようとする傾向強めております。経済的にも軍事的にも自分たちは日本を追い越した総合国力に置いて日本は急激に力を弱めている、自分たちが上になったと言う考え方であります。

 

これに対して日本は技術、知識などソフトな面ではまだ中国に負けてはいない。これを武器にしてより強い影響力を維持していこうと言う考えがあります。いずれにしても両者は対抗的に相手を見ているということです。同時に両者は相手を利用できるかどうかとい?うゼロサム的な利用の対象でしか見ない傾向が強い。

 

他方で民間レベルの交流では1番深刻な問題は相手側に対する感情が極めて悪いと言うことである。

 

いわゆる歴史問題に於いて中国人の日本人に対する不信感はまだ根強いものがあり、他方で日本人にとって歴史はカードとして利用されている、あるいは日本の経済協力はうまく利用されただけだといった中国に対する強い不信感があります。いわゆる尖閣問題も冷静に理性的に問題を解決していこうとする雰囲気にはありません。

 

日中関係において相互の信頼醸成を深めると言う事はどういうことなのか、何をすればいいのか。これは大変難しい問題である。

 

日中関係はよく近くて遠い国と言われます。近いと言うのは地理的な近さだけでなく歴史的文化的、生活様式のうえで共通した関係、特徴を持っていることを意味します。遠い国と言うのは政治体制の違いと同時に、双方の人々の心のつながりが必ずしも親密、緊密ではないということを意味している。考えてみれば日中相互不信の問題はで長い期間にわたる歴史的な問題である。日本の視点からこの問題を少し取り上げてみましょう。

 

明治維新以前、中国は自他共に認める「文明大国」であり、日本は中国の影響を強く受けながらもそれに対抗する、あるいは向き合う別の思想も脈脈と生き続けてきました。

明治維新以来、近代国家を目指す日本が急速に台頭し近代化に苦しむ中国を尻目にアジアの最強の大国になっていきました。近代化の思想、制度など日本が中国に与えた影響も少なくありませんでした。当時の日本は中国を蔑視するあるいは中国を見下ろす態度をとり、中国を客観的に理解しようとする態度にかけていました。

第二次世界大戦後敗北した日本は、逆に中国革命の勝利を過大に評価する傾向に陥りその後実態として、極めて厳しく苦しい現実の中国を見ることなく過大評価し、憧れにも似た思いを持って中国を見続けてきた。対中国感情極めて良かったのはこの時期であります。

改革開放の時代は日本人は一方で中国に対する好感情を持ちながらも、同時に中国の現実に触れることができるようになり、少しずつ中国に対する蔑視感情、遅れた国と言う意識が強まってきました。そして今日大国化していった中国に対する、ある種の嫉妬感、羨望そして対抗意識といったようなものが芽生えてきているということも事実です。

 

中国側の視点からもこういった対日感情を歴史の文脈から見ていくと作業をしてほしいし、そういった考え方を日本人として聞きたいと思います。

ではこのような日中関係を真に相互の信頼を深め強めていくためにはどのように考えたらいいかということを話してみたい。

 

まず国を代表しない、個人として向き合うと言うことが大事である。

日本人も中国人も無意識のうちにどこかで自分が中国人日本人と言う立場でものを言わなければならないと言う思いに陥りがちのようです。

国を代表するとどちらが正しいか間違っているか、強いか弱いか、優れているかそうでないかを前提として、白黒をつける傾向に陥りやすい。

 

個人としてお互い向き合えば比較的率直にお互いを認め合い、率直に意見を交換し合うことが可能になってくる。相互理解にとって、また信頼関係を築く上に置いて重要なのはそうした関係を形成し、その基盤を拡大し、それを持続させることであると思われる

 

ではどうしたらいいのか

日中間のネットワークの拡大

日中間の様々ある特定のイシューに関する情報の共有

在日中国人、留学生の対話の場を拡大する

日中関係の民間レベルでの様々な対話のプラットフォームを作ること

望ましい客観的な環境としては今日日本に滞在している多くの中国人が日本の事情をかなり知るようになってきている事、まだまだ日本人と本音の対話ができているとは言えそうにありませんが、それでも以前に比べるとこうした対話の輪は急速に広がっています。このような有利な状況をより効果的に生かす工夫が求められています。

 

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