午前中に山を下りて街で用を済ませ、イヌと保護シカたちの待つ家に急いで帰りました。
帰宅後、庭の掃除を始めると、室内にいたイヌのひよりちゃん(♀10歳)も庭に出て、庭掃除を手伝ってくれていました。
もちろん、保護シカたちも庭掃除を手伝ってくれて、保護シカすぐるちゃん(♂7歳)は、水飲み場の水の交換時に水浴びをしていました。
街に住んでいた15年程前は、街であっても日中の真夏の最高気温は33度ぐらいでしたが、今では35度を超える日は珍しくなく、地球の気温が危険なほどに上昇していると実感しています。
そのような状況なので山里の気温も高く、クーラーを付ける家が増えています。
我が家の庭の地面は土で植物が生えているので、そうでな場所より若干涼しいと思いますが、強烈な日差しを浴びるのは危険だと感じています。今日の日差しで植物がしんなりしていました。
そのような中、イヌも保護シカたちも庭掃除を手伝ってくれますが、それぞれ、涼しい場所にいるので、みんなよくわかっているよね~と思います。
庭掃除が終わるとみんなで入りエアコンのつけた室内で一休み。
「のぞみちゃん、お顔舐めたげる」と保護シカすぐるちゃん(左)
「首も舐めたげるね!」と念入りにのぞみちゃんの体を舐めていたすぐるちゃん。
のぞみちゃん(左)の表情がなんとも言えない表情でかわいいです。
ところで、我が家では保護シカたちがいつでもご飯を食べられるように、容器に牧草を入れています。
草食動物なので、食事はいつでも食べられるようにしてあげるのが適切だとわたしは考えています。
なぜなら、反芻動物ということもありますが、個々の活動量の違いからお腹が空くタイミングも違うし、食べ物を食べたい時に食べられる環境がシカたちのストレスを減らすことにも繋がるからです。
しかし、シカたちが食べ物をいつでも好きなときに食べられるようにしていると、シカたちは太ってしまい不健康になるという意見を聞いたことがあります。
それを聞いて我が家のシカたちを見ると、我が家のシカたちは体重が増えすぎているということはないので、上記の意見に疑問を抱きました。
すぐるちゃんとのぞみちゃんを観察していると、ふたりとも自分で食べ物の量や内容を調節しているように見えます。
お腹がいっぱいなら、好物のものであっても食べません。
このことについて調べて見ると、「野生動物たちは、食物摂取量を調節し、満腹になたかどうかを判断するために、人間と同様のメカニズムを発達させている」と書かれた記事を見つけました。
動物たちは、これから自分たちが行う行動によって食べ物の量を調節したり、予測できない事態に対する反応(一時的にたくさん食べる)を示したりするそうです。
草食動物たちであれば、「栄養ニーズを満たすために一貫した食事パターンを堅持する」そうです。
野生動物たちが食物摂取量を調節するメカニズムは、人間と同じで、胃の中の脳(迷走神経)によって、満腹の重要な情報を脳に伝え、その他の重要な栄養素や水分など、どの栄養素が必要かを判断する栄養感知機構を備えているそうです。これらの機構によって、動物たちはバランスのよい食事を維持できるということです。
さらに動物たちは、舌と口に苦味受容体を持っているそうで、この受容体は、食事に含まれている潜在的な有害な物質に帯する防御として機能しているということです。
空腹ホルモン(グレリン)は 、食事を摂取するタイミングを脳に知らせ、レプチンは満腹感を伝えます。
動物たちは生息する環境(外的要因)により、ストレスや気温などを理由に食習慣を調節したり、社会的要因によって、食べる行為をやめる時もあったりします。例えば、オオカミであれば、仲間全員が食べ物を食べることができるように、食糧を分け合うため、食べるのをやめることがあるそうです。
すぐるちゃんたちを観察していると、よく食べる日とそうでない日があります(食べも物も違います)。その違いの要因はさまざまだと思います。
草食動物たちは、場合によって毒性のある植物を食べることもあり、その時は、有害な物質が体内から排出されるまで、食事を控えるという研究報告もあります。
そのため、人間が飼育しているシカたちの食事の内容や量を念密に計算して、その数字通りの食事をシカたちに与えなくても、飼育環境がシカたちにとってストレス少ない環境であれば、食事の内容や量はシカたち自身に任せるのが一番よいとわたしは考えています。
わたしち人間がすべきことは、動物たちを直接「管理」することではなく、動物たちの習性やニーズを可能な限り満たせてあげられる生活環境の管理(環境の整え)ではなかと思います。
生活環境が動物たちにとって快適な空間であれば、動物たちはストレス行動を行いにくくなり、本来備えている数々の能力を発揮するので、個々の動物たちにまかせると問題や事故も起こりにくくなると思います。
万が一、想定外のことによって動物たちがケガをしそうだったり、生命の危険があったりしそうな出来事が起こりそうな時は、事故回避のために動物たちに声をかけて安全を確保できるようサポートをして、再度、動物たちの生活環境を見直してみよう。
動物たちの能力を過小評価せず、さまざまな能力を備え、感覚的存在である個々の動物たちを信じることが人間に必要なのではないかと思います。
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●参考文献